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「ゴール」から「目的」と「目標」を見つける方法とそのメリット(『ザ・コーチ』のご紹介)

公開日: : 最終更新日:2013/10/31 仕事の方法論,

1.『ザ・コーチ』

よい本に出会いました。

Amazon.co.jp: ザ・コーチ (最高の自分に出会える『目標の達人ノート』) 電子書籍: 谷口 貴彦, .: Kindleストア

ここ1年で読んだ本の中では、5本の指に入ります。

参考になった点は多々あるのですが、その中のひとつをご紹介します。ゴールから目的と目標を見つける方法です。

2.前提:ゴールと目的と目標の定義

『ザ・コーチ』の副題は、最高の自分に出会える『目標の達人ノート』です。全編が、「目標の達人」になるためのレッスンという構成です。

「目標」は、本書にとって大切な概念なので、本書では、「目標」に関係する言葉を明確に定義しています。次の5つです。

  1. 目標
  2. 目的
  3. ゴール
  4. ビジョン

このうち、本書による、「目標」と「目的」と「ゴール」の定義は、以下の通りです。

  • 「目標」は、目的を達成するために設けた目当て
  • 「目的」は、成し遂げようと目指す事柄
  • 「ゴール」は、競技などで、着順が決まる一番最後の地点・決勝点

そして、この三者の関係を、本書は、以下のように表現しています。

「つまり、目的のための最終的な目印がゴールで、そのゴールまでの途中の目安や、通過点として置くのが目標」

3.「ゴール」から、「目的」と「目標」を見つける方法

この三者の関係性をこのように明確に表現すること自体、いろいろと発見があるのですが、本書のすごいところは、この先です。本書は、「ゴール」から「目的」と「目標」を見つける方法を、具体的に解説し、この方法のよいところを説明しています。ここが秀逸です。

(1) 「ゴール」から「目的」を見つける方法とそのメリット

a.「ゴール」から「目的」を見つける方法

本書の定義では、「ゴール」とは、目的のための最終的な目印です。本書では、「宅建の資格を取る」という具体例が挙げられています。

他には、「●●の資格を取る」、「□□をテーマにした本を出版する」、「△△として独立する」、などが、ゴールの例ではないかと思います。

「ゴール」を設定したら、「そのゴールの目的は何か?」と自分に問います。本書では、「宅建の資格を取る目的は何ですか?」という問いです。

この問いから、どんどん上に上にさかのぼり、「成し遂げようと目指す事柄」レベルの目的を見つけます。本書では、「営業課長になりたい」→「営業課長になって給料を上げることで、家を持ちたい」→「家族が豊かに暮らせる家を持ちたい」、「営業課長になりたい」→「人を育てる仕事の割合を増やしたい」→「人を育てる仕事がしたい」とさかのぼることによって、「家族が豊かに暮らせる家を持つ」と「人を育てて一緒に目標を達成して喜ぶ」という目的を見つけました。

「ゴール」は、目的のための最終的な目印なので、このゴールを達成することによってどんな目的を達成したいかは、自分がいちばんよく知っているはずです。必要なのは、「このゴールの目的は何か?」と自分に問い直すことだけです。

b.「ゴール」から「目的」を見つけるメリット

(a) 継続的なモチベーションが得られる

「ゴール」から「目的」を見つけるメリットとして、本書は、継続的なモチベーションが得られる、というメリットを挙げています。

「宅建の資格を取る」という「ゴール」を単体で考えると、義務感のようなものがあり、なかなかモチベーションが続きません。

これに対して、「家族が豊かに暮らせる家を持つ」や「人を育てる仕事をする」という「目的」を、この「ゴール」とセットにして考えることによって、「宅建の資格を取る」という「ゴール」に対するモチベーションが継続する、と言います。

これは、そのとおりだろうと思います。

(b) 「目的」を見つける手がかりになる

私は、本書を読んで、本書には明示的には書かれていないもうひとつのメリットを感じました。それは、「ゴール」から出発することは、「目的」を見つける手がかりになる、ということです。

「目的」は抽象的なので、「目的」を単体で見つけようとしても、必ずしもうまくいきません。

これに対して、「ゴール」はある程度具体的で、目に見えるものです。「宅建の資格を取る」「営業課長になる」などの「ゴール」を発見することは、「人を育てる仕事をする」といった「目的」よりも、発見することが簡単です。

そのため、「ゴール」を設定して、そこからさかのぼって「目的」を見つける、という方法は、有効な方法ではないかと思います。

(2) 「ゴール」から「目標」を見つける方法とそのメリット

a.「ゴール」から「目標」を見つける方法

次は、「ゴール」から「目標」を見つける方法です。大きく分けると、次の2ステップです。

(a) 「知識」、「能力」、「ツール」の3つに分けて、要素を洗い出す

まず、「ゴール」を達成するために必要な要素を、「知識」、「能力」、「ツール」という3つに分けて、洗い出します。

本書では、「宅建の資格を取る」というゴールを例に、以下のような洗い出しをしています。

  • 「知識」
    • 効果的な学習方法
    • メンタル知識
    • 記憶術の知識
    • 効果的な目標達成の知識
    • 民法の知識
    • 建築法規の知識
  • 「能力」
    • 集中力
    • 決断力
    • 記憶力
    • モチベーションを維持する力
    • 朝型の生活習慣
  • 「ツール」
    • ゴールを構成している要素のリスト
    • 計画表
    • イメージ写真
    • 参考書と過去問題集
    • 集中できる場所
    • ライバル
    • 協力者
(b) 各要素の相互関係を考えて、優先順位、取り組み順序を考える

次に、各要素の相互関係を考えて、優先順位や取り組む順序を考えます。

たとえば、民法の知識を勉強するよりも先に効果的な学習方法を学んだ方が効果が高いから、まず効果的な学習法法を学ぶ、といった感じです。

(c) 各要素を、「目標」に置き換える

そして、洗い出して優先順位を決めた各要素を、「目標」に置き換えます。

このときのポイントは、以下の3つです。

  1. いつ、何が、どうなっている、と言う形で表現する
  2. 主語を「私」にする
  3. その目標を持つ目的をくっつける

たとえば、「ライバル」という要素を目標に置き換えると、以下のようになります。

私は(主語を「私」にする)、最後まであきらめないでモチベーションを高く保つために(目的をくっつける)、5月10日に(いつ)、同じ宅建合格を目指すライバルを2人持っている(何が、どうなっている)

b.「ゴール」から「目標」を見つけるメリット

この方法で「ゴール」から「目標」を見つけるメリットは、以下の2つです。

(a) 必要な目標を全方位から収集できる

まず、「ゴール」を達成するために必要な「目標」を、全方位から収集できます。「知識」、「能力」、「ツール」という3つの観点から必要な要素を洗い出すことによって、広い視野を持って、全方位から目標を収集できます。

本書の具体例では、「ライバル」や「集中できる場所」、「朝型の生活習慣」などは、この方法で洗い出さなければ、見つからなかった「目標」ではないかと思います。

(b) 目標の相互関係、優先順位がわかる

「目標」に置き換える前に洗い出した要素の相互関係を考えることで、目標の相互関係や優先順位がわかります。

これによって、「ゴール」を目指したとりくみは、その「ゴール」を達成することだけにとどまらない、波及効果の高い活動になります。

4.おわりに

『ザ・コーチ』は、他にもいろいろとよいことが書いてあります。今なら、Kindle版はセール中です。

よろしければ、ご一読を。

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