*

タスク管理で大切な3つのことは、すぐやることと、すぐやれる単位に切り分けることと、すぐやらないタスクを管理すること

0.はじめに

タスク管理というと、やることリストを作ったり、リマインダーの仕組みを整えたり、フォルダわけやコンテキストを考えたり、優先順位をつけたり、という、複雑で難しいことを考えがちです。これらのことも大切なのですが、これら以前のもっと基本的な次元の話として、私は、常々、次の3つが大切だと考えています。

  1. すぐやること
  2. すぐやれる単位に切り分けること
  3. すぐやらないタスクを管理すること

1.すぐやること

私自身が仕事をする上で、いちばん役に立っている考え方は、「すぐやる」です。仕事の性質ややり方によっても異なると思うので、一般化はできないのですが、少なくとも私自身にとっては、「すぐやる」の効果は絶大です。

「すぐやる」とは、文字通り、すぐやることです。すぐに、自分がやらなければいけないタスクにとりかかり、すぐにその場でそのタスクを完了させることです。後回しはしません。すぐその場で片付けてます。すぐやることによって、タスクを後に残さないように心がけます。

「すぐやる」を習慣にすれば、自分の手持ちタスクは、確実に減ります。すぐやれるタスクが手つかずでタスクリストに居座っている状態は、精神衛生上、よくありません。すぐやれるタスクを片っ端からすぐやってタスクリストから削除することによって、気持ちよい状態を生み出すことができます。

私の場合、「すぐやる」場合には、タスクの優先順位は気にしません。タスクリストに並ぶタスクのうち、上から順番に片付けます。重要でないタスクのすぐ下に重要なタスクが控えていても、優先順位は考えずに、上から順番にひとつひとつ片付けます。

2.すぐやれる単位に切り分けること

(1) すべてをすぐやることが不可能である理由

「すぐやる」が優れたタスク処理方針だとしても、すべてのタスクをすぐやることができるわけではありません。

まず、手持ちタスクのすべてが、今、この場で、自分ひとりでできるタスクというわけではありません。タスクの中には、今すぐには取りかかることができないタスクや、自分ひとりでは取りかかることができないタスク、この場では取りかかることができないタスクなどが、一定割合、存在します。

次に、完了させるためにいろんなことが必要なタスク、完了させるために長時間を費やす必要があるタスクがあります。このような大規模タスクは、すぐにはできないので、すぐやることが困難です。

(2) タスクをすぐやれる単位に切り分ける

そこで、タスクをすぐやれる単位に切り分けることが大切になります。

まず、今、この場で、自分ひとりでできないタスクは、そのタスクの中から、今、この場で、自分ひとりでできるタスクを切りとります。ここまでなら、今、この場で、自分ひとりでできる、という部分をひとつのタスクとして切り出します。

次に、大規模タスクは、行程ごとや一定の所用時間ごとに、すぐやれる程度のタスクに切り分けます。

タスクをすぐやれる単位に切り分けるためには、とりあえず途中まででも取りかかってみるのがいちばんです。とりあえず始めてしまえば、完了のためにどのような行程が必要かとか、いつの誰の何を待つ必要があるかなどがわかってきます。それらがわかった時点で、その都度、タスクを切り分ければ問題ありません。

3.すぐやらないタスクを管理すること

「すぐやる」を基本方針にするとしても、すぐやれないタスクが一定数残ります。仮に、すぐやれるタスクばかりだとしても、同時に複数のタスクを並行して行うのは困難ですので、今、すぐやっているタスクの他に、すぐやらないタスクが存在するはずです。

すぐやらないタスクは、現時点でやっていないので、意識の外にあります。他方、すぐやらないとしても、いつかはやらなければいけないタスクなので、忘れてしまうわけにはいきません。そこで、このすぐにはやらないタスクを管理することが、タスク管理のひとつの役割です。

すぐやらないタスクを管理するメリットとしては、

  1. すぐやらないタスクを忘れない
  2. すぐやれなかったタスクがすぐやれる状態になったときに、すぐにやれる
  3. すぐやらないタスクも含めて、手持ちタスクが全部でどれだけあるのか把握できる

という3点を挙げることができます。

スポンサードリンク

関連記事

no image

『「できる人」はどこがちがうのか』→自分なりの「上達の秘訣」を育てている

1.「できる人」は、自分なりの「上達の秘訣」を持っている (1) 下手くそな状態から上達するまでの

記事を読む

no image

タスクを管理しないと、「今やるべきことはない!」との判断を下せない

1.「今やるべきことはない!」という判断を下すには? 一日の仕事を終えて、職場を出るとき、「今日やる

記事を読む

no image

JINS PCとZoff PC その特徴とお値段

1.ブルーライトと、2つのブルーライト対策メガネ (1)ブルーライトと目の疲れ 最近、目の疲れを

記事を読む

no image

「Dailyタスクリスト」というシステム

1.「Dailyタスクリスト」というシステムのまとめ これまで、何回かにわたって、Toodledo

記事を読む

no image

「いつ読むか?今じゃないでしょ。」Pocketを使ってあとで読む3つの理由と、あっという間にPocketに保存する2つの方法

1.おもしろそうな記事を見つけたら、「いつ読むか?」→「今じゃないでしょ。」 (1) 「今じゃない

記事を読む

no image

趣味と仕事の関係

1.趣味と仕事の関係を、辞書的な意味を出発点として、整理する (1) 「趣味」と「仕事」の辞書的な

記事を読む

no image

その文章が果たすべき役割、意識していますか? 典型的な4つの役割とその活用方法

1.仕事文章の特徴は、役割があること 仕事で作成するいろんな文章全般を、「仕事文章」と呼ぶとして、「

記事を読む

no image

普通の個人が、自分の毎日に、「その時点までの考察をアウトプットして、フィードバックを得る仕組み」を組み込む

1.普通の個人が、自分の毎日に、「考察を深める仕組み」を組み込むには? (1) 毎日に組み込まれた

記事を読む

no image

タスク管理は、未来だけでなく、今と過去を扱う

1.はじめに:「タスク管理は、未来のタスクだけでなく、今のタスクと過去のタスクも対象とする」という考

記事を読む

no image

現にうまく機能している5つの仕事術

1.「もしも5個しか」&「5つの仕事術」 次の記事を読みました。 R-style » 「5つの仕

記事を読む

スポンサードリンク

スポンサードリンク

no image
お待たせしました! オフライン対応&起動高速化のHandyFlowy Ver.1.5(iOS)

お待たせしました! なんと、ついに、できちゃいました。オフライン対応&

no image
「ハサミスクリプト for MarsEdit irodrawEdition」をキーボードから使うための導入準備(Mac)

諸事情により、Macの環境を再度設定しています。 ブログ関係の最重要は

no image
AI・BI・PI・BC

AI 『〈インターネット〉の次に来るもの 未来を決める12の法則』を読

no image
[『サピエンス全史』を起点に考える]「それは、サピエンス全体に存在する協力を増やすか?」という評価基準

1.「社会派」に対する私の不信感 (1) 「実存派」と「社会派」 哲学

no image
[『サピエンス全史』を起点に考える]サピエンス全体に存在する協力の量と質は、どのように増えていくのか?

『サピエンス全史』は、大勢で柔軟に協力することがサピエンスの強みだと指

→もっと見る

  • irodraw
    彩郎 @irodraw 
    子育てに没頭中のワーキングパパです。1980年代生まれ、愛知県在住。 好きなことは、子育て、読書、ブログ、家事、デジタルツールいじり。
    このブログは、毎日の暮らしに彩りを加えるために、どんな知恵や情報やデジタルツールがどのように役に立つのか、私が、いろいろと試行錯誤した過程と結果を、形にして発信して蓄積する場です。
    連絡先:irodrawあっとまーくtjsg-kokoro.com

    feedlyへの登録はこちら
    follow us in feedly

    RSSはこちら

    Google+ページ

    Facebookページ

  • 2012年9月
    « 8月   10月 »
     12
    3456789
    10111213141516
    17181920212223
    24252627282930
PAGE TOP ↑