Evernoteなら何でもできるけれど、Evernoteで何でもかんでもしようとしない方がよい。
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Evernote
目次
1.何でもできるEvernote
Evernoteは、かなり広い範囲をカバーできるサービスです。
気になったウェブページをクリップするだけでなく、自分で書いた文章を保存することもできます。写真や動画、音声を貼り付けることもできれば、pdfファイルを貼り付けることもできます。チェックボックスを挿入することもできるので、使い方によっては、チェックリストやタスク管理システムとしても利用可能です。
Evernoteは、何でもできるので、いろんな人が、いろんな方法で、Evernoteを活用しています。そんな方法を解説したブログや本を読んでいると、Evernoteをいろんなことに活用しないともったいない!という気になってきます。何でもできるEvernoteで、何でもやらなければ、という気持ちが湧いてきます。
2.何でもできるからといって、何でもかんでもしなければいけないわけではないし、むしろ、何でもかんでもしようとしない方がよい
しかし、何でもかんでもできるからといって、何でもかんでもしなければいけないわけではありません。むしろ、Evernoteを活用するコツは、Evernoteで何でもかんでもしようとしないことなのではないかと思います。
(1) Evernoteで何でもかんでもしなくても、もったいなくない
何でもできるEvernoteで何でもかんでもしたくなるのは、せっかくできるのにやらないのはもったいない、という素朴な感覚が原因ではないかと思います。
しかし、よくよく考えてみれば、Evernoteの機能を使い尽くさなくても、全然もったいなくありません。
まず、料金の点では、Evernoteは、通常アカウントなら無料のサービスです。また、プレミアムアカウントも、docomoのAndroidを機種変更したり、ScanSnapを買ったりすることで、一定期間分がもらえますし、何より、そんなに高くありません(標準料金で年間4000円ですし、3年パックを使えばもっと安いです)。すべての機能を使い尽くさないと元が取れない、ということは、ありません。
また、Evernoteでできるいろんなことのうち、Evernoteでないとできないことは、そんなに多くありません。全部Evernoteでやらなくても、他のサービスを使うことができます。Evernoteの機能をすべて使い尽くさないと何かが回らなくなる、ということは、全然ありません。
そんなわけで、Evernoteで何でもかんでもやらなくても、もったいなくありません。
(2) Evernoteが担う役割を絞ると、Evernoteを快適に使える
Evernoteで何でもかんでもやろうとすることをやめて、Evernoteが担う役割を絞ると、Evernoteを快適に使えます。これには、いくつか理由があります。
a.求めるノートへのアクセスがよくなる
まず、求めるノートへのアクセスがよくなります。
役割を絞れば、ノートの数、ノートブックの数、タグの数が減ります。ノートの数、ノートブックの数、タグの数が減れば、求めるノートにたどり着くまでの行程が減ります。求めるノートを発見することが簡単になります。
求めるノートへのアクセスがよくなります。
b.整理する手間がなくなる
次に、ノートを整理する手間がなくなります。
Evernoteのノートを整理するのが面倒なのは、Evernoteがたくさんの役割を担うからです。Evernoteが担う役割ごとにノートブックを分けたり、タグを管理したりが必要になります。
これに対して、Evernoteが担う役割が少なければ、ノートブックを分けたり、タグを管理したりする手間は、激減します。ノートブックやタグで管理しなくても、目的のノートを発見できるため、ノートブックやタグでノートを管理する必要がないからです。
c.同期に必要な時間が少ない
さらに、同期に必要な時間は少ない。
Evernoteのいいところは、クラウドにデータがあって、Windowsから使っても、Androidから使っても、iPadから使っても、共通のデータを使用できるところです。
他方、このメリットを活かすために、Evernoteは、同期をする必要があります。しかし、同期中のEvernoteは、わりと不安定です。たとえば、同期中に新しく作成したノートが消えることがあったりします。そのため、同期の時間は短い方がよいです。
しかし、Evernoteでたくさんのことをやると、Evernoteが扱うデータが大きくなるので、同期に必要な時間も増えます。
これに対して、Evernoteの役割を絞れば、同期に必要な時間をかなり抑えることができます。
3.おわりに
これはEvernoteに限らず、クラウドサービス一般に言えることなのではないかと思うのですが、そのサービスが用意しているすべての機能を使いこなそうとするよりも、自分が求める限度で使おうとする方が、より快適にそのサービスを使えるのではないかと思います。
定評のあるクラウドサービスは、たいてい、豊富な機能を持っています。その豊富な機能のすべてを使い尽くすのは、相当のエネルギーと能力がないと、不可能です。一部しか使わないのはもったいない、という気持ちを克服して、一部しか使わなくてももったいなくないし、むしろその方が、そのサービスによって、自分の生活をより豊かに彩ることができる、という気持ちを持つことが大切ではないかと感じています。
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