マトリクスをやわらかい思考に使う(内観法とマトリクス)
公開日:
:
最終更新日:2013/11/18
書き方・考え方
目次
1.マトリクスは、自分と他者との関わりを振り返るためにも使える
マトリクスは、便利な思考ツールです。一般的に、マトリクスは、経営分析だの論理的思考だの、かたい思考に使われます。しかし、マトリクスが役に立つ思考の範囲は、このような、かたい思考に限られません。
たとえば、「これまでの自分と他者との関わりを振り返る」といった、多少感傷的な思考にも、マトリクスは使えます。
そこで、「これまでの自分と他者との関わりを振り返る」ということに、マトリクスを使ってみます。
2.自分を振り返るマトリクスの作り方・使い方
(1) 軸を決める
まず、軸をふたつ決めます。他者との関わりに関するふたつの軸です。
- 関わり方
- 誰との関わりか
というふたつの軸にしてみましょう。
(2) それぞれの軸をMECEを意識して、分ける
a.関わり方を分ける
たとえば、
- してもらったこと
- して返したこと
- 迷惑かけたこと
という3つに分けることが考えられます。あんまりMECEではないですが。
b.誰との関わりかを分ける
たとえば、
- もともとの家族(父、母、兄弟)
- 今の家族(配偶者、子)
- それ以外
といった分け方や、
家族だけに限定して、
- 父
- 母
- 兄
- 妻
- 子
というように、一人ずつ分ける分け方もあるかと思います。
(3) ひとつひとつのマスを順番に検討する
そうすると、たとえば、次のようなマトリクスができます。
| してもらったこと | して返したこと | 迷惑かけたこと | |
| 父 | |||
| 母 | |||
| 兄 | |||
| 妻 | |||
| 子 |
このマスを順番にひとつひとつ考えていけば、「これまでの自分と他者との関わりを振り返る」という思考を、網羅的に行うことができます。
3.やわらかい思考も、思考ツールを使う方が、充実する
(1) マトリクスは、汎用的に使える
経営分析だの時間管理だのといったかたい思考だけでなく、自分の内面を振り返ったり、自分が望む生き方を考えたり、といったやわらかい思考も、思考ツールを使う方が、充実します。マトリクスというのは、汎用的なツールなので、いろんな領域に使ってみるとよいです。
(2) 内観法とマトリクス
ちなみに、
- してもらったこと
- して返したこと
- 迷惑かけたこと
という3つについて、他者との関わりを振り返る方法は、内観法という日本製の心理療法だそうです。本来は、研修所や病院にこもってやるものだそうですが、マトリクスを使えば、たぶん、自分でも、ある程度しっかりと内観できそうです。
スポンサードリンク
関連記事
-
-
ブログ記事の原稿を書くなら、Evernoteが一番。アイデアを、素早くキャッチし、気長に育てる。
1.Evernoteでブログ原稿を書くと、何がよいか このブログの原稿は、基本的には、すべて私のE
-
-
結城浩先生の『数学文章作法 基礎編』を読んでから、『文章教室』2014期生のクラスメイトができるまで(あるいは、『文章教室』2014期生へのお誘い)
1.はじめに ここ1ヶ月くらい、自分の中で、「文章を書く」ということへの関心が高まっています。
-
-
「文章群を書き続ける」というあり方が、「考える」を促す
1.「考えたい。でも、そのために何をしていいか、わからない。」 『知的生産の技術』や『思考の整理学』
-
-
『文章教室』(結城浩)練習問題実践記録・第7回「よい比喩を使いましょう」
この文章は、『文章教室』の練習問題に取り組んだ記録です。 『文章教室』は、結城浩先生がご自身のウェ
-
-
何度も読み返すこと・何度も書き直すこと
1.いちばん基本の読書術・いちばん基本の文章術 (1) いちばん基本の読書術 世の中には、いろん
-
-
『文章教室』(結城浩)練習問題実践記録・第4回「自然な順序で書きましょう」
この文章は、『文章教室』の練習問題に取り組んだ記録です。 『文章教室』は、結城浩先生がご自身のウェ
-
-
『文章教室』(結城浩)練習問題実践記録・第5回「語順を変えてみましょう」
この文章は、『文章教室』の練習問題に取り組んだ記録です。 『文章教室』は、結城浩先生がご自身のウェ
-
-
Evernote、WorkFlowy、Ulysses、OmniOutliner
1.はじめに 「文章を書く」ということについて、いろいろ考えていたら、私にとって大切なのは、「ひとつ
-
-
なぜ、WorkFlowyという道具は、「やりたい」のつまみ食いの集積を完成文書へ統合することを可能にするのか?
1.はじめに 昨日、これを書きました。 そのときどきの「やりたい」のつまみ食いを、文書の完成へと統
-
-
『文章教室』を『数学文章作法 練習問題編』として使う。
1.『数学文章作法 基礎編』(結城浩著・ちくま学芸文庫)で学んだその後に、何をすべきか? (1)

