大学時代に出会えてよかった10冊の本(小説以外)
公開日:
:
最終更新日:2013/11/12
本
目次
1.はじめに
大学時代に出会えてよかった本を、小説以外で10冊、ピックアップします。いずれも、読んだときも興奮しましたし、今の毎日でも助けられている本たちです。
2.10冊
1.『実存からの冒険』(西研)
『実存からの冒険』は、哲学者西研さんのデビュー作です。ニーチェ、ハイデガー、フッサール、ポストモダンなどの思想を、西研さんなりに、わかりやすく解説しています。
私は、この本から、「そのつど最も納得して生きようとすること」という生きる姿勢を教わりました。この本を読んだおかげで、どうやったら充実できるかを、本気で考えるようになったような気がします。自分が本当に納得するか、という基準を持てたことは、大きな財産です。
2.『それでも人生にイエスと言う』(V.E.フランクル)
『7つの習慣』の第一の習慣で、フランクル博士が紹介されていました。それで興味を持って、『夜と霧』を読みました。かなり衝撃を受けたので、さらに何冊かを読みました。『それでも人生にイエスと言う』は、その中の一冊です。
『それでも人生にイエスと言う』は、フランクル博士の講演録です。講演録なので、わかりやすいです。フランクル博士の思想を理解するには、この『それでも人生にイエスと言う』が一番だと思います。(あるいは『「生きる意味」を求めて』。)
一部を引用します。「生きる意味と価値」についての講演からの抜粋です。
その転換を遂行してからはもう、「私は人生にまだなにを期待できるか」と問うことはありません。いまではもう、「人生は私になにを期待しているか」と問うだけです。人生のどのような仕事が私を待っているかと問うだけなのです。
私たちが「生きる意味があるか」と問うのは、はじめから誤っているのです。つまり、私たちは、生きる意味を問うてはならないのです。人生こそが問いを出し私たちに問いを提起しているからです。私たちは問われている存在なのです。私たちは、人生がたえずそのときに出す問い、「人生の問い」に答えなければならない、答を出さなければならない存在なのです。生きること自体、問われていることにほかなりません。私たちが生きていくことは答えることにほかなりません。そしてそれは、生きていることに責任を担うことです。
3.『「できる人」はどこがちがうのか』(齋藤孝)
齋藤孝さんの本の中では、これが一番密度が高い気がして、好きです。いろんな本を上達へのテキストとして活用する、という考え方は、その後、大学の授業を受ける上で、大変参考になりました。
4.『7つの習慣』(S.R.コヴィー)
有名な『7つの習慣』。
インサイドアウトという考え方を知って、焦りが減って、落ち着いて目の前のことに取り組むことができるようになりました。
5.『論理トレーニング』(野矢茂樹)
この本の真価は、実際にトレーニングすることによって、発揮されます。
鉛筆を手にして、ノートに向かい、順番に問題を解きましょう。『論理トレーニング101題』もあります。
6.『レポートの組み立て方』(木下是雄)
『理科系の作文技術』で有名な著者の本です。文の構造に関しては、『理科系の作文技術』よりも、『レポートの組み立て方』の方が詳しいように思います。
『理科系の作文技術』でもいいのですが、木下さんの文章指南本は、全大学生が読むべき本だと思います。
(最近、『非論理的な人のための論理的な文章の書き方入門』を読んで、是でもいいなと思いました。)
7.『幸福論』(ヒルティ)
「仕事の上手な仕方」が好きです。
「仕事の上手な仕方は、あらゆる技術のなかでももっとも大切な技術である。」との一文から始まる小論です。下手な自己啓発本よりも、よほど役に立つことが書いてあると思います。
8.『生きるということ』(エーリッヒ・フロム)
読んでいると、心が穏やかになります。
9.『仏の教え ビーイングピース』(ティク・ナット・ハン)
私は特に仏教徒ではないのですが、この本が説く仏の教えには、多くの点で、共感します。
10.『「超」整理法』(野口悠紀雄)
今でも十分通じる、汎用的な整理法だと思います。なぜ整理がうまくいかないのか、整理によって実現したいのは何なのか、ということに対する考察がすばらしい。方法の底にある思想がしっかりしているため、ツールが変わっても、応用可能なのだと思います。
3.終わりに
大学時代に、この10冊に出会ったことによって、私の生き方は、たぶん、わりと大きく変わったのではないかと思います。改めて、この10冊を読み直し、この10冊が、どのように、今の私の生き方を形作っているかを確認することは、きっと、大切なことではないかという気がしました。
時間を見つけて、少しずつ読み進めます。
スポンサードリンク
関連記事
-
-
堀江貴文『ゼロ』を読んだ。圧倒的な経験に基づく「働くこと」についての考えに触発されて、自分のイチの足し方を考えた。
1.堀江貴文『ゼロ』を読んだ 堀江貴文『ゼロ』を読みました。発売前から、Twitterなどで話題にな
-
-
すべてのワクワクを同時に実行する生き方。『ソース〜あなたの人生の源は、ワクワクすることにある。』
1.はじめに 今から2ヶ月ほどまえ、Kindleストアで『ソース~あなたの人生の源は、ワクワクするこ
-
-
なにかおもしろいことができる自分の場所を育てる。『「Chikirinの日記」の育て方』を読んだその後。
1.『「Chikirinの日記」の育て方』から得た「なにかおもしろいことができる自分の場所を育てる」
-
-
「自分のブログに自分の言葉で文章を書く」という読書後の行動
1.収穫を得ることを目的とする読書でいちばん大切なのは、読書後の行動 読書する目的のひとつは、その
-
-
読者のことを考えるって、こういうことだったのか!結城浩著『数学文章作法 基礎編』(ちくま学芸文庫)
1.『数学文章作法 基礎編』は、考えを読者に伝えることを目的とする文章を書くための、新定番 (1)
-
-
[『サピエンス全史』を読む]人類の統一って、なんだ?(第3部 人類の統一)
『サピエンス全史』があまりに面白いので、じっくりと時間をかけて、丁寧に読んでいきます。 第1部
-
-
Fire TV Stick購入時に実感した、「購買決断を助ける」というAmazonのコンセプト
1.Fire TV Stick(の旧型モデル)を買いました。 いまさらですが、先日、Fire TV
-
-
[『サピエンス全史』を起点に考える]貨幣による人類の統一とは、全人類を協力相手候補として認識するようになること
1.「人類の統一」を「厖大な数の見知らぬ人どうしの協力」から整理する 『サピエンス全史』を読んでいま
-
-
Kindleが紙の本から異次元の進化を遂げた3つのポイント
1.Kindleの読書は、紙の本の読書とは、異次元の営み Kindleの読書は、紙の本にも負けていま