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頭の中のマンダラ

公開日: : Mandal-art, 子育て

なかなかむずかしいときもあるんですけれども、今の自分の生活の中で、私がいちばん大切にしたいと願ってるのは、子どもと話をする時間です。

うちの子は3歳になります。近頃いろんな言葉を覚え、話すのが楽しくて仕方ないようです。保育園まで歩いて登園するときや、夜寝る前に布団の中でゴロゴロしているとき、よく、「お話しよう」と、私に話をせがんでくれます。

うちの子が好きなのは、いわゆる物語ではなくて、自分が体験した出来事のお話です。アンパンマンや泣いた赤鬼よりも、この前の土曜日に行った東山動物園の話を好みます。

そんなわけで、「お話しよう」と言われるたび、私は、これまでのお出かけを思い出し、東山動物園やらモリコロパークやらおもちゃ王国やらに行った1日の話をしています。

昨夜も、この前いった東山動物園のお話をしていました。いつもと同じように話をしていたつもりなのですが、ふと、自分の話し方に、これまでとちょっとちがうところを感じました。エピソード自体は同じなのですが、話の展開の仕方が、いつもの自分とはすこしちがう気がしました。

子どもが寝たあとで、どこがちがうんだろうかと考えていました(パソコンを開いて、WorkFlowyの日記トピックの中に、パタパタと思いついたことを打ち込んでいました)。すると、ひとつのことに思い当たりました。マンダラです。

昨夜、私がうちの子にお話をしたときの展開は、マンダラっぽいのです。もっと具体的にいえば、「5Wマンダラ」と「周辺マンダラの展開」です。

「5Wマンダラ」とは、『[超メモ学入門]マンダラートの技法』で、マンダラートの奥義として紹介されていたマンダラです。この「5W」は、あの「5W1H」の「5W」であり、つまり、つぎの5つです。

  • Who
  • Why
  • What
  • Where
  • When

「5Wマンダラ」は、この5つを、次のように配置するマンダラのことです。

「5Wマンダラ」

たとえば、昨夜のお話は、「この前の土曜日に行った東山動物園」でした。

いつものとおり、「この前、東山動物園に行ったね。」から話を始めたのですが、今ふり返ると、この言葉を口にしたとたん、私の頭の中には「5Wマンダラ」が浮かんでいました。

こんなマンダラです。

東山動物園へのお出かけの「5Wマンダラ」

「5Wマンダラ」が頭に浮かぶと、自然と、これらの問いに答えるような話し方になります。

  • 誰が行ったのか?
  • 何のために行ったのか?
  • 何をしに行ったのか?
  • どこに行ったのか?
  • いついったのか?

また、自然と、子どもと一緒にこれらの問いを考えます。「東山動物園で何をしたっけ?」「東山動物園にこのまえ行ったのはいつだっけ?」などと私が口にすると、うちの子は、うとうとしながらも、「ズーボに会った」とか「この前のお出かけの日だよ」とか話してくれました。

「周辺マンダラの展開」とは、最初に作ったマンダラの「周辺セル」、つまり周囲を取り囲む8個のセルのうちのひとつを選び、その「周辺セル」を「中心セル」に据えた新たなマンダラを作って、思考を展開するという、マンダラートの技法です。

たとえば、先ほどのこのマンダラ。

東山動物園へのお出かけの「5Wマンダラ」

このうち、Whatにあたる「ズーボに会って写真を撮ろう」で「周辺マンダラの展開」をするなら、「ズーボ」を「中心セル」に置いた新たなマンダラを創ることになります。

(ちなみに、「ズーボ」というのは、東山動物園のマスコットキャラクターです。)

Whatを、周辺マンダラの展開

昨夜の私は、無意識に、頭の中に、こんなマンダラを思い浮かべていました。

ズーボの「5Wマンダラ」

そして、「ズーボって、何なんだろうねえ」「ズーボに会ったのって、どこだっけ?」「ズーボ出没時間は11時だったね。」なんてことを、子どもと話していました。

ところで、「周辺マンダラの展開」は、無限に続きます。

昨夜の私も、ズーボと会ったのはキリンの前だったねえ、から始まり、キリンからシロクマに、さらにはシロクマの親子の話になりました。今ふり返ると、こんなふうに話がつながっていくのは、なんとなく、「キリンの前」を「周辺マンダラの展開」したときのようです。

ズーボのWhereを周辺マンダラ展開

キリンから自由連想マンダラ

キリンマンダラのサーキュレーション法

私はまったくできないのですが、ソロバンの達人は、ソロバンを手にしていなくても、頭の中に思い浮かべたソロバンの玉を弾いて、てきぱきと計算をするそうです。

これと同じように、マンダラートの達人であるマンダラーティストは、マンダラを手にしていなくても、頭の中にマンダラを思い描き、「5Wマンダラ」や「周辺マンダラの展開」といったマンダラートの技法を駆使しながら、日々、思考や会話を繰り広げていくのではないか、という気がします。

『[超メモ学入門]マンダラートの技法』で、マンダラート考案者の今泉浩晃さんは、こんなことを述べています。

あらゆる人間の営みは、「生きる!」ということが原点であり、この生きるという原点に繋がってこそ意味があると考えるからです。
[略]
考えるための手法というのも同じです。経営とか、販売とか、製品開発とか、あるいは政治とか、大きな問題には使えるけれど、日常の生活、たとえばファッションを選ぶ、料理をする、デートのコースや予算を考える、友人にギフトを贈る、などなどには使えない手法などというものであったら、それはどこかオカシイのです。『[超メモ学入門] マンダラートの技法―ものを「観」ることから創造が始まる』p.4

マンダラートを続けると、きっと、頭の中にマンダラが育ちます。こうして育った頭の中のマンダラは、毎日の日常の中で力を発揮し続けるのだろうなと感じた、昨夜の子どもとのお話のお話でした。

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