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Evernoteを毎日自然に使うまでの4段階

公開日: : Evernote

1.Evernoteを、毎日、自然に、使う

(1) Evernoteの強み

Evernoteは、「すべてを記憶する」、クラウドのメモシステムです。

  • どんな情報でもクラウドに保存できる
  • Windows、Mac、Android、iOSそれぞれに優れたクライアントアプリが提供されている
  • ノート、ノートブック、タグなど、Evernoteに蓄積した情報を整理するための使いやすい機能が用意されている
  • 優れた検索機能や関連ノート機能など、Evernoteに蓄積した情報を活用するための機能が用意されている

というあたりが、Evernoteの強みです。

これらの強みを持つEvernoteは、便利なツールです。覚えておきたい情報を無限に蓄積でき、どこからでもその情報を引き出すことができるので、自分の記憶容量を大幅に拡大できます。

(2) Evernoteを、毎日、自然に、開く

Evernoteにできることは、自分の記憶容量を拡大するだけではありません。Evernoteは、使い方次第で、大きな価値を生み出します。

Evernoteに子どもの成長記録を全部保存しておけば、いつでもどこでも、手のひらのスマートフォンから、子どものこれまでの成長を楽しむことができます。

Evernoteに作成中の原稿をすべて保存しておけば、いつでもどこでも、原稿を書き進めたり推敲したりすることができます。電車を待つホームの上や、昼食後に一杯のコーヒーを飲みに入った喫茶店で、原稿作成がグンと進むことがありえます。

大学の講義ノートをEvernoteでとれば、教科書が手元になくても、ある程度の予習復習をすることができます。10年前に受けた思い出の講義をふり返ることだって可能です。

このように、Evernoteは、使い方によっては、無限の価値を生み出します。では、Evernoteによってこれらの価値を生み出すには、何が必要なのでしょうか。

具体的なコツはいろいろあるかと思うのですが、私がいちばん大切だと思うポイントは、

  • Evernoteを、毎日、自然に、使う

ということです。

Evernoteによって価値を生み出すには、あたりまえのように人生のいろんな場面でEvernoteを使い、生きる上で手にするいろんなものをEvernoteに保存することが必要です。このためにいちばん大切なことが、Evernoteを、毎日、自然に、使う、ということです。

(3) 「Evernoteを使いこなしたいんだけれど、うまくいかない」に対する答え

ところで、Evernoteは、「使いこなしたいけれど、うまくいかない」と言われることが多いサービスです。インターネット上には、Evernoteの使い方に関する情報が多いのですが、これは、裏を返せば、「Evernoteを使いこなしたいんだけれど、うまくいかない。」というニースが多いことを示しています。

私も、身近な何人かから、「Evernoteを使いこなすコツ」なるものを聞かれ、その都度、自分なりに考えたことを答えました。この結果思ったのは、「Evernoteを使いこなしたい」に対する、いちばん効果的な処方箋は、Evernoteを、毎日、自然に、使う、という状態をめざすことです。Evernoteを、毎日、自然に、使う、という状態に至れば、「Evernoteを使いこなす」なる状態は、あとからついてきます。

とはいえ、Evernoteを、毎日、自然に、使うという状態は、そんなに簡単なものでもありません。そこで、自分の経験をふり返り、Evernoteを、毎日、自然に、使うようになるまでを、4段階に整理してまとめます。

2.Evernoteを、毎日、自然に、使うまでの4段階

(1) 基本的な使い方を理解する

Evernoteを使うには、Evernoteの基本的な使い方を理解する必要があります。ここを超えないと、Evernoteを快適に使うことができません。そこで、Evernoteの基本的な使い方を理解することが、第1段階です。

Evernoteは、わりとわかりやすいサービスですが、それでも、いくつかのことを理解する必要があります。最低限、次の3つです。

a.ノートを理解する

まず、Evernoteの基本単位が「ノート」であることを理解する必要があります。

Evernoteにおいて、「ノート」は、いろんなものを入れる入れ物です。テキストなら直接書き込めますし、画像はそのまま表示されますが、pdfファイルや動画ファイルをノートに入れることもできます。

Evernoteになにかを保存するためには、そのなにかをノートに入れる必要があります。そのなにかを裸でEvernoteに保存することはできません。テキストも、画像も、動画も、pdfファイルも、Wordファイルも、どんなデータを保存する場合も、それをノートに入れる必要があります。

「ノート」は、Evernoteの基本単位なので、Evernoteの検索やコピーや削除は、基本的には、ノートごとに行います。

b.タグとノートブックを理解する

次に、タグとノートブックを理解する必要があります。タグとノートブックは、ノートを整理するために、Evernoteが用意している機能です。

ざっくり言えば、ノートブックは、ノートをしまっておく場所。ノートを1枚のルーズリーフだと考えたときに、ノートブックはバインダに当たります。

また、タグは、ノートに貼り付ける付箋です。この付箋のすごいところは、ノートに付箋を貼ると、自動的に、その付箋を貼ったノートの一覧表ができるところです。

c.クラウドであることと同期の概念を理解する

そして、Evernoteがクラウドサービスであることと、同期というのがなんなのかを理解する必要があります。

Evernoteはクラウドサービスなので、どこか遠くにあるEvernoteのサーバーに、すべてのデータが保管されています。であるからこそ、WindowsのEvernoteで作ったノートに、iPhoneのEvernoteからアクセスすることができます。であるからこそ、私のEvernoteに作ったノートブックを、妻のEvernoteに共有することが簡単にできます。

しかし、通常、Evernoteは、ローカルにインストールされたアプリケーションから使います。WindowsならEvernote for Windowsというアプリケーション、AndroidやiPhoneなら、それぞれのために用意されたEvernoteのアプリから使います。

これらローカルのアプリが持っているデータと、Evernoteのサーバーに保存されているデータを同じ状態にするのが、同期です。

Evernoteは、まだまだ、同期についてちょっと気をつける必要があるサービスです。そのため、Evernoteを快適に使うには、クラウドであることと同期の概念を理解しておく必要があります。

以上の3点をおさえて、Evernoteの基本的な使い方を理解すること。これが第1ステップです。

(2) 自分なりの使い方を試行錯誤して、お気に入りの使い方を見つける

基本的な使い方を理解したら、次は、Evernoteの自分なりの使い方を試行錯誤することです。これが第2段階です。

Evernoteは、自由です。いろんなことのために使うことができます。かなり幅広い使い方ができます。

他方で、自由なサービスなので、かえって何をしていいかわかりません。何でもできるEvernoteで何をするかは、自分で決める必要があります。

Evernoteでは何でもできるのですが、Evernoteを毎日使うためには、自分としてしっくりくる、お気に入りの使い方を見つけなければいけません。

自分にしっくりくる、お気に入りの使い方を見つけるには、自分の手を動かして、いろんな使い方を試してみるのがいちばんです。試行錯誤あるのみです。

どんな使い方があり得るかは、たくさんの情報があります。たくさんのブログやたくさんの書籍が出ています。良さそうなものを、片っ端から、試行錯誤してみればよいと思います。

自分なりの使い方を試行錯誤して、お気に入りの使い方を見つけること。これが、第2段階です。

(3) お気に入りの使い方ひとつを徹底する

試行錯誤を続けて、お気に入りの使い方が見つかったら、第3段階に入ります。第3段階は、このお気に入りの使い方ひとつを、とことん徹底する段階です。

Evernoteを、毎日、自然に、使うためには、軸となる使い方を習慣レベルに高めることが有効です。毎日これをEvernoteでしないと気持ち悪い、と感じるくらい習慣化された使い方があれば、毎日、自然と、Evernoteを使うことは、簡単です。

お気に入りの使い方を習慣化するには、その使い方を徹底するのが早道です。お気に入りの使い方に関係するノートをどんどん作り、ノートブックやタグで整理して、Evernoteをとことん使い込みましょう。

(4) Evernoteの中に自分の世界を感じ、Evernoteを育てること自体が楽しくなる

しばらくの間、お気に入りの使い方を徹底すれば、Evernoteは、自分のお気に入りの何かをたくさん蓄積した場所になります。

そうすると、Evernoteの中に、自分の世界が存在しているかのように感じられます。Evernoteの中に、自分のお気に入りの何かがたくさん保存され、日々増えていく世界を感じることができます。

そして、Evernoteの中の自分の世界を育てる、という感覚を持つことができます。Evernoteの中に新しいノートが増えたり、Evernoteの中のノートが豊かになったり、Evernoteの中のノートが整理されたりすることで、Evernoteの中の世界が豊かに耕され、育っていくように感じます。

ここまでくれば、Evernoteに何かを保存したり、Evernoteのノートを整理したり、Evernoteで何かをメモしたりすることなど、Evernoteを使うこと全部が、Evernoteの中の自分の世界を育てる、という意味を持ちます。Evernoteを使うことで、Evernoteの中の世界を育てることそれ自体に、うれしさを感じることができます。

これが第4段階で、こうなればもうゴールです。Evernoteを、毎日、自然に、使う、という状態になっているはずです。

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