そのメールは、一言で返信できるか?大前研一によるビジネス・メールの4つのルールと、ルール確認のテスト項目
1.大前研一曰く、ビジネス・メールには4つのルールがある
今、大前研一の『ドットコム仕事術』という本を読んでいる途中です。まだ途中ですが、この中に、ビジネス・メールのルールの話が出てきました。
「ビジネス・メールは、プライベート・メールにはないルールがあって、このルールを守ることで、ビジネスにとってメールは便利なツールになる」というようなお話です。大前研一が説くビジネス・メールの4つのルールを、メモがてら、整理しておきます。
(1) ルール1 メール1通につき用件は1つに絞る
メール1通につき用件は1つに絞ること。同じ相手に複数の用件がある場合、用件ごとに1通ずつメールを送り分ける
よく言われる、メール1通1用件の原則です。なぜこのルールが大切なのかについて、大前氏は、2つの理由を挙げています。
a.メール転送が使いやすくなる
1通1用件のメールであれば、その用件の関係者に、そのメールをそのまま転送するだけで、仕事が片付く場合がある。
これに対して、1通複数用件のメールであれば、そのメールに含まれている1つの用件について関係者にメールを転送したいときに、関係ないメールが混ざっているために、そのままそのメールを転送することができない。
b.よいタイトルがつけやすくなる
1通1用件のメールであれば、その1用件の内容を表現したタイトルをつけることができる。
よいタイトルをつければ、受信者は、即座に用件内容を理解できる。また、後々の検索もしやすい。
(2) ルール2 目的が明確な文面を心掛ける
受信者に可否の回答や不明な点の説明を求めるのか、具体的な行動を求めるのか、それとも用件が伝わればいいのか。目的が明確な文面を心掛ける。
当たり前のことではありますが、大切なことなので、ルールとして明記するのは、よいと思います。メールを読んだ受信者が、そのメールから何を求められているのかが理解できないと、メールは、その目的を達成することができません。
(3) ルール3 同じ文面のメールを複数に送信する場合、<bcc>を使う
同じ文面のメールを複数に送信する場合、<bcc>を使う
大前氏は、同じメールを複数の受信者に送信するときは、受信者のプライバシーを守るために、bccを使うべき、と主張しています。これは、ケースバイケースではないかと思いますので、ルールとまで言うのは、ちょっと抵抗があります。
(4) ルール4 メールの返事はすぐに出す
宵越しのメールは持つな。メールの返事はすぐに出す
スピードというビジネス・メールのメリットを共有するために、メールを読んだら、すぐに返信を送るのが鉄則である、とのことです。
返信するためのリサーチが必要など、返信に時間がかかる用件を含むメールに対しては、「詳しい返事は週末に」とのメールを送ることを推奨しています。
2.特に大切な【ルール1】と【ルール2】を守れているかのテスト項目は、「このメールは、一言で返信できるか?」
(1) 特に大切なのは、【ルール1】と【ルール2】だと思う
4つのルールで、特に大切なのは、【ルール1】と【ルール2】だと思います。【ルール3】と【ルール4】は、ケースバイケースではないかと思いますが、【ルール1】と【ルール2】は、あらゆるビジネス・メールが満たすべき条件です。
(2) 【ルール1】と【ルール2】が守られていると、どうなるか
【ルール1】と【ルール2】が守られていると、どうなるでしょうか。
【ルール1】と【ルール2】が守られているメールを受信した人は、そのメールに対する返信を、一言ですますことができます。特に、そのメールに同意する場合はそうです。「了解です。」「それでいいです。」「よろしくお願いします。」だけで、返信としての機能は果たします。
1つのメールに1つの用件だけが含まれていて、そのメールに対して期待されるアクションが具体的に明確であるからこそ、一言での返信が可能になります。
(3) 【ルール1】と【ルール2】を守れているかのテスト項目は、「このメールは、一言で返信できるか?」
立場を変えて、メールを作成する側から見れば、このことを、自分が作ったメールが【ルール1】と【ルール2】を守れているか、をテストする項目として使うことができます。つまり、ビジネス・メールを作ったら、送信ボタンを押す前に、「このメールは、一言で返信できるか?」と問えばよいのです。
1通1用件の【ルール1】は、心掛けさえすれば、守るのは簡単です。しかし、目的が明確な文面という【ルール2】は、強く意識しないと、なかなか守れません。受信者への遠慮などから、つい、婉曲的な表現を使ったり、余白を持たせた言い回しになったりしてしまいます。
そんなときに、「このメールは、一言で返信できるか?」と問えば、【ルール2】を守れているかどうかを確認できると同時に、守れてないと感じたときの修正方法も理解できるはずです。
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