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論理的に表現するために、三段論法という論理の型が役に立つ

公開日: : 書き方・考え方

1.論理的に表現するために、論理の型が役に立つ

(1) 「論理的であること」を求められたら、「論理的に表現すること」を目指せばよい

「あの人は論理的である」という評価が意味することは、「あの人の思考は論理的だ」ということではなくて、「あの人の表現は論理的だ」ということなのではないかと思います。

内面で展開された思考のプロセスと、その思考プロセスの結果生まれたアイデアの表現は、必ずしも一致しません。思考プロセスに明確な論理があっても、表現段階で論理に従っていなければ、論理的であるという評価は受けません。逆に、思考プロセスは論理を飛び越えたもの(たとえば直感とか)によっていたとしても、表現段階で論理に従って組み立てれば(並び語り前提を加えたりすれば)、論理的であるという評価を受けます。

このように、多くの場合、「論理的である」というのは、思考の問題ではなくて、表現の問題なのではないかと思います。ですから、「論理的であること」を求められたら、論理的思考を心がけるよりも、「論理的に表現すること」を目指すのがよいと思います。

(2) 論理の型は、論理的に表現するために役に立つ

では、論理的に表現するには、どうしたらよいでしょうか。

いくつかの論理の型を覚えて、それを使い回すのがよいと思います。

論理の型の典型例は、演繹と帰納です。そして、演繹のなかで、シンプルな基本形は、三段論法です。ですから、まずは三段論法を覚えて、いろんな場面で使ってみるのがよいと思います。

2.三段論法という論理の型を使う

(1) 演繹と三段論法

演繹とは、与えられた前提から、論理にしたがった導出を経て、結論に至る道筋のことです。通常は、一般的な前提を立てて、個別的な結論を導き出します。

演繹は、帰納とセットで覚えておくと、理解が深まります。帰納とは、個別の事実や命題の集合を観察して、共通する性質や関係を見つけ出し、一般的な命題や法則を導き出すことです。個別的な事象から一般的な法則を生む点で、演繹と逆方向の論理です。

演繹のなかで、シンプルな基本形が、三段論法です。これは、一般的な規則を立て(大前提・一段目)、大前提に当てはまる個別の事実を前提とすることで(小前提・二段目)、別の個別的事実(結論・三段目)を導出するという論理の型です。

(2) 三段論法の型と具体例

a.三段論法の型

三段論法は、以下の型を取ります。

  • 大前提:AならばB(一般的な規則)
  • 小前提:c(という個別の事実)はA(という一般的な事実)に当てはまる
  • 結論:c(という個別の事実)はB(という一般的な事実)となる

大前提は、一般的な規則です。ですから、AやBに入るのは、一般的な事実です。一般論として、AならばBである、というわけです。

小前提は、個別的な事実が、大前提の前提に当てはまることを示します。cという個別の事実が、Aという一般的な事実に含まれるということです。

これらふたつの前提によって、結論として、cという個別的な事実は、Bという一般的な事実となることを導き出すのが、結論部分です。

(なお、大前提が一般、小前提が個別というのは、相対的なものです。大前提だからといって、あまねく妥当する法則を立てる必要はありません。また、小前提だからといって、とことん具体的な事実を持ってくる必要があるわけでもありません。)

b.三段論法の例

  • 大前提:人ならば、いつか死ぬ。
  • 小前提:アリストテレスは、人である。
  • 結論:アリストテレスは、いつか死ぬ。

大前提は、「人」ならば「いつか死ぬ」です。「人」という一般的事実に当てはまるものは、「いつか死ぬ」という一般的事実に当てはまる、という、一般的なルールを示しています。

小前提は、「アリストテレス」は「人」である、です。「アリストテレス」という個別の事実が、「人」という一般的事実に当てはまることを示します。

結論は、「アリストテレス」は「いつか死ぬ」です。「アリストテレス」という個別の事実が、「いつか死ぬ」という一般的な事実に至ることを示しています。

(3) 三段論法を使って表現する

a.三段論法を使って表現するとは、どういうことか

まとまった文章を書くときに、三段論法の型は、役に立ちます。ブログ記事もひとつのまとまった文章です。ですから、ブログ記事を書くときに、三段論法の型は、役に立ちます。

三段論法の型は、大前提で一般的な基準を立てて、小前提で個別的な事実を当てはめ、結論を導く、というものです。この型に従うことで、ひとつの記事をてきぱきと作成することができます。(なお、この節の最初の段落(「まとまった文章を書くときに」から始まる段落)は、三段論法の型をとっています。)

b.三段論法の例

以下、いくつか、三段論法の型を使った文章の例を挙げます。以下の記事の大前提、小前提、結論をそれなりに膨らませれば、ひとつの記事が完成します。

(a) パケ・ホーダイ ライトプランを選択した理由を説明する記事
  • 大前提:1ヶ月の通信量が3GB行かないならば、パケ・ホーダイ ライトを選ぶのが得である。
  • 小前提:私の1ヶ月の通信量は、3GB行かない。
  • 結論:私は、パケ・ホーダイ ライトを選ぶのが得である。
(b) 『終末のフール』の魅力を語る記事
  • 大前提:登場人物が生きることを真摯に考えている小説は、心に響く
  • 小前提:『終末のフール』という小説は、登場人物が生きることを真摯に考えている小説である
  • 結論:『終末のフール』という小説は、心に響く
(c) Kindleで通勤電車の中の読書が快適になることを伝える記事
  • 大前提:片手で楽にページめくりができるならば、通勤電車での読書が快適になる
  • 小前提:Kindleを使えば、片手で楽にページめくりができる
  • 結論:Kindleを使えば、通勤電車での読書が快適になる

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