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タスク管理システムは、(1)タスクを、(2)管理する、(3)システム、です。

公開日: : 最終更新日:2013/06/01 仕事の方法論

1.タスク管理システムって、何だ?

(1) スケジュール管理システムは、一般的

手帳やカレンダーなど、自分の脳みその外にある何らかのものに、自分のスケジュールをメモすることは、多くの人が行っていることではないかと思います。また、そのスケジュールメモに関しては、いつどのようにスケジュールをメモするかとか、いつどのようにメモを見て自分の行動を確認するか、といった、いわば運用ルールが、何となく決まっているのではないかと思います。

自分の脳みその外にある何かに自分のスケジュールをメモすることと、そのメモと自分の行動をつなげるための運用ルールがあれば、それは、スケジュール管理システムです。この意味で、スケジュール管理システムは、多くの人が利用している一般的な仕組みです。

(2) タスク管理システムって、何だ?

スケジュール管理システムとセットで言及されることが多いもうひとつのシステムが、タスク管理システムです。私は、スケジュール管理システムとタスク管理システムは、別々に整えてセットで使うと効果が高いと思っています。しかし、タスク管理システムは、スケジュール管理システムと比べると、使っている人も少なければ、何なのかよくわかっている人も少ないのではないかと思います。

私は、タスク管理システムを作ったことで、大きな恩恵を受けています。タスク管理システムを使えば、大きな効果があるので、もっと多くの人がタスク管理システムを使えばいいのになあと思っています。そこで、ひとりでも多くの人に、タスク管理システムのイメージを持ってもらうために、タスク管理システムについての私なりの理解を書きます。

2.タスク管理システムは、(1)タスクを、(2)管理する、(3)システム

タスク管理システムは、(1)タスクを、(2)管理する、(3)システム、です。

(1) 「タスク」って何だ?

まず、タスク管理システムが扱う対象は、「タスク」です。「タスク」とは、何でしょうか。やること、やりたいこと、やらなくちゃいけないこと、といった言葉で表現される物事なのですが、私は、a.自分が、b.これから行う、c.具体的な行動、と考えています。

a.自分が

私が考えるタスクは、自分が行うものです。自分の行動じゃないものは、タスクではありません。

たとえば、「田中さんにスターバックスに来てもらう」は自分の行動ではないので、タスクではありません。「スターバックス集合を田中さんに電話で連絡する」なら、自分の行動なので、タスクです。

また、「次回のイベントで参加者30人を集める」も、自分の行動ではないので、タスクではありません。目標です。タスクは、この目標を達成するための具体的な行動、たとえば、「イベントの案内文を作成する」「ウェブサイトに案内を掲載する」「鈴木さんにイベントの詳細をメールする」などです。

b.これから行う

私が考えるタスクは、これから行うものです。すでに行ったことは、ログであって、タスクではありません。

c.具体的な行動

私が考えるタスクは、具体的な行動です。抽象的だったり、行動以前の意識や心構えは、タスクではありません。

たとえば、「スターバックスで集中する」はタスクではありません。「スターバックスで今日の日記を書く」だったら、タスクです。

また、「リラックスする」「柔軟な発想を持つ」なども、タスクではありません。「ストレッチをする」「深呼吸する」とか、「課題を10個挙げる」「課題相互の関係を図にする」とかなら、タスクです。

(2) タスクを「管理する」って何だ?

次に、タスク管理システムがタスクについてやってくれることは、タスクを「管理する」ことです。「管理する」とは、具体的には、どういうことでしょうか。これはいろいろとあると思うのですが、私が助けられているのは、以下の3つです。

a.手持ちタスクの全体像を把握し、見せてくれる

第一に手持ちタスクの全体像を把握して、見せてくれます。自分の手持ちタスクは全部でどれだけあるのかの全部を、一覧で把握して、見せてくれるわけです。

誰もが、生きていく上で、いろんな役割を担っています。仕事上の役割だけでなく、家族の一員としての役割とか、友人と遊ぶときの役割とか、ソーシャルネットワーク上の役割とか、いろいろです。そのそれぞれの役割に関して、いくつかのタスクを持っています。そのため、すべての役割の自分が持っているタスクの全体は、それなりに大きなものになります。

これを全部把握するのは、専用の仕組みが必要です。それが、タスク管理システムです。

b.タスクの状態を把握し、見せてくれる

第二に、タスクの状態を把握し、見せてくれます。どのタスクが未了なのか、どのタスクが期限間近なのか、どのタスクなら今できるのか、どのタスクを片付けるために外出する必要があるのか、などを、教えてくれます。

タスクを完了させるために必要な条件は、タスクによって様々です。たとえば、あるタスクは、今日中に完了されることを要求し、別のタスクは、完了のために駅前の銀行に行くことを要求し、また別のタスクは完了のためにiPhoneの操作を必要とします。

そのため、無駄なくどんどんタスクを完了させるためには、そのタスクが、完了させるためにどんな条件を必要としているのかを、把握しておく必要があります。

タスク管理システムは、この、タスクを完了させるために必要な条件を、管理してくれます。

c.タスクの区切りを作ることで、タスクの終わりを把握し、見せてくれる

第三に、タスクの終わりを把握して、見せてくれます。

生きている限り、自分が抱えるタスクがゼロになることは、ありません。自分が抱えるすべてのタスクを完了させることは、不可能です。

この条件のなかで、「やるべきことは全部やった!」という確信を持って作業を終えるためには、何らかの方法で、タスクの区切りを作るしかありません。タスクの区切りを作れば、その区切りまでのタスクを全部終えることが可能になります。

タスク管理システムは、タスクの区切りを作ってくれます。たとえば、「今日やること」というタスクの区切りは、タスク管理システムが把握しているすべてのタスクを、今日やるタスクと、明日以降にやるタスクという区切りに分けてくれます。この区切りがあるからこそ、今日やるタスク全部を完了することによって、タスクの終わりを把握できます。

(3) 「システム」って何だ?

最後に、タスク管理システムは、タスクを管理する「システム」です。システムというのは、仕組みといってもいいと思うのですが、a.タスクを収納する場所と、b.タスクを管理するための運用ルールというふたつから成り立つのではないかと思います。

a.タスクを収納する場所

(a) 複数でもいいから、タスクを収納する場所を決めておく

タスク管理システムは、タスクを収納する場所を選びません。その場所がどこであっても、タスクを収納する場所が決まっていれば、タスク管理システムになり得ます。

また、タスクを収納する場所を、ひとつに絞る必要はありません。複数の場所にタスクを収納しても問題はないですし、通常、複数になるのではないかと思います。

しかし、複数であってもよいので、タスクを収納する場所をあらかじめ決めておくこと、は必要です。そして、自分の手持ちタスク全部を、そうして決めたタスクを収納する場所のどこかに収納する、ということが大切です。

(b) タスクを収納する場所の例

タスクを収納する場所は、デジタルでも、アナログでも、何でもかまいません。たとえば、以下のような場所が考えられます。

  • Toodledo、Nozbe、RTMなどのタスク管理サービス
  • OmniFocusなどのタスク管理アプリケーション
  • Gmail
  • Googleカレンダー
  • Evernote
  • Excelファイル
  • グループウェアの伝言メモ
  • デスクに貼り付けた付箋
  • レターボックスに積み上げた書類
  • 依頼文書を画鋲で貼り付けた壁
  • 手帳
  • タスクを管理するためのノートやバインダー

b.タスクを管理するための運用ルール

タスクを収納する場所だけでは、仕組みになりません。仕組みを完成させるためには、タスクを管理するための運用ルールを考える必要があります。

(a) ルールには、最低限、以下のことを盛り込めばよいのではないか

運用ルールには、最低限、以下のことを盛り込めばよいのではないかと思います。

・発生したタスクを、どのタイミングで、収納場所に収納するか

タスク管理システムの肝は、自分の手持ちタスクの全部をタスク管理システムに収納することです。そのためには、どのタイミングで収納場所に収納するかのルールをきちんと決めておくことが大切です。

・(複数の収納場所がある場合)発生したタスクを、どの収納場所に収納するかの基準と、判別方法

複数の収納場所がある場合、発生したタスクをどの収納場所に収納するのかを決めておく必要があります。また、判別方法もルール化しておくとよいです。

・収納したタスクにどんな要素をつけるか

タスク管理システムの肝は、タスクの状態を把握できることです。そのためには、自分が把握したいタスクの状態を考えて、その状態を表す要素を、どのようにタスクにくっつけるかを考える必要があります。

Toodledoなら、どのFieldを使うかを考えるだけです。レターボックスに積み上げた書類をタスクの収納場所として使うなら、たとえばその書類の締切りを管理するためにどうするか、などです。

・タスク管理システムを確認するタイミング

タスク管理システムを確認するタイミングも決めておく方がよいです。

・システムのメンテナンスのやり方と周期

システムの秩序は、必ず低下します。エントロピーの法則です。そのため、定期的にメンテナンスをする必要があります。

メンテナンスのやり方と周期は、あらかじめルール化しておく方がよいです。

(b) GTDは、ひとつのモデルルール

GTDという手法があります。とても有名な手法です。私も助けられています。

このGTDは、タスク管理システムのルールを組み立てる上で、ひとつのモデルルールになります。自分なりのルールを考えるにしても、まずはGTDのルールを使い、そこからひとつひとつシンプルにしていくのがよいと思います。

3.タスク管理システムって、要するに

まとめると、こうなります。

タスク管理システムとは、

(1) 「タスクを」

自分が、これから行う、具体的な行動を、

(2) 「管理する」

(タスクが)全部でどれだけあって、それぞれを完了させるために何が必要で、どこまでやったら終わりかを、把握して理解する、

(3) 「システム」

収納場所とルール

です。

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