*

堀江貴文『ゼロ』を読んだ。圧倒的な経験に基づく「働くこと」についての考えに触発されて、自分のイチの足し方を考えた。

公開日: :

1.堀江貴文『ゼロ』を読んだ

堀江貴文『ゼロ』を読みました。発売前から、Twitterなどで話題になっていたので、気になっていました。ネット上で読んだ冒頭部分がおもしろかったので、Kindle版が出ているのを発見して、すぐに購入しました。

Amazon.co.jp: ゼロ eBook: 堀江 貴文: Kindleストア

この本は、堀江貴文氏が、「働くこと」についての考えを綴った本です。

サブタイトルは、「なにもない自分に小さなイチを足していく」というものであり、全編を通じて、「イチを足す」ということ、つまり、働くことを通じて、小さな成功体験を積み重ねることの意義が語られています。

「働くこと」について語られた本は数多くありますが、読んでいておもしろいのは、「働くこと」に関する経験が豊富な人物による本です。この本を読んで感じたのは、堀江氏の、働くことに関する圧倒的な経験。圧倒的な経験に裏打ちされた「働くこと」についての考えからは、たくさんの刺激を受けることができました。

以下、この本の中の共感したことや役に立ったこと、それから、この本を読んでどんな行動をすることにしたか、をまとめます。

2.共感したこと・役に立ったこと

(1) 大丈夫。あなたも僕も、未来は明るい。(No.227)

第0章の最後の言葉は、「大丈夫。あなたも僕も、未来は明るい。」でした。いい言葉だと思います。このメッセージは、本書の底に、常に流れているように感じました。

第5章「僕が働くほんとうの理由」には、「昨日よりも今日の世界が、今日よりも明日の世界がよくなると、本気で信じている。将来について不安を抱いたり、将来を悲観したことは一度としてない。それは僕がテクノロジーの力を信じているからだ。」(No.2059)という記載もありました。本当にそうだなあと共感します。ここ10年を振り返っても、この世界は、確実に、よくなっていると、私も思います。

前を向けました。

(2) 「チャンスに飛びつく力」は、人としての「ノリのよさ」(No.894)

やってくるチャンスを逃さないために何が大切か、という問いに対して、本書の答えは、「ノリのよさ」だ、というものでした。

一見軽い答えですが、本書のサブタイトルである「なにもない自分に小さなイチを足していく」というところとも通じる考え方です。

まず、本書は、経験の重要性を強調します。

仕事でも人生でも、もちろん異性関係でも、キョドってしまうのは、性格の問題ではない。(略)これはひとえに「経験」の問題なのである。(No.830)

そして、経験を得るためには、自らが一歩前に踏み出すことが必要だと説きます。

経験とは、経過した時間ではなく、自らが足を踏み出した歩数によってカウントされていくのである。(No.832)

では、自らが足を踏み出した歩数を増やすには、どうしたらよいか。これに対する本書の答えが、「ノリのよさ」です。本書は、「チャンスを見極める目なんて、必要ないのだ。」(No.901)とすら断言します。

これを読んで、反省しました。最近の私は、こざかしく「チャンスを見極める目」を持とうとして、「ノリのよさ」を失ってしまっているのではないかという気がしました。大学生の頃のように、もっと「ノリのよさ」を大切にしたいなという気になりました。

(3) その仕事に「やりがい」を見出す自信(No.1139)

本書を通じて、堀江氏のすごいところがいろいろと書かれていて、圧倒されてしまうほどなのですが、私がいちばん共感して、いちばん強いと思った点、そして、これなら自分もすぐに取り入れられる、と勇気づけられたのは、この点です。

仕事の「やりがい」について語るところで、堀江氏は、

やりがいとは「見つけるもの」ではなく、自らの手で「つくる」ものだ。(No.1104)

と書きます。刑務所での懲役の経験からこのことを言うので、説得力があります。そして、すごいのは、次の言葉。

その仕事に「やりがい」を見出す自信がある。(No.1139)

この言葉には、衝撃を受けました。

私は、わりと多くの仕事に「やりがい」を見出せる方だと思っています。「やりがい」を見出すというのは、この人生を生きやすくする上で、大切な特性ではないかと考えていました。

でも、これまでは、仕事に「やりがい」を見出すということを、力として捉える視点は、持っていませんでした。ましてや、「その仕事に「やりがい」を見出す自信がある。」などという言葉を思いついたことすらありませんでした。

そのため、堀江氏の、「その仕事に「やりがい」を見出す自信がある。」という言葉には、衝撃を受けました。これはいい言葉なので、拝借したいと思います。「あなたは何に自信がありますか?」と聞かれたら、「どんな仕事であっても、その仕事に「やりがい」を見出すことには、自信があります。」と答えてみようと思います(まあ、聞かれることはないだろうけれども)。

3.この本を読んで、どんな行動をすることにしたか

本書の最後の方に書いてあったのは、「あなた自身の「ゼロからイチ」を見せてほしい。」というひとこと。そんなわけで、本書を読んで、どんなイチを足すことにしたか、ここに書いておきます。自分に対する宣言として。

(1) このブログについては、もっといろいろやってみる

まず、このブログについて。もっといろいろやってみようかと思います。

これまであまり書かなかったテーマを書いてみるとか(読んだ本のまとめ記事は、興味はあるけれどあまりできていなかった分野だから、もっとやりたい)、文体を変えてみるとか(今は、論理的な「ですます」調の文章を意識しているのですが、論理的の度合いを減らしたり、「である」調にしてみたり、試してみる)、思いついたことを、いろいろやってみようかと思います。

このブログも、1年半前はゼロだったわけで、変なことをして失敗しても、そこに戻るだけですし。

(2) 自分が好きで得意なことを、とりあえず形にしてみる

次に、仕事について。自分が好きで得意なことの割合を増やすことにします。

今の仕事では、いろんな性質の仕事をいろいろやらせてもらっておりますが、仕事を始めてある程度時間が経ったので、自分が好きで得意なことが、何となくわかってきた気がします。これからは、自分が好きで得意なことの割合を、もっと増やそうと思います。

まずは、自分が好きで得意なことについて、うまくいくかとか収支とかは気にせず、小さく形にしてみようかと思います。

(3) 子育てへの没頭は、胸を張って続ける

最後に、子育てについて。子育てへの没頭は、胸を張って続けようと思います。

今、私にとって、子育ては、かなり大きな部分を占めています。最初は、「よいパパでありたい」というような感覚からがんばって協力していたのですが、一生懸命やるうちに、どんどん楽しくなって、今では子育てが大好きになりました。まさに、本書の言う、「没頭」→「好きになる」の順番です。

他方、子育てのために残業はせず、家に帰ってからも自分の勉強は皆無、毎週末も子どもと一緒にお出かけして遊び倒す、という生活に、「これでいいのかなあ。」という一抹の不安を感じていたのも事実です。

でも、本書を読んで、「これでよい。」と思えました。没頭することは、イチを足すことにつながります。子育ては、本書のいう「働くこと」とはちょっと違う気もしますが、私は、子育てを通じて、イチを足していこうと思います。少なくとも、自分が、子育てをしたい、子育てが大好きだ、と思えている間は、胸を張って、子育てに没頭します。

4.まとめ

共感したところ、役に立ったところも多く、読んでよかったです。

あとは、「おもしろかった。読んでよかった。」だけで終わらせることのないように、自分なりのイチの足し方を、考え、そして何より、行動していこうと思います。

スポンサードリンク

関連記事

no image

抜き書き読書ノート

1.抜き書き読書ノートを作る 本を読むことが好きです。本屋さんやKindleストアで見つけた小説やド

記事を読む

no image

「しまう」と「響く」

1.『光の帝国』の「大きな引き出し」 『光の帝国』は、『夜のピクニック』や『六番目の小夜子』が有名

記事を読む

no image

『「Chikirinの日記」の育て方』を読んで、「単純作業に心を込めて」というブログをどんな場所に育てたいのか、考え始めた。

1.本の概要 「Chikirinの日記」の育て方 『「Chikirinの日記」の育て方』は、ブログ

記事を読む

no image

Kindleの個人ページをウェブクリップして、Evernoteに読書メモを残す

1.Kindleの個人ページを使えば、読書メモを残すのが簡単 Kindle本の一節に、ハイライトを

記事を読む

no image

抜き書き読書ノートで、自分にとって大切で特別な本を育てる(作った後の抜き書き読書ノート活用法)

1.作った後も価値を生み出し続ける抜き書き読書ノート (1) 抜き書き読書ノートとは何か ここ数年、

記事を読む

no image

一冊の読書から得る果実を増やすために、読書記事の型を作った

1.読みっぱなしは、もったいない気がしてきた (1) Kindle Paperwhiteを使ったら、

記事を読む

no image

本を処分するふたつの方法とその比較

1.はじめに 我が家はそんなに広くないので、私が使える本棚のスペースも、それほど潤沢ではありません。

記事を読む

no image

Evernoteは「大きな引き出し」。「しまう」と「響く」

1.「しまう」と「響く」 恩田陸さんの『光の帝国』に、「大きな引き出し」という短編が収録されていま

記事を読む

no image

KindleからWorkFlowyへの「入口」を拡張するツール「kindle highlight to WorkFlowy」

1年ちょっと前に妄想していたこれ。 彩郎版のKindleハイライト取得ブックマークレットを構想する

記事を読む

no image

手帳から「ハイブリッド手帳システム」へ。『クラウド時代のハイブリッド手帳術』を参考に、自分なりの手帳システムを作る。

1.『クラウド時代のハイブリッド手帳術』(倉下忠憲)のテーマは、「ハイブリッド手帳システム」の作り方

記事を読む

スポンサードリンク

スポンサードリンク

no image
お待たせしました! オフライン対応&起動高速化のHandyFlowy Ver.1.5(iOS)

お待たせしました! なんと、ついに、できちゃいました。オフライン対応&

no image
「ハサミスクリプト for MarsEdit irodrawEdition」をキーボードから使うための導入準備(Mac)

諸事情により、Macの環境を再度設定しています。 ブログ関係の最重要は

no image
AI・BI・PI・BC

AI 『〈インターネット〉の次に来るもの 未来を決める12の法則』を読

no image
[『サピエンス全史』を起点に考える]「それは、サピエンス全体に存在する協力を増やすか?」という評価基準

1.「社会派」に対する私の不信感 (1) 「実存派」と「社会派」 哲学

no image
[『サピエンス全史』を起点に考える]サピエンス全体に存在する協力の量と質は、どのように増えていくのか?

『サピエンス全史』は、大勢で柔軟に協力することがサピエンスの強みだと指

→もっと見る

  • irodraw
    彩郎 @irodraw 
    子育てに没頭中のワーキングパパです。1980年代生まれ、愛知県在住。 好きなことは、子育て、読書、ブログ、家事、デジタルツールいじり。
    このブログは、毎日の暮らしに彩りを加えるために、どんな知恵や情報やデジタルツールがどのように役に立つのか、私が、いろいろと試行錯誤した過程と結果を、形にして発信して蓄積する場です。
    連絡先:irodrawあっとまーくtjsg-kokoro.com

    feedlyへの登録はこちら
    follow us in feedly

    RSSはこちら

    Google+ページ

    Facebookページ

PAGE TOP ↑