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Evernoteの育て方。子どもの成長記録・知的生産・セルフマネジメントのノート具体例とあわせて。

公開日: : Evernote

1.Evernoteの中に具体的なノートが増えることで、Evernoteが育つ

いつのころからか、「Evernoteが育ってきた」という感覚を強く抱くようになりました。

何かを調べるときに、Evernoteを検索して、目的の情報が得られた経験。Evernoteを見返していて、1年前に子どもと一緒に過ごした何気ない日常の写真が目に入って、幸せな気持ちになった瞬間。こんな経験や瞬間が少しずつ増えてきたことで、「Evernoteが育ってきたなあ」という実感が湧いてきたのだと思います。

感覚だけでなく、事実として、Evernoteは育ちます。Evernoteを育てるのは、Evernoteの中に保存する情報です。何かの機会に役立つ情報や、見返して幸せな気持ちになる情報をEvernoteに保存することで、Evernoteは育ちます。

Evernoteに保存する情報の実体は、自分がEvernoteに保存したひとつひとつの具体的なノートです。Evernoteの中に具体的なノートが増えることによって、Evernoteは育ちます。

Evernoteを育てる

私は、人生のいろんな場面でEvernoteを使っています。使うたびに、私のEvernoteの中には、具体的なノートが増えます。これらのノートが増えることによって、私のEvernoteは育ちます。すこし別の角度から見れば、具体的なノートを増やすことで、私はEvernoteを育てています。

これからもずっと、Evernoteを育て続けていきたいと思っています。これから先、どんな方向でEvernoteを育てるかを考えるために、今回は、現時点での自分のEvernoteの育て方を、具体的なノートを示しながら、整理します。

2.Evernoteの育て方を、具体的なノートの実例とともに、まとめる

私は、いろんなことにEvernoteを使っていますが、そこには濃淡があります。中でも濃い使い方は、次の3つです。この3つは、主観的にも、つまり、自分自身が気に入っているという点でも、客観的にも、つまり、使用時間が長くノート数が多いという点でも、まちがいなく、私のメインの使い方です。

  • 子どもの成長記録
  • 知的生産
  • セルフマネジメント

そこで、以下、この3つについて、概要とノートの具体例を見ながら、私なりのEvernoteの育て方を整理します。

(1) 子どもの成長記録

私がEvernoteを大好きになったきっかけは、Evernoteに子どもの成長記録をしまうようになったことです。

我が家で大活躍!子育てを彩る、Evernote子ども成長記録ノートの作り方と共有方法

Evernote子ども成長記録ノートは、PostEverというアプリを使うことで、1日1つのノートに、写真と文字による子どもの様子を記録するものです。

この使い方をすると、Evernoteには、1日1つ、こんなノートができます。

Image(87)

実際のノートサンプルは、こんな感じ(WEB版Evernoteへリンクします)。

2013/07/18

Evernote子ども成長記録ノートによって増える1日1つの、その日の子どもの様子を記録したノートによって、私のEvernoteは、毎日すくすくと育ちます。

いちばん大切な、子どもの成長記録を、Evernoteにしまい続ける

(2) 個人的な知的生産

個人的な知的生産は、私にとって、かなり大切な活動です。これによって何らかの収入や仕事を得ているわけではないので、趣味といえば趣味なのですが、すごく大切な趣味です。

今、私が、個人的な知的生産を存分に楽しむことができているのは、Evernoteのおかげです。

知的生産を図式的に捉えれば、

  • 自分の外から何かをインプットし、
  • 自分の中で何らかの加工をして、
  • 自分の外へ何かをアウトプットする

ということです。

そこで、

  • 自分の外からのインプット
  • 自分の中での何らかの加工&自分の外へのアウトプット

に分けて、Evernoteの使い方とノートの具体例を示します。

a.自分の外からのインプット(読書)

私の場合、自分の外からのインプットは、本を読むことがメインです。Evernoteは、読書そのものの管理と、読書ノートの管理の両方に、力を発揮してくれています。

(a) 読書の管理

読書自体の管理、つまり、これから読む本や読んだ本の管理は、EvernoteとToodledoをIFTTTで連携させることで、仕組みを作っています。

Evernoteに読書経験のすべてを蓄積するとっかかりとして、ToodledoとIFTTTを使う

この仕組によってEvernoteに増えるのは、次の3種類のノートです。

まず、読んだ本のリストです。こんな感じのノートができます。

Image(88)

次に、読み始めた本のノートです。1冊の本を1回読み始めるごとに、こんな感じのノートが、1つ増えます。

Image(89)

最後に、読み終えた本のノートです。1冊の本を1回読み終えるごとに、こんな感じのノートが、1つ増えます。

このノートを、私は、基本台帳として使っていますので、読んだ本の読書ノートや書いたブログ記事へのノートリンクを追記しています。(もっとも、すべての本についてやっているわけでは、もちろん、ありません。)

Image(90)

この仕組みのおかげで、本を1冊読むごとに、Evernoteにノートが増え、Evernoteが育ちます。

なお、この仕組みを作るために必要なIFTTTのレシピなどの説明は、次の記事に譲ります。

Evernoteに読書経験のすべてを蓄積するとっかかりとして、ToodledoとIFTTTを使う

(b) 読書ノート

読書ノートも、Evernoteに蓄積しています。Kindle本の読書ノートと紙の本の読書ノートは、少しやり方が異なりますが、どちらもEvernoteにしまいます。

Kindle本は、kindle.amazon.co.jpのYour HighlightsのページをEvernoteウェブクリッパーでウェブクリップすれば、ハイライト箇所とメモの内容を、テキストデータでEvernoteに取り込むことができます。

Kindleのハイライト箇所をテキストでEvernoteに取り込み、読書のアウトプットを促す(kindle.amazon.co.jp)

そこで、Kindle本の読書ノートは、このデータをベースとした、こんな感じのノートです。

Image(91)

紙の本は、紙面を写真で撮影しています。私は、三色ボールペン方式を採用しているので、三色ボールペンを使って存分に書き込んだ紙面を、iPhoneのカメラでパシャパシャと撮影しています。写真を取り込んだあと、大切な点を抜書きすれば、基本の読書ノートが完成します。

紙の本の読書ノートを、Evernoteに蓄積する

こんな感じになります。

Image(92)

読書ノートを作っても、しばらくすると、その内容は自分の意識からは消えてしまいます。でも、読書ノートをEvernoteに保存することによって、少なくとも、Evernoteは育ちます。こうしてEvernoteの中に蓄積された読書ノートが、時を超えていつか役に立つとよいなと思っています。

b.自分の中での何らかの営み&自分の外へのアウトプット

私にとって、個人的な知的生産における自分の外へのアウトプットは、このブログです。ブログに文章を投稿することが、私の個人的な知的生産におけるアウトプットの(ほぼ)すべてです。

私がブログに文章を書くために、Evernoteは、欠かせない存在です。

自分のEvernoteを使うことができれば、私はブログの文章を書き進めることができます。たとえiPhoneしか手元になくても、多少不便ですが、ブログの文章を書き進めることができます。

逆に、自分のEvernoteを使うことができないと、ブログの文章を書き進めることは、すごく制約されます。使いやすい高性能のパソコンが手元にあっても、自分のEvernoteを開くことができなければ、なかなか筆が進みません。

私にとって、Evernoteが、ブログの文章を書くための最強のツールである理由は、私が、ブログ記事をEvernoteで育てる、というイメージを持って、Evernoteを使っているからではないかと思います。

Evernoteをブログ記事を栽培する畑のメタファーで捉えることで、ちょっとしたアイデアを記した断片的な文が、ブログ記事というまとまりのある文章に結実する可能性が、グンと高まりました。

Evernote×ブログ記事。すき間時間を活用してブログ記事を栽培する方法

ブログ記事を栽培している途中のノートブックは、こんな感じです。

ブログ記事を書いている左側に、書きかけの文章一覧が表示されています。関連するんだけれど、その記事には収まらないことが出てきたら、すぐに新しいノートや関連するノートに移って、そちらに書きます。

Image(93)

また、ブログ記事を栽培している途中のノートは、こんな感じです。

Image(94)

これは、「Evernoteマニアになる秘訣」の「(2) Evernoteを倉庫としてではなく、作業場として使う」を書きはじめたら、書きたいことがいろいろ出てきたので、これだけでひとつの文章にできたらいいな、と思い、さっと作ったノートです。

Evernoteを畑と捉え、ブログ記事を育てることによって、私のEvernoteの中には、文章(の断片)がどんどん増えます。これによって、私は毎日Evernoteを育てています。

(3) セルフマネジメント

この複雑な現代社会の中で、毎日を気持ちよく過ごし続けるためには、スケジュールとかやるべき作業とかを、ある程度コントロールする必要があります。

また、自分の生き方とかあり方を納得しながら生き続けていくためには、自分が何を大切にするかとかどんな方向に進むのかとかを、ある程度把握し続けている必要があります。

これらのことをセルフマネジメントと呼ぶとして、Evernoteは、セルフマネジメントにも役立ちます。それも、やろうと思えば、かなり役立ちます。Evernoteは、セルフマネジメントツールとしても、大きな可能性を持っています。

しかし、私は、Evernoteに、それほどはセルフマネジメントの役割を求めていません。私がEvernoteに求めているセルフマネジメントの役割は、タスク管理のログと日記の2つです。

a.タスク管理、自動電子日誌

私は、自分の手持ちタスクを、Toodledoというタスク管理サービスで管理しています。仕事のタスクもプライベートのタスクも、全部です。

Toodledoで人生が変わったサラリーマンの、Toodledo運用例・全部入り(2014.2段階)

Toodledoは、完了にしたタスクの情報をあとから参照する点では、あんまり便利ではない気がします。ここを補うために、私は、Toodledoの完了タスク情報をEvernoteに蓄積しています。

このために余計な手間がかかっては本末転倒ですが、ToodledoとEvernoteは、いずれもIFTTTという自動化サービスに対応していますので、(一度設定さえしてしまえば、)あとは手間なしです。

Evernote×タスク管理(3) これが決定版!Toodledoの完了タスクを1日1ノートでEvernoteに蓄積する方法

いろんな試行錯誤の結果、今のところ、いちばん機能しているのは、この自動電子業務日誌です。

【Toodledo×IFTTT×Evernote】電子業務日誌を自動的に作成する

この電子業務日誌によって、Evernoteには、1日1つ、Toodledoの完了タスクが時系列で淡々と並んだノートが増えます。こんな感じのノートです。

Image(95)

このノートには、毎日自分が達成した大小様々なことが並んでいます。自分が達成したたくさんのことを記録したノートが増えることで、Evernoteは、毎日少しずつ育ちます。

b.日記

電子業務日誌は、Toodledoの完了タスクを自動で記録するものです。これに対して、自分の手を動かしてその日のことをふり返ることもしてます。要するに、日記です。

Evernote×日記。書き続ける仕組み、リターンを大きくする工夫。

私は、

  • 思いついたその場でiPhoneからさっとメモする
  • 翌日朝にパソコンからじっくりと仕上げる

というかたちで、Evernoteに日記を書いています。

Androidからさっとメモし、パソコンからじっくりと日記へ仕上げる、Evernote日記システム

さっとメモした段階のメモは、こんな感じです(イメージ)。

Image(96)

じっくり仕上げた日記は、こんな感じです(イメージ)。

Image(97)

3.「なぜそれをEvernoteでするのか?」に対する私の回答は、「Evernoteが育つから」

(1) 自分にしっくり来る、それをEvernoteでする理由

「Evernoteをこんなふうに使っている」ということを友達に話したり、ブログに書いたりすると、ときどき、「なぜそれをEvernoteでするのか?」という質問を受けます。

この質問に対して、「Evernoteのこの機能が便利だから」「Evernoteを使うとこれをすることができるから」というかたちで、個別具体的な理由を回答することは、一応、可能です。

子どもの成長記録にしても、知的生産にしても、セルフマネジメントにしても、Evernoteを使うことのメリットをあげろと言われれば、それっぽくてもっともらしいメリットを、それぞれ複数あげることができます。

でも、これらのそれっぽくてもっともらしい個別具体的なメリットは、たぶん、私がEvernoteを使っている理由を表現していません。というのも、私は、これらの個別具体的なメリットをいくら並べても、自分であんまりしっくりと来ないからです。

それよりも、私の中にストンと落ちるのは、「Evernoteが育つから」という一言です。「それをEvernoteですると、Evernoteが育つから」「それをEvernoteでするのは、Evernoteを育てるため」は、私にとって、何かをEvernoteでする理由を、かなり的確に表現しています。

(2) 本末転倒? じゃないと思っている。

Evernoteは、手段であって目的ではありません。ですから、「Evernoteが育つから」「Evernoteを育てるため」という回答に対しては、本末転倒ではないか、とか、目的の手段の関係が倒錯しているのでは、という突っ込みが想定されます。

しかし、たぶん、ここに目的と手段の倒錯はなく、本末転倒でもないと思います。なぜなら、「Evernoteが育つ」ことは、結果として、自分に大きなメリットをもたらすからです。

ただ、ここには、もう少し掘り下げて考えるべきことがあります。「Evernoteを育てる」こと自体にどんな価値があるかは、今後、じっくりと考えていきたいテーマです。

【関連】

私が毎日一生懸命Evernoteを使っているいちばんの理由は、Evernoteを育てたいからかもしれません。

Evernoteを育てる

Evernoteを使えば、誰もが自分の「大きな引き出し」を持つことができます。Evernoteに自分の体験の全部を「しまう」ことができます。Evernoteという「大きな引き出し」にしまわれた自分の体験は、いつまでもちゃんとそこにあって、一生自分の中で「響き」続けます。今の私は、こんなイメージで、Evernoteを使っています。

Evernoteは「大きな引き出し」。「しまう」と「響く」

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