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クラウドと「ポケット一つ原則」は、相性抜群。文章とメールとタスク、3つの「ポケット一つ原則」

公開日: : Webサービス

1.『「超」整理法』の「ポケット一つ原則」は、理論

(1) 「ポケット一つ原則」とは

「ポケット一つ原則」とは、「置き場所を一箇所に限定する」というものです。「ポケット一つ原則」は、『「超」整理法』の核となる原則です。

このように、置き場所を一箇所に限定するというのは、きわめて重要なことだ。これを「ポケット一つ原則」と呼ぼう。

もし見つからなければ、それは、誤った判断にもとづいて、あるいは過失によって、捨ててしまったのである。その書類は、もはやどこにも存在しないことが証明されたのである。したがって、別途の処置を考えるしかない。

ある種類の何かの置き場所を一つに限定すれば、その種類の何かのうちの特定のものを探さなければいけなくなったときに、探すべき場所は、その一つの場所だけになります。探している物が存在するなら、その一つの場所に必ずあるはずであり、その一つの場所で見つからなければ、あきらめるしかない、ということです。

(2) 「ポケット一つ原則」は、理論なので、幅広い範囲に応用可能

『「超」整理法』では、ポケット一つ原則を、主に書類の整理に用いていました。しかし、『「超」整理法』自身が語るように、ポケット一つ原則は、ある種の理論です。理論なので、書類の整理だけでなく、幅広い範囲に応用することができます。

私は、ポケット一つ原則を、ブログの原稿、メール、タスクという3つの場面に適用し、満足いく成果を享受しています。以下、私がどのようにポケット一つ原則を適用し、どのように成果を享受しているか、説明します。 

2.私がポケット一つ原則を適用している3つの場面

(1) ブログ原稿のポケット一つ原則:Evernote

私は、ブログの原稿を、すべてEvernoteで書いています。思いついたアイデアをメモする段階から、アイデアを支える情報をメモする段階、文章の形を整える段階まで、全部、Evernoteで書いています。

私は、ひとつの文章ごとに、ひとつのノートを使います。アイデアのメモだけでも、将来ひとつの文章に育ちうるものは、ひとつのノートを使います。そのため、Evernoteの中には、アイデアを記しただけの一文のノートもあれば、途中までの書きかけ原稿もあれば、完成した原稿もあります。

このように、いろんな段階の原稿が、たくさん存在しています。そして、私は、原稿にポケット一つ原則を適用しているので、すべての原稿は、全部Evernoteにあります。

ポケット一つ原則をブログの原稿に適用すると、どんないいことがあるでしょうか。3つあります。

ひとつめは、過去に思いついたすべてのネタが、Evernoteにある、ということです。新しい記事を書きたいと思ったときに、何も思いつかなければ、Evernoteを見れば、そこにいろんなネタが収納されています。

ふたつめは、常に最新の書きかけ原稿を育てていける、ということです。書きかけの原稿のすべてが、Evernoteにあります。すべてがEvernoteにあるので、Evernoteにアクセスできる状態でさえあれば、最新の書きかけ原稿を編集することができます。すると、少しの時間であっても、ちょっとずつ、原稿を育てることができます。

みっつめは、書きながら新しいネタを思いついたときのメモが簡単である、ということです。ある記事を書きながら、別の記事を思いつくことは、よくあることです。このとき、Evernoteで記事を書いていれば、新しいノートを作るだけで、その思いついた別記事のネタを捕まえることができます。

(2) メールのポケット一つ原則:Gmail

私は、スマートフォンのキャリアメール以外に、3つのメールアドレスを使用しています。プライベート用と、仕事用、それから、サービスなどに登録するための半捨てメールアドレスです。

そして、これら3つのメールアドレスを、POPによって、Gmailで送受信しています。

このように、私は、Gmailによって、メールのポケット一つ原則を実現しています。

Gmailでメールのポケット一つ原則を実現すると、どんないいことがあるでしょうか。これも、3つあります。

ひとつめは、Gmailだけチェックすれば、すべてのメールアドレスについて、送受信の処理をすることができる、ということです。3つのメールアドレスを使っているとしても、3つのメールソフトを立ち上げる必要はありません。

ふたつめは、Gmailに、すべての過去メールが保存される、ということです。このことは、過去メールを検索によってデータベースのように使っている場合に、大きなメリットです。

みっつめは、既読or未読や送信済みand下書きまで統一管理できる、ということです。スマートフォンから確認したメールは、ノートパソコンから見ても既読になっています。デスクトップで下書きを書いたメールを、スマートフォンで書き足して、送信することができます。この送信済みメールは、ノートパソコンからGmailにアクセスして、送信済みフォルダを開けば、そこにあります。

(3) タスクのポケット一つ原則:Toodledo

私は、Toodledoというタスク管理のクラウドサービスで、タスクを管理しています。

GTDの思想に従って、自分の手持ちタスクを可能な限り外部のタスク管理システムに預けることにしているのですが、預ける先は、原則、Toodledoに統一しています。

Toodledoにすべてのタスクを預けて、タスクのポケット一つ原則を実現すると、Toodledoさえ確認すれば、やらなければいけないことを確認できるため、精神衛生上、楽です。

3.クラウドと「ポケット一つ原則」は、相性抜群

(1) 全部クラウドなのは、偶然ではない

文章のEvernote、メールのGmail、タスクのToodledoは、全部クラウドサービスです。

これは、偶然ではありません。ポケット一つ原則とクラウドサービスとの相性は、抜群です。そのため、ポケット一つ原則をよりスムーズに導入しようとすれば、自然と、クラウドサービスを利用する方向に傾きます。

ポケット一つ原則とクラウドサービスの相性が抜群であるとは、どういうことでしょうか。

(2) クラウドと「ポケット一つ原則」が、相性抜群である理由

a.クラウドは、部屋はひとつだけれど、入り口が無数にある、無限に大きなポケット

まず、クラウドは、物理的なポケットにはない特徴を持ったポケットです。それは、部屋の数がひとつでありながら、入り口を無数に増やすことができるからです。また、部屋の広さは無限に近いほど広いからです。

クラウドサービスのデータが保存されている場所は、クラウドのサーバーというひとつの部屋です。しかし、クラウドサービスは、いろいろな場所からアクセス可能です。IDとパスワードさえあれば、端末を選ばずに、アクセスできます。実際、私も、Evernoteも、Gmailも、Toodledoも、Windowsパソコン、Android、iPadなど、たくさんの入り口から利用しています。

また、クラウドサービスが提供するストレージ容量は、とても大きいので、ほぼ無限の量のデータを保存することが可能です。これも、物理的なひとつのポケットにはないメリットです。

b.クラウドは、優れた検索機能を持つ

次に、クラウドサービスは、通常、優れた検索機能を持っています。

ポケット一つ原則を物理的な何かに適用する場合、ポケットは、大きければ大きいほど、たくさん収納できます。しかし、大きければ大きいほどよい、というわけではありません。持ち運びや管理コストの問題もさることながら、ポケットがあまり大きすぎると、目的の物を検索できない、というのが、大きな理由ではないかと思います。

これに対して、クラウドサービスは、優れた検索機能を持ちます。クラウドサービスが預かるのはデータなので、クラウドサービスは、預かったデータを検索するための、優れた検索機能をユーザーに提供することで、ユーザーからの支持を得ています。

c.ひとつだけのポケットのデメリットを、全部消してしまう

ポケット一つ原則は、強力な理論です。しかし、物理的なポケット一つ原則は、(i)入り口がひとつしかない、(ii)スペースに限りがある、(iii)検索が面倒(たとえば、内容からの検索が大変)、というデメリットも抱えています。

クラウドサービスでポケット一つ原則を実践すれば、これら3つのデメリットは、全部消えてしまいます。これが、クラウドサービスとポケット一つ原則が相性抜群であるゆえんです。

(3) 「ポケット一つ原則」は、クラウドの力を引き出す基礎理論のひとつ

以上の通り、ポケット一つ原則は、このクラウド時代に、クラウドサービスの力を存分に引き出すための、基礎となる理論ではないかと思います。

クラウドサービスの利用方法を考えるときには、ポケット一つ原則の考え方は、大いに役に立ちます。

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