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レポート課題に対して、どのようにレポートを作成し、提出すればよいか

0.まとめ

レポート課題に取り組むときには、以下の3つの当たり前なことを大切にするとよい。

  1. 形式面(提出期限・提出先・字数制限・書式・項目番号など)を完璧に守る。
  2. レポート課題の問いを明確化して、その問いに、素直に、きちんと、答える。
  3. 問いに対する答えを支える根拠を、できる限り示そうとする。少なくとも、その姿勢を示す。

1.はじめに

私は、大学の非常勤講師として、大学生向けの講義をしています。私がしている講義の目的は、私と同じ職業に就く人が仕事をする上で必要な考え方の基本を、ゆっくり丁寧に練習することです。

私が担当している講義も、単位認定の対象です。ですから、私は、単位認定のため、受講生にレポート課題を課しています。

講義を担当する教員が受講生にレポート課題を課すとき、教員は、受講生にどんなことを期待しているのでしょうか。私の場合、受講生に期待することは、当たり前のことを当たり前にすることです。私が考えるレポート課題に対する当たり前の取り組み方を、当たり前順に、3つ、説明します。

2.形式的なところを守る。完璧に。

まず、レポート課題の形式面を守ることです。レポート課題の形式面とは、たとえば、レポートの提出期限であるとか、提出方法、あるいは字数制限や書式指定などです。

これらの形式面は、完璧に守る必要があります。形式面を守っていないレポートは、(内容がいかに優れているとしても、)評価に値しません。

以下、代表的な形式面について、説明します。

(1)提出期限・提出先を守る

レポートは、提出されなければいけません。そして、レポートの提出には、通常、提出期限と提出先が定まっています。したがって、レポートを提出する者は、提出期限と提出先を守らなければいけません。

提出期限は、必ず守る必要があります。提出期限に遅れて提出されたレポートは、それだけで失格です。

レポートには、提出先が定まっています。たとえば、どの住所に郵送するとか、どのメールアドレスにメール送信するとか、どの研究室のボックスに入れる、とかです。これらの提出先の指定も、忠実に守る必要があります。

(2)字数制限・枚数制限を守る

多くのレポートは、字数制限と枚数制限があります。何文字以上、何ページ以上という最小ラインの制限と、何文字以内、何ページ以内という最大ラインの制限があることが一般的です。

一般的に、最小ラインの制限は、それほど難しくありません。ただ書けばいいだけだからです。

しかし、最大ラインの制限は要注意です。何も考えずに書くと、無駄なことをたくさん書いてしまうため、最大ラインの制限をオーバーしてしまいます。

たくさん検討してたくさん書いているのだから、最大ラインの制限は多少オーバーしても問題ない、というのは、甘えであり、許されません。最大ラインの制限があるのであれば、絶対に守る必要があります。

(3)書式指定(用紙サイズ、文字ポイント数、余白、行数)を守る

紙やWordファイルで提出する場合に、書式指定がされている場合があります。多くは、用紙サイズ、文字ポイント数、余白、行数などです。

これらの指定がある場合、黙ってこの指定を守りましょう。

書式指定でオリジナリティを発揮する必要はありません。

(4)項目番号

レポートは、項目を分ける必要があります。項目分けのないレポートは、レポートではありません。

項目を分けるときは、項目に項目番号を付けます。

項目番号の付け方には、ルールがあります。レポート課題に指定がある場合は、その指定に従いましょう。

指定がない場合は、一般的によく採用されているルールを使うとよいです。私がよく使うのは、公用文方式と理科系の作文技術方式です。

文章を書くときの項目番号の付け方(「公用文方式」と「理科系の作文方式」) » 単純作業に心を込めて

3.問いを明確にし、その問いに答える。きちんと。

レポート課題には、問いがあります。レポートでは、レポート課題が出す問いに答える必要があります。レポート課題の問いに答えるためには、問いを明確にすることと、問いに正面から答えることが大切です。

(1)問いを明確にする

a.問いが明確ではないレポート課題に取り組むときは

問いを持たないレポート課題は存在しません。しかし、問いが明確ではないレポート課題は存在します。問いが明確ではないレポート課題のレポートを作成するには、まず、問いを明確にする必要があります。

たとえば、「クラウドコンピューティングについて論じなさい。」というレポート課題が出されたとします。このレポート課題の問いは、明確ではありません。このままでは、クラウドコンピューティングについての何を書けばよいのか、よくわかりません。クラウドコンピューティングについて調べたことや考えたことを漫然と書き連ねても、レポートにはなりません。

そこで、まずは、問いを明確化します。たとえば、「クラウドコンピューティングによって、私たちの生活はどのように変わるか。」「クラウドコンピューティングを支える最重要技術は何か。」など。このような問いは、比較的明確な問いです。何を書けばよいのか、明らかになります。

b.問いを明確化するポイント

講義のレポート課題の場合、問いを明確化するポイントは、次のふたつです。

  1. 講義内容と関連する形で明確化すること
  2. レポートのサイズ(字数制限・枚数制限)を見据えて、問いを限定すること
(a)講義内容と関連する形で明確化する

講義内容と関連する形で明確化する方が望ましいです。

クラウドコンピューティングの例であれば、社会学のレポートなのか、情報技術のレポートなのか、経済学のレポートなのかによって、明確化する問いは変わります。

どのような視点で問いを明確化するとよいかのヒントは、講義中にたくさん転がっているはずなので、講義を思い出すなり、講義ノートを読むなどして、問いを明確化する視点を設定するのがよいです。

(b)レポートのサイズを見据えて、問いを限定する

レポートにはサイズがあります。字数制限・枚数制限です。

サイズにあった問いにすることが大切です。あまりに大げさな問いを設定してしまうと、問いに対する答え及び理由付けをするために、制限字数・枚数で説明しきれません。

一般的に言えば、問いに対する理由付けをきちんと書けば、かなり狭い範囲に問いを限定しても、字数・枚数を稼ぐことは可能です。講義のレポート課題程度なら、思い切って問いを限定して、かなり狭い範囲を論じた方が、よいレポートになるのではないかと思います。

(2)きちんと問いに答える

レポート課題は、問いに答えるものです。レポート課題には、問いに対する答えがなければいけません。そして、問いに対しては、素直に、きちんと、答える必要があります。

「クラウドコンピューティングによって、私たちの生活はどのように変わるか。」という問いに対しては、「クラウドコンピューティングによって、私たちの生活の○○は、▲▲のようにに変わる。」という形の答えを用意する必要があります。「クラウドコンピューティングを支える最重要技術は何か。」という問いに対しては、「クラウドコンピューティングを支える最重要技術は■■である。」という形で答える必要があります。

これに対して、学生が作成する多くのレポートは、問いに対して答えていません。「この問題については様々な見解があるが、紙面が尽きた。」「この問題は今後解決されるべきであるため、引き続き検討が必要である。」などというわけのわからないフレーズで、答えをごまかしています。

問いに対する答えは、立派なものである必要はありませんし、独創的なものである必要もありません。しかし、問いに対する答えである必要があります。

問いに対して、素直に、きちんと、答える。これは、レポート課題に取り組むにあたって、基本的だけれど大切なことです。

4.答えを支える根拠を説明しようとする。できる限り。

問いを設定して、問いに対して答えたら、次に、問いに対する答えを支える根拠を説明します。問いを設定し、問いに答え、その答えを支える根拠を説明すれば、それで立派なレポートが完成します。

私が思うに、答えを支える根拠を説明する際にいちばん大切なのは、姿勢です。答えを支える根拠を説明しようという姿勢が、レポート上に表現されていることが、いちばん大切だと考えています。

レポートにおいて、答えを支える根拠の説明のパートは、本当はいちばん大切な部分です。しかし、少なくとも私は、レポート課題を出題するときに、このパートが不十分でも、そんなに気にしていません。もちろん、よくできていればとてもうれしいし、高評価を与えるのですが、この点の論理の組立てが不十分であっても、それで落第レポートにすることはありません。答えの根拠を示すということは、奥が深くて難しい問題です。私も、まだまだ全然できません。完璧な根拠付けは大変ですから、レポート出題者も、おそらく、そこまで求めていないと思います。

これに対して、答えを支える根拠を示そうとする姿勢のないレポートは、合格にすることをためらってしまいます。私の考えでは、レポートというのは、問いに対する答えを示し、その答えの自分なりの根拠付けを示そうとするものです。答えを支える根拠を示そうとする姿勢がないことは、レポートの基本的な作法を理解していないことを意味します。

できる限りでよいので、答えを支える根拠を説明しようとすること。少なくとも、その姿勢を見せること。このことも、レポートを作成する上での、当たり前だけれど大切なことです。

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