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「とりあえずWorkFlowy」から受け取ったもの

公開日: : 最終更新日:2015/05/24 WorkFlowy

1.「とりあえずガンダム」戦略 by 『コンビニ店長のオシゴト』

『Facebook×Twitterで実践するセルフブランディング』という本があります。R-styleの倉下忠憲さんが、ソーシャル時代のセルフブランディングについて、考え方と具体的な方法を説明した本です。

『コンビニ店長のオシゴト』というKindle本があります。同じく倉下忠憲さんが、コンビニ店長をされていた経験に基づき、コンビニ店長の仕事について、わかりやすく面白く書かれた1冊です。

コンビニ店長がどんな仕事をしているのか。何を考えて仕事をしているのか。そんなことがツラツラと書いてあります。

引用元:コンビニ店長のオシゴト 〜個性的なお店の作り方〜 | Official Website

さて、『Facebook×Twitterで実践するセルフブランディング』と『コンビニ店長のオシゴト』。一見すると全然関係のないこの2冊は、セットで読むのがおすすめです。なぜなら、『コンビニ店長のオシゴト』は、セルフブランディングの優れた参考書でもあるからです。

そんなわけで、『コンビニ店長のオシゴト』は、制約条件の中でセルフブランディングを進めていくための、とてもよい参考書です。セルフブランディングに興味があるけれど、いろんな制約条件があるから、無理だなあ、と感じている方は、たくさんのヒントを発見できるはずです。

引用元:R-styleの源流が、ここにある気がした。書評『コンビニ店長のオシゴト』

この本の中で、特にすばらしいのは、第4章「玩具売り場革命」です。倉下店長が、没個性の代表例とも言えるコンビニで、個性的なコンビニを模索する物語になっており、楽しく読み進めることで、セルフブランディングの大切な考え方を理解することができます。

没個性の代表例とも言えるコンビニで、「いかに個性的なお店を作るのか」は難しく、かつ挑戦しがいのある目標です。 location 565

ここに、「とりあえずガンダム」という言葉が出てきました。倉下店長がコンビニ店の売場作りのために採用した戦略ポリシーです。

というわけで、「選択と集中」を実行することにしました。何かを選び、何かを捨てる。で、私が選んだ戦略のポリシーは、 「とりあえずガンダム」 でした。 location 908

「とりあえずガンダム」という戦略ポリシーででポートフォリオを組んでフィギュアを仕入れることで、倉下店長は、「むやみにガンダムフィギュアが充実している」というブランドを誇るコンビニを作り上げます。

ともかく、カード売り場に続いて、「あの店はむやみにガンダムフィギュアが充実している」というブランドができあがりました。 location 926

では、なぜ、「とりあえずガンダム」なのでしょうか。倉下店長は、趣味だと言い切ります。

これはもう100%純粋に私の好みです。私は大のガンダム好きなのです。店長の趣味で、売り場を作っているわけです。 location 913

しかし、「とりあえずガンダム」は、単に独りよがりの趣味ではありません。倉下店長は、お店の置かれた環境や使える資源を理解した上で、自分の好みを発揮するための戦略として、「とりあえずガンダム」を選択しました。

周りの状況と自分(たち)の特性を合わせたところ。そこに答えがあります。ぜひとも楽しい「売り場作り」を目指してください。 location 1067

2.「とりあえずWorkFlowy」戦略

(1) 「とりあえずガンダム」戦略をやってみたくて

私は、この「とりあえずガンダム」戦略の話が、大好きです。

周りの状況と、自分の特性や好みを合わせたところに答えを見つけて、ポートフォリオを組む。この考え方に、有効性を感じます。

また、自分の好みを大切にして、ちょっとやりすぎかな、というくらいの偏りを徹底することは、圧倒的に楽しそうで、ワクワクします。

そのため、最初にこれを読んだときから、自分でも同じようなことをやれたらいいな、と考えていました。

とはいえ、私には、コンビニや小売店を経営する予定はありません。なので、「売り場作り」をする機会はありません。

ですが、「とりあえずガンダム」戦略は、コンビニや小売店の売り場作りに限定される話ではありません。個人メディアの運営にも、もっと広く、セルフブランディング全般にも、応用できるアプローチです。

第四章で紹介した「玩具売り場革命」は、小売店だけではなく個人メディアを運営する人にも役立つ内容になっているはずです。少なくとも、私はその考え方を用いてブログやその他の活動を行っています。 location 1065

そこで、私は、この「単純作業に心を込めて」というブログで、「とりあえずガンダム」戦略を真似することにしました。

(2) 「とりあえずWorkFlowy」戦略

ところで、2015年になってからの5ヶ月弱の間、私が「単純作業に心を込めて」に書いた文章は、かなり偏っています。きちんと整理したわけではありませんが、体感では、「WorkFlowy8割・マンダラート1割・その他1割」という感じです。

極端にWorkFlowyに偏っていますが、今の私は、これでいいと判断し、自覚的にこの偏り具合で文章を書いています。

理由のひとつは、WorkFlowyという具体的な個別ツールについて語ることによって、抽象的で本質的で普遍的な何かを語ることができていると感じているためです。

WorkFlowyについて語るときに僕の語ること

でも、それだけではありません。WorkFlowyに偏ったアウトプットを続けてきたのは、私版の「とりあえずガンダム」戦略を実践する可能性を、WorkFlowyに見つけたためです。

WorkFlowyというツールを知り、WorkFlowyを深く愛用するようになり、それと同時にウェブ上のWorkFlowyに関する日本語情報がまだ少ないことに気づいたことで、「とりあえずWorkFlowy」が、「単純作業に心を込めて」のセルフブランディングを支える戦略ポリシーになる、と考えました。

(3) 「とりあえずWorkFlowy」が与えてくれたもの

「とりあえずWorkFlowy」を戦略ポリシーとして設定してから、しばらく経ちました。

WorkFlowyに関連するエントリの個数は少しずつ増えてきました。WorkFlowyカテゴリのエントリとWorkFlowyまとめページへのPVも増えました。WorkFlowyに関連するエントリによって「単純作業に心を込めて」を認識し、その後、継続的に読んでくださっている方もいらっしゃるようです。本当にありがとうございます。

細かな条件を試行錯誤して、結果を文章にまとめる、という自分が好きで得意なことを実行していたら、そこに価値を見い出す方がちらほらと現れてくださいました。まさに、『Facebook×Twitterで実践するセルフブランディング』のいう、自分の価値をウェブに蓄積することで、そこに価値を見い出してくださる方が現れた、という現象です。

セルフブランディングのための戦略ポリシーとしての「とりあえずWorkFlowy」戦略は、確かな成果をあげてくれました。

自分の持ち味を発揮することと、価値を見い出されること。『Facebook×Twitterで実践するセルフブランディング』

他方で、それだけじゃない、とも感じます。「とりあえずWorkFlowy」は、セルフブランディングにとどまらない効果を生み出している気がします。

今後も、当面の間は、「とりあえずWorkFlowy」を続けるつもりです。そのためにも、この段階で腰を据えて、「とりあえずWorkFlowy」が私に与えてくれたもの、「とりあえずWorkFlowy」から私が受け取ったものを、つらつらとふり返ってみます。

3.「とりあえずWorkFlowy」から受け取ったもの

WorkFlowyにトピックを立てて「自由なアウトライン・プロセッシング」でフリーライティングしたところ、3つ、浮かんできました。

(1) 研究テーマ

ひとつめは、研究テーマです。

「とりあえずWorkFlowy」のもと、私は、WorkFlowyに関係する文章群をくり返し書いています。具体的な機能やツールの思想など、いろんなことを書いています。

ですが、私は、「もともと知っていたWorkFlowyの機能や、もともと理解していたWorkFlowyの思想」を書いているのではありません。そうではなく、私が書いているのは、試行錯誤によって確認した機能であり、機能について書くことによってたどり着いた思想です。

WorkFlowyについての試行錯誤や思いつきを文章にすることでWorkFlowyに対する考察が深まり、アウトプットに対するフィードバックによって新たな視点を与えられて、また別の試行錯誤をしたくなる。こんな循環が、「とりあえずWorkFlowy」から生まれました。

以前、私は、「研究者の考察は、なぜ、あんなにも深いんだろうか?」という問いを考えました。そのときの私の考えは、「研究者の毎日に、「その時点までの考察をアウトプットして、フィードバックを得る仕組み」が組み込まれているから」です。

研究者が考察を深める仕組み:「その時点までの考察をアウトプットして、フィードバックを得る仕組み」

WorkFlowyについて一群の文章を書くことで、私のまわりに生まれた循環は、「研究者が考察を深める仕組み」と似ています。

このように、私は、「とりあえずWorkFlowy」から、「WorkFlowy」という研究テーマをいただきました。

(2) 毎日の基本ツールを操る技術

ふたつめは、毎日の基本ツールを操る技術です。

WorkFlowyは、シンプルな道具です。操作はむずかしくありません。優れたUIを備えていることもあり、直感で適当に使えば、だいたい思い通りに動いてくれます。2週間も使えば、8割以上の機能を使いこなせるようになるはずです。

そのため、私自身は、それ以上にWorkFlowyを操る技術を向上させる必要性を、まったく感じていませんでした。

WorkFlowyの機能を淡々と説明する試みを始めたのは、そんな時期でした。「とりあえずWorkFlowy」のため、WorkFlowyの検索機能やタグ機能について、細かい試行錯誤を積み重ねて、ルールを整理しました。

結果として、この作業は、私のWorkFlowyを操る技能を高めてくれました。もちろん、普通に使うだけで8割以上身につくのですから、高まったのは残り2割弱のうちの一部です。しかし、このちょっとしたちがいは、想像以上に大きいちがいでした。

なぜなら、WorkFlowyは、私の毎日に寄り添う基本ツールだからです。起床直後(「朝一番の自動書記」)から始まり、一日を通して活躍する基本ツールなので、操る技術がほんの少し高まるだけでも、ここから生まれる効果は小さくありません。

このように、私は、「とりあえずWorkFlowy」によって、毎日の基本ツールである「WorkFlowy」を操る技術を高めてもらうことができました。

(3) 「自分の仕事」

みっつめは、「自分の仕事」です。

私が大切にしていることのひとつは、「「自分の仕事」をする」です。

R-style » 「自分の仕事」をする

「自分の仕事」をするためには、何らかの仕事を「自分の仕事」だと実感できることが大切です。でも、「これが「自分の仕事」だ」と実感するのは、多分、そんなに簡単なことではありません。「これが「自分の仕事」だ」と実感できる仕事と出会えることは、きっと、人生における素敵なことのひとつなんじゃないか、と感じます。

さて、今、私は、「とりあえずWorkFlowy」にのっとり、WorkFlowyについてのいろんなことを説明しています。そして、この「WorkFlowyを説明すること」を、私は、「自分の仕事」だと実感しています。

「とりあえずWorkFlowy」を続けていたら、「WorkFlowyを説明する」という「自分の仕事」と出会えました。これが、「とりあえずWorkFlowy」から与えられたもののみっつめです。

「自分の仕事」に関しては、「とりあえずWorkFlowy」が与えてくれたことが、もうひとつあります。それは、「私の「自分の仕事」は、私だけで閉じているわけではない」ということです。

でも、「自分の仕事」をする、という考え方は、単に、自分の好きなことを追求したり、自分の持ち味を発揮しようとしたりすること、要するに「自分の仕事」だけを追求することではありません。私の「自分の仕事」と私ではない誰かの「自分の仕事」との関係を考えて、その間をなんらかのかたちでつないでいくことも、「自分の仕事」をする、という考え方の一部のような気がします。

引用元:誰かの「自分の仕事」に、私の「自分の仕事」をつなげる

ここ最近、WorkFlowyがじわじわと広がっていることを実感します。大きな原動力は、Tak.さんの『アウトライン・プロセッシング入門』と倉下忠憲さんの「WorkFlowy企画です。

Tak.さんの『アウトライン・プロセッシング入門』も、倉下忠憲さんの「WorkFlowy企画」も、私が書いてるWorkFlowyの説明文とは、全然ちがいます。内容もちがえばスタイルもちがい、読み手に与える印象もきっとちがいます。

でも、どこかでつながっています。Tak.さんの「自分の仕事」、倉下さんの「自分の仕事」、私の「自分の仕事」は、どこかでつながっています。

それから、Tak.さんや倉下さんだけでなく、たくさんの方の「自分の仕事」とも、根源にたどり着くまでのどこかで、つながっているんだろうなあと感じます。

たとえば、るうさんのWord。

るうマニアSIDE-B – MSWordをプロセス型アウトライナーとして使う

まろ。さんのハサミスクリプトと、それを広めた捗りあんさん。

[捗]WorkFlowyからMarkdown出力できるブックマークレットで可能性が広がる! | 捗りあん

WorkFlowyのexportをブログ用のMarkdownに変換するbookmarklet(noteを使わない人向け)|マロ。|note

根源にたどり着くまで遡れば、それこそ、世界中の人の「自分の仕事」とつながっているんだろうなあ、とすら感じます。

私の「自分の仕事」は、私だけで閉じているわけではなく、他のいろんな人の「自分の仕事」につながっていること。理屈としては、これまでに、いろんな本で読んだり人から聞いたりしてきたことではあります。でも、実感として腑に落ちたのは、「とりあえずWorkFlowy」のおかげです。

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