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【お知らせ】『クラウド時代の思考ツールWorkFlowy入門』、2016年1月29日、発売開始です。

公開日: : WorkFlowy

1.『クラウド時代の思考ツールWorkFlowy入門』は、WorkFlowyと知的生産の本

『クラウド時代の思考ツールWorkFlowy入門』という本を書きました。発売日は2016年1月29日(電子書籍版)で、現在、いくつかのストアで予約が始まっています。

『クラウド時代の思考ツールWorkFlowy入門』

この本は、WorkFlowyというクラウドサービスについての本です。WorkFlowyとはどんなツールで、どんな特徴を持つのかを明らかにするとともに、WorkFlowyの具体的な使い方を提案しました。

WorkFlowyは、クラウドでアウトライナーを利用できるツールです。でも、この本では、アウトライナー一般の話やクラウドサービス一般の話は書きませんでした。徹底的に、WorkFlowyという個別具体的な道具のことを説明します。この本は、WorkFlowyについての本です。でも、書き手である私は、この本で、WorkFlowyのことだけではない何かを書いたつもりです。それを言葉にすると、「個人の継続的な知的生産」になると思います。私は、個人の継続的な知的生産というテーマを込めて、この本を書きました。

知的生産とは、新しい情報の生産です。どこかから情報をインプットし、それらの情報をもとに何かを考えて、新しい情報をアウトプットするのが、知的生産です。知的生産とは、プロの研究者や物書きだけのものではなく、普通の個人にも開かれています。誰だって、毎日の生活の中で、何らかの情報を取り込み、その情報に自分の経験を加え、新しい情報を生み出すことができます。こんな、普通の個人の継続的な知的生産が、この本のテーマです。

個人の継続的な知的生産というテーマは、目新しいものではありません。ですが、この本の特徴は、WorkFlowyという具体的な道具について掘り下げることを通じて、個人の継続的な知的生産を考えることにあります。こんな意味で、『クラウド時代の思考ツールWorkFlowy入門』は、WorkFlowyについての本であり、同時に、個人の継続的な知的生産についての本です。

2.私が抱えていた閉塞感を解消した2つの存在=WorkFlowyとブログ

私は、2015年現在、30代のワーキングパパです。共働きで子どもを育てながら、小さな組織に所属して働いています。

私が知的生産に興味を抱いたのは、大学生のころでした。『知的生産の技術』や『思考の整理学』を読み、新しい情報を生み出すことによる積極的な社会参加というイメージにあこがれました。

しかし、その後、大学を卒業し、仕事を始め、結婚し、子どもを授かり、という変化のたびに、私の中で、知的生産の占める割合は、徐々に小さくなっていきました。理由は単純です。知的生産のために使える時間とお金と空間が激減したためです。

それでも、その限られた時間・お金・空間をやりくりして、知的生産に取り組もうとしていました。ところが、本を読み、頭に浮かんだ何かをメモし、文章を書き始めても、なかなか文章を書き上げることができません。読書ノート、アイデアメモ、書きかけの文章の断片は増えるものの、新しい情報を生み出すことができず、私は、同じところで足踏みしているような閉塞感を感じていました。当時の私は、普通の個人が継続的な知的生産を行い続けるのは、ほとんど無理なんだろうなあ、という諦めに近い感情を持っていました。

この状況を変えてくれたひとつの重要な存在が、WorkFlowyです。

2015年にWorkFlowyを使い始め、着想のメモも、読書ノートも、日記も、ブログ原稿も、自分の生活の中にある「文章を書く」ことに関するあらゆることにWorkFlowyを使ってみたら、いろんなことがうまくいくようになりました。限られた時間の中で、お金も空間もほとんど使わずに、それなりに満足できる知的生産を楽しんでいる自分を、私は発見しました。WorkFlowyを使い続けるうちに、自分でも自覚しないまま、自然と、個人の継続的な知的生産のための条件がそろい、個人の継続的な知的生産を支える環境が整っていたようです。

この過程から私は、2つのことを学びました。ひとつは、知的生産は情報のフローであるということ、そしてもうひとつは、自分の生活の全体から暫定的な一部分を切り取り続けることが、個人の継続的な知的生産のあり方だということです。WorkFlowyは、この2つのことと、密接に関係しています。

ところで、私が知的生産について抱えていた閉塞感を解消してくれた存在は、WorkFlowyのほかに、もうひとつあります。2012年に始めたこのブログ、「単純作業に心を込めて」です。この本はWorkFlowyの本なので、個人の継続的な知的生産のためにブログが果たしうる役割を詳しく書くことは控えますが、いずれにせよ、ブログ「単純作業に心を込めて」は、WorkFlowyとともに、私が陥っていた知的生産の閉塞状況を変えてくれました。

このブログに、私は、WorkFlowyのことを書き続けています。2015年にWorkFlowyを使い始めて以来、機能説明、活用方法、原理原則、思想など、WorkFlowyに関する面白そうなことであれば、なんでもどんどん書いています。私はこれを「とりあえずWorkFlowy」戦略と呼んでいます。今の「単純作業に心を込めて」は、「とりあえずWorkFlowy」のブログです。WorkFlowyは、私にとって、重要な研究テーマでもあります。

私にとってのWorkFlowyとは、知的生産を支える道具であると同時に、重要な研究テーマでもあります。ですから、私は、この本を、WorkFlowyの現役のユーザーとして書き、同時に、WorkFlowyのプチ研究者として書きました。

3.『クラウド時代の思考ツールWorkFlowy入門』の構成

『クラウド時代の思考ツールWorkFlowy入門』の構成は、こんな感じです。

  • 第1編 WorkFlowyと「個人の継続的な知的生産」
    • 第1章 「個人の継続的な知的生産」のために大切な2つの条件
    • 第2章 WorkFlowyの基本
    • 第3章 WorkFlowy基本5原則
    • ☆WorkFlowyの実践講座
  • 第2編 WorkFlowyを毎日の生活の中にある「文章を書く」ことに使う
    • 第1章 WorkFlowyで着想を捕まえ、蓄積し、活用する
    • 第2章 WorkFlowyで本を読む
    • 第3章 WorkFlowyで文章を書く
  • 第3編 WorkFlowyを「自分の道具」に育てる
    • 第1章 「WorkFlowy専用Firefox」で、WorkFlowyを「自分の道具」にする
    • 第2章 「WorkFlowy専用Firefox」のブックマークで、「アウトライン」の中を動き回る
    • 第3章 「WorkFlowy専用Firefox」にアドオンで機能を追加する
    • 第4章 「WorkFlowy専用Firefox」にブックマークレットで機能を追加する
  • 付録
    • 付録1 読書案内
    • 付録2 WorkFlowyの丁寧な説明
    • 付録3 彩郎版・WorkFlowy用語の基礎知識
    • 付録4 WorkFlowy Proの説明
    • 付録5 MacからキーボードでWorkFlowyを操作するために必要な設定
    • 付録6 「文章を書く」ための道具の変遷(WorkFlowyに至るまで)

第1編は総論です。WorkFlowyと知的生産について、いくぶん理屈っぽく考察します。「個人の継続的な知的生産」について考え、WorkFlowyの基本を説明した上で、「WorkFlowy基本5原則」を提案します。

第2編は、WorkFlowyの具体的な使い方を紹介します。WorkFlowyの使い方についてのこの本の基本的メッセージは、「毎日の生活の中に既に存在している「文章を書く」ことに、WorkFlowyを使う」です。新しいことを始めるのではなく、毎日の生活の中で既に行っている「文章を書く」ことに関する何かに、WorkFlowyを使います。

毎日の生活の中に存在する「文章を書く」ことに関する何かは、人によって様々です。ここでは、具体例として、着想のメモ、読書ノート、読者を想定した文章を書くことの3つを説明します。

第3編は、WorkFlowyを「自分の道具」にすることを考えます。WorkFlowyを使い続けていると、ちょっとした不足を感じることがあります。ここでは、WorkFlowyをカスタマイズすることで、このちょっとした不足を解消し、WorkFlowyを「自分の道具」にすることを模索します。具体的は、「WorkFlowy専用Firefox」とそのカスタマイズです。

本編のあとに、付録をつけました。本筋からは少し外れるけれど、ある場面では意味を持ちうる内容を、テーマごとにまとめてあります。付録の内容は、以下のとおりです。

  • WorkFlowyの丁寧な説明
  • 彩郎版WorkFlowy用語の基礎知識
  • WorkFlowy Proの説明
  • MacからキーボードでWorkFlowyを操作するために必要となる、MacOS基本設定
  • 「文章を書く」ための道具の変遷(WorkFlowyに至るまで)

4.本書が扱う範囲

この本のテーマは、WorkFlowyと知的生産です。WorkFlowyは奥の深い道具ですし、知的生産はとても一般的で本質的な概念です。WorkFlowyや知的生産のすべてをカバーすることは、とてもできません。そこで、この本は、次の3つの絞り込みをしています。

(1) パソコンからWorkFlowyを使うことを前提としている

まず、この本では、WorkFlowyをパソコンから使うことを前提としています。WorkFlowyは、スマートフォンやタブレットからでも使えます。しかし、この本では、スマートフォンなどからの使用を扱っていません。

WorkFlowyは、キーボードから操作すると、とても快適です。知的生産の道具としてWorkFlowyを捉えるなら、パソコンのキーボードから操作しないともったいない、と私は考えています。私がイメージしている形は、パソコンからの使用が基本で、これをスマートフォンやタブレットからの使用で拡張する、という関係です。だから、まずはパソコンからの使用を扱います。

ただ、スマートフォンから使うときも、基本的な考え方は共通するはずです。ですから、この本の内容は、「WorkFlowyを使うのは、もっぱらスマートフォンから」という方にも、多少は意味があるかもしれません。

(2) WorkFlowy Proを前提としている(新規トピック数制限を気にしていない)

次に、この本は、トピック数の制限を、いっさい気にしていません。

WorkFlowyは、いわゆるフリーミアムモデルのクラウドサービスなので、無料アカウントにはいくつかの制限があります。その中で最大の制限が、1ヶ月間に新しく作成できるトピックの数に上限がある、というトピック数制限です。しかし、この本は、このトピック数制限を、いっさい考慮に入れていません。

トピック数制限を考慮に入れていない理由は、私が、WorkFlowy Proという有料アカウントを使っているためです。WorkFlowy Proにすれば、トピック数制限は撤廃されます。無制限です。ですから、この本は、WorkFlowy Proを前提としている、ともいえるかもしれません。

(3) 「文章を書く」という用途に光を当てている

そして、この本は、WorkFlowyを「文章を書く」ための道具として捉えています。

WorkFlowyの用途は、「文章を書く」だけではありません。それどころか、WorkFlowyは、「文章を書く」ためのツールとして紹介されるよりもむしろ、タスクリストやチェックリストのための道具として紹介されることの方が多いように思います。

ですが、この本が光を当てるのは、「文章を書く」道具としての側面です。タスクリストやチェックリストとしての使い方は扱いません。

なお、「文章を書く」ための道具が担う役割には、文章の内容を考える、文章の構成を組み立てる、文章を書き進める、文章を推敲する、など、各段階に応じたいくつかの役割があります。この本が光を当てるのは、これらのすべてです。この本は、WorkFlowyを、「文章を書く」というプロセスの全体をカバーする道具だと捉えています。

5.正直な告白・全体と部分

ここでひとつ、小さな声で、でも正直に、告白させてください。

本書の内容は、2015年1月から10月にかけて、ブログ「単純作業に心を込めて」に書いた内容を土台にしています。ブログ「単純作業に心を込めて」は、「とりあえずWorkFlowy」を基本戦略にしており、WorkFlowyに関する記事の数は100を超えます。これまでに私がWorkFlowyについて行ってきた試行錯誤の大部分に関する情報は、ブログ「単純作業に心を込めて」の記事として、ウェブ全体へと広く公開されています。

本書ではじめて明らかにする情報は、たぶん、ほとんどありません。ブログでは秘密にしていたWorkFlowyの使い方も、ブログでは説明しきれなかったWorkFlowyの目玉機能も、ブログでは解明しきれていなかったWorkFlowyの理論も、何もありません。この本でしか読めないこの本だけの新しい情報は、ほとんど存在しないのです。

実際、私が本書を書き上げたプロセスは、新しいことを書くよりも、過去のブログ原稿を並べ替え、削って削って削って、整える、というものでした。

この本は、ブログ「単純作業に心を込めて」にまるっと含まれる関係にあります。もし、皆様が、WorkFlowyに関する新しい情報を求めて本書を読むのだとしたら、この本は、おそらく皆様のご期待には沿えません。

それでも、本書を書き終えた今、私が思うことは、本書には、本書だからこその役割があるのではないか、ということです。

抽象的にいえば、それは、全体と部分の関係です。

ブログに公開した記事は、私がWorkFlowyについて試行錯誤したことや考えたことの全体から、一部分を切り出すことで、生まれました。全体から切り出された暫定的な一部分が、ブログ記事です。それぞれがその一部分だけで完結するように切り出してきたつもりではありますが、その一部分が全体の中でどのように位置づけられるのかは、そのブログ記事単体を読むだけでは、あまりよくわかりません。全体における位置づけがわからないと、その記事の内容自体はわからなくはないけれども、それが一体どんな意味があるのか、よくわからない、という状態になりがちです。

これに対して、本書は全体の筋を持っています。私は、本書を書くにあたって、本書の全体の筋の中に、これまでに書いたブログ記事を取り込みました。本書に取り込まれたブログ記事は、本書を貫く全体の筋の中に位置づけられています。

一般に、全体を理解することは、部分の理解を助けてくれます。全体を理解すると、部分の位置づけがわかりますし、全体の筋が個々の部分の解釈を補ってくれるからです。仮に全体の理解が大雑把で浅くても、最初にざっくりと全体を理解しておくと、個々の部分に対する理解は、ぐっと進みます。

本書の存在意義は、このあたりにあります。個々の情報ベースでは、目新しい情報はありません。でも、本書は、全体の筋を持っています。そのため、本書は、これまでに私がブログに書き続けてきた個々の情報を、ひとつの全体の筋の中に位置づけて理解することを促すのではないかと期待しています。

6.おわりに

WorkFlowyは、大きな可能性を秘めるツールです。この大きな可能性全体と比べると、私がこの本で書くことができたのは、限られたほんの一部分に過ぎません。でも、こうして1冊の本という具体的な形を与えることを通じて、WorkFlowyというツールが秘める大きな可能性を、少しでもお届けできたらいいな、と思っています。

手にとっていただけると、とてもうれしく思います。

(なお、このブログ記事は、『クラウド時代の思考ツールWorkFlowy入門』の「はじめに」とだいたい同じ内容です。)

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