公用文式項目番号付け方ルールに従うことには、どんなメリットがあるか
公開日:
:
書き方・考え方
目次
1.公用文式項目番号付け方ルールとは
何かを論じる文章を書くときは、文章を項目に分けることが大切です。そして、複数の項目間の相互関係を明示するためには、項目に項目番号をつける方がよいです。
文章の項目に項目番号をつけるときのルールは、一般に使われているものを踏襲するのがよいと思います。その代表例は、公用文が定める項目番号のルールです。
公用文のルールは、「第1→1→(1)→ア→(ア)→a→(a)」です。これによって7階層の項目を作ることができます。
2.公用文式項目番号付け方ルールに従うことには、どんなメリットがあるか
私が、公用文式項目番号付け方ルールに従って項目番号をつけることをすすめるのは、このルールに従って項目番号をつけることに、次の3つのメリットがあるからです。
(1) 項目の階層を意識することで、論旨を整理できる
公用文式項目番号付け方ルールは、第1のレベルから(a)のレベルまでの7階層になっています。7階層もあるので、このルールに従って項目番号をつけようとすると、自然と、複数の階層の項目を使う気になります。
文章を書くときに、複数の階層の項目を使おうとすると、自然と、文章の論旨を整理することができます。文章をまとまりごとに組み立てないと、複数の階層の項目にならないため、複数の階層の項目を使おうとすると、文章のまとまりを意識することになり、その結果、文章の論旨を整理することにつながります。
(2) 共通ルールなので、伝わりやすい
公用文式項目番号付け方ルールは、公用文の方式なので、少なくとも日本国内では、ある程度共通のルールです。そのため、公用文式項目番号付け方ルールに従って項目番号をつければ、比較的多くの人に、項目の大小関係を伝えることができます。
たとえば、
第1 ○○
1 △△
(1) □□
(2) ■■
2 ▲▲
3 ▽▽
第2 ●●
第3 ◎◎
という項目があるとします。この項目番号は、公用文式項目番号付け方ルールに従っているので、項目番号だけで、(1)(2)は1の子項目であること、1、2、3の親項目が第1であることが、わかります。
このように、公用文式項目番号付け方ルールに従うと、項目間の相互関係を、読み手に、簡単に伝えることができます。
(3) 項目番号をどうつけるかで、迷わない
公用文式項目番号付け方ルールに従えば、文章を書くときに、どのように項目番号をつけるかで迷うことは、なくなります。ルールが決まっているので、そのルールに粛々と従うだけです。
項目番号は、単に項目の冒頭に付された数字に過ぎないので、それ自体に、何らかの意味や価値があるものではありません。そうであれば、項目番号に何を使うかに工夫を凝らしたり、オリジナリティを発揮しようとしたりして、項目番号の付け方で迷うのは、無意味です。
おとなしく、公用文式項目番号付け方ルールに従い、どのように項目番号をつけるかで迷わない方が賢いのではないかと思います。
3.おわりに
世の中には、項目の冒頭に、項目番号をつけた見出しを置くことを期待されている文章が、一定割合、存在します。そのような文章を書くときに、項目番号の付け方の指定がなければ、とりあえず、公用文式項目番号付け方ルールに従っておくのが、王道だと思います。
スポンサードリンク
関連記事
-
『WorkFlowy文章作法』の「はじめに」
本書について こんにちは。本書『WorkFlowy文章作法』では、 WorkFlowyで文章を書く
-
『文章教室』を『数学文章作法 練習問題編』として使う。
1.『数学文章作法 基礎編』(結城浩著・ちくま学芸文庫)で学んだその後に、何をすべきか? (1)
-
論理的に表現するために、三段論法という論理の型が役に立つ
1.論理的に表現するために、論理の型が役に立つ (1) 「論理的であること」を求められたら、「論理
-
「なぜ」&「どのように」と「説明の尺度」〜『わかりやすく説明する練習をしよう』(1)
1.『わかりやすく説明する練習をしよう』 (1) 『わかりやすく説明する練習をしよう』 『わかり
-
レポート課題に取り組むときの留意点
私は、大学の非常勤講師として学部生向けの講義をひとつ担当しているのですが、その講義の単位認定には試験
-
『文章教室』(結城浩)練習問題実践記録・第9回「接続詞をうまく使いましょう」
この文章は、結城浩先生の『文章教室』に取り組んだ記録です。 →文章教室 第1回~第8回の記録は、
-
「WorkFlowyで本を書いた人からの手紙」
1.はじめに こんにちは。少しずつ暖かくなってきましたが、いかがお過ごしでしょうか。 先日さし上げた
-
納得できる書評エントリを書くために、「どんな書評を書きたいか」を自覚する
1.どんな書評を書きたいのかを自覚したら、納得できる書評を書けるようになった (1) 書評のための
-
『WorkFlowy文章作法』第1章「2つの原則」(前半「知的生産のフロー」)
この記事は、『WorkFlowy文章作法』の第1章「2つの原則」のうち、前半の「知的生産のフロー」で
-
Evernoteでブログ原稿を書く理由
1.なぜ、Evernoteでブログ記事を書くのか 私は、このブログに投稿した記事を、すべてEver