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マンダラ「個人のための知的生産システムを構成するウェブサービス」を創る(Kindle・Evernote・WordPress・Feedly&Pocket・WorkFlowy・Twitterの関係)

公開日: : Mandal-art, 知的生産

1.はじめに

昨日、マンダラートの技法「四隅マトリクス法」の具体例と説明で、「四隅マトリクス法」という方法をまとめました。

マンダラートは、知るものではなく、使うものです。そこで私も、さっそく「四隅マトリクス法」を使ってみます。

考えるテーマは、「個人のための知的生産システムを創るには、いろんなウェブサービスをどのように組み立てるとよいか?」にします。WorkFlowyやEvernote、Kindleやブログをどのように組み立てると、うまく「知的生産のある生活を送り続けること」を実現できるだろうか、ということです。

さっそくやってみます。本エントリでは、「四隅マトリクス法」の前半である「四隅マトリクスマンダラを創る」をやってみます。結論を先に出しておくと、私が創ったマンダラ「個人のための知的生産システムを構成するウェブサービス」は、こんな感じになりました。

マンダラ「個人のための知的生産システムを構成するウェブサービス」

2.マンダラ「個人のための知的生産システムを構成するウェブサービス」を創る

(1) 「中心セル」=「個人のための知的生産システムを構成するウェブサービス」

マンダラなので、何はともあれ、3×3=9マスと「中心セル」です。

「中心セル」には、「個人のための知的生産システムを構成するウェブサービス」と書きました。

マンダラ1

(2) 「周辺セル」に載せる言葉が浮かぶ

さて、このマンダラを眺めて、「周辺セル」に載せる言葉を考えてみます。

「個人のための知的生産システムを構成するウェブサービス」から連想したところ、私の頭に浮かんだ言葉は、「Evernote」「WorkFlowy」「ブログ」「Kindle」でした。

キーワード

(3) マンダラへの載せ方を考える

a.思い浮かんだ言葉をマンダラに載せる

そこで、この4つの言葉をマンダラの上に配置します。

この4つの言葉には、次の関係がありそうです。

  • Kindleでインプットし、WorkFlowyとEvernoteで考え、ブログにアウトプットする、という流れがある
  • どちらも考えるプロセスであるWorkFlowyとEvernoteの役割分担は、フローvsストックではないか

ここからなんとなく見えてくる軸は、次の2つです。

  • インプット→思考→アウトプットという、知的生産のプロセスの軸
  • フローとストックという、対象となる情報の軸

そこで、マンダラに、この2つの軸ができるように、これら4つの言葉を配置します。

インプット→思考→アウトプットの分類は明確なので、「Kindle」と「ブログ」をフローとストックに振り分けます。

  • 「Kindle」は、本というかたちに固まった情報を読むものなので、ストック
  • 「ブログ」で私が想定しているのは、「WordPress」で運用しているこの「単純作業に心を込めて」だけれど、ブログは、SNSなどと比べると、ストックの性格が強いアウトプット手段だから、ストック

以上から、こんなマンダラができました。

(概念のレベルを揃えるために、「ブログ」を「WordPress」にしました。)

マトリクスに配置(1)

b.四隅を埋める(マトリクスのような思考)

次に、マンダラの四隅の「周辺セル」を埋めます。左上のインプット×フローと、右上のアウトプット×フローが空いていますので、ここを考えるわけです。

論理の枠組みに従って素直に考えていけば、何か出てくることでしょう。

まず、左上のインプット×フローは、フロー情報のインプットです。ストックまでではない情報をインプットするとき、自分はどこから情報をえているかといえば、わりと多いのがブログです。RSS購読をしているいくつかのブログでフロー情報をインプットしています。

そして、私がブログ購読のために使っているウェブサービスは「Feedly」と「Pocket」なので、左上の「周辺セル」には「Feedly&Pocket」という言葉を載せます。

次に、右上のアウトプット×フローは、フロー情報のアウトプットです。自分がしているアウトプットのうち、フロー情報としてアウトプットをしているものを考えると、Twitterかなと思います。私にとってTwitterは主にコミュニケーション手段ですが、たまに、思いついたアイデアをTwitterに放流することがあります。これは、フロー情報のアウトプットと言えるでしょう。

そこで、右上の「周辺セル」には、「Twitter」という言葉を載せます。

これで四隅が埋まりました。ここまでの段階で、こんなマンダラができました。

四隅を埋めたマンダラ

(4) 左右の空間を埋める

この次は、中心軸の上下左右の4つの「周辺セル」です。

ただし、今回は、マトリクスが2×2ではなく、2×3でしたので、すでに上と下の「周辺セル」は埋まっています。

そこで、左右二つの「周辺セル」を埋めることを考えます。

a.「Feedly&Pocket」と「Kindle」の間

まず、「Feedly&Pocket」と「Kindle」の間は何でしょうか。このタテ列は、インプットの列です。「Feedly&Pocket」によるインプットと、「Kindle」によるインプットの間には、どんな言葉が来るのでしょうか。

私は、しばしば、購読しているブログで紹介されていた本をKindleで買います。また、購読しているブログで紹介されていた情報から本を探して、Kindleで買います。そこで、この間をつなぐものがどんなものなのだろうか、を問えばよいのではないかと感じます。

まず大きいのは、「どのブログで紹介された本なのか?」つまり「誰が紹介しているか?」です。たとえば、倉下忠憲さんのR-styleで紹介されている本は、あたりが多いので、Kindle版があれば、わりと高確率で買います。

次に、ブログから本の存在を知っても、すぐに本を買うわけではなく、レビューを読んだり、誰かの意見を聞いたりすることがあります。手軽に利用できるのはAmazonのレビューです。また、気になった本をTwitterで呟くと、その本を巡ってどなたかとやりとりできることもあります。

では、これらを表現するキーワードは、なんでしょうか。マンダラの「中心セル」vs「周辺セル」の構造も大切なので、「個人のための知的生産システムを構成するウェブサービス」とも関連するキーワードでなければいけません。

これはなかなかむずかしいので、この段階では一旦保留にしておいて、とりあえず、ここで考えたことを並べておきます。

b.「Twitter」と「WordPress」の間

次は、「Twitter」と「WordPress」の間です。このタテ列は、アウトプットの列なので、「Twitter」によるアウトプットと「WordPress」によるアウトプットの間に存在する言葉を探せばよいわけです。

(a) 「Twitter」→「WordPress」のプロセス

「Twitter」によるアウトプットが「WordPress」によるアウトプットに至るまでの間に生じる現象は、

  • 思いついたアイデアを、Twitterに放流する
  • 反応をいただく
  • Twitterでやりとりをさせていただく
  • 考えがひとつのブログエントリにまとまる

という感じです。

中でも、Twitterでいろんな方とやりとりさせていただくことが大きいような気がします。

(b) Evernoteの共有ノートブック

さらに、これまでに、このようなTwitter→WordPressとアウトプットがつながった具体的なケースをふり返ると、そこには、TwitterでもWordPressでもないウェブサービスが存在していました。

ひとつの具体例は、「「WorkFlowy専用Firefox」によって、パソコンからのWorkFlowyを、さらに強力なツールに育て上げる(Windows&Mac)」です。

このアウトプットは、Twitterであき(@akio6o6)さんと交わしたやりとり(フローのアウトプット)から生まれたものなのですが、ここからブログエントリに至るまでには、何人かの方と共有しているEvernoteのノートブックに助けられました。ざっくりした思いつきをEvernoteの共有ノートブックに書き、コメントをいただき、それを踏まえてエントリを仕上げる、という流れでした。

このときは、Evernoteの共有ノートブックが、「Twitter」と「WordPress」の間をつないでくれました。

(c) WorkFlowyの共有トピック

もうひとつの具体例は、「段差ラ部で桝目を学ぶ 〜マンダラートに抱いていたネガティブな先入観がひっくり返った話〜」です。

このアウトプットは、次のTweetが起点です。

ほんとに軽い気持ちでTweetしたところ、段差ラ部を中心とする何人かの方にファボしていただくとともに、Tak.さんからは読む順序のアドバイスまでいただいたため、さっそく、はりきって、『[超メモ学入門]マンダラートの技法』を読み始めました。

最近は、読書するときはいつもWorkFlowyに読書メモを作るので、今回も同じようにすることにしたのですが、段差ラ部には、共有のWorkFlowyトピックがありました。そこで、このWorkFlowy共有トピックに読書メモを作ることにしました。

段差ラ部の方々が読むかもしれない、という意識があると、読書メモであっても、ほんの少し、読み手を意識します。このほんの少しの意識によって、今回私が作った『[超メモ学入門]マンダラートの技法』の読書メモは、いつもの読書メモよりも、いくぶん、アウトプットに近かったような気がします。

結果として、この読書メモは、「段差ラ部で桝目を学ぶ 〜マンダラートに抱いていたネガティブな先入観がひっくり返った話〜」というアウトプットにつながりました(し、その後の、このエントリを含むいくつものアウトプットにもつながっています)。

このときは、WorkFlowyの共有トピックが、「Twitter」と「WordPress」の間をつないでくれました。

(d) キーワードは何か?

これらのキーワードがなんなのかは、これもなかなかむずかしいので、ここでも一旦保留にしておいて、これらを羅列します。

そこで、現段階でのマンダラは、こんな感じです。

完成まであと一歩

c.フローとストックの間

さて、ここまでに考えてきたのは、「周辺セル」と「周辺セル」の間をつなぐものでした。

他方で、このマンダラがマトリクスのような構造を持っていることからすれば、「周辺セル」に書かれた具体的な言葉ではなく、軸であるフローとストックからアプローチすることもできるはずです。

そこで、これを考えてみます。すなわち、「フローとストックの間に存在するのは、どんな言葉か?」です。

とはいえ、フローとストックは、情報を2つにわける考え方であり、これ自体がMECEではないかと思います。そこで、フローとストックの中間的な概念を探すのは、無意味です。

では、どのように考えたらよいでしょうか。

ポイントは、フロー情報とストック情報は、固定的な分類ではない、ということではないかと思います。もともとフローだった情報がストックの情報に変わる、ということがあるからです。

となると、「フローとストックの間に存在するのは、どんな言葉か?」という問いは、「フローの情報がストックの情報に変わる間に存在するのは、どんな言葉か?」という問いに変換できそうです。

ここで、これまで検討してきた「Feedly&Pocket」と「Kindle」の間と、「Twitter」と「WordPress」の間に戻ります。

「Feedly&Pocket」というフローのインプットは、誰が紹介しているか?とか、Amazonのレビューとか、Twitterでのやりとりとかによって、「Kindle」というストックのインプットに繋がります。

「Twitter」というフローのアウトプットは、Twitterでのやりとりや、Evernoteの共有ノートブックや、WorkFlowyの共有トピックによって、「WordPress」というストックのアウトプットに繋がります。

で、これらに共通する要素を考えてみると、人との関係とか、共有とか、そういったものです。人との関係や共有によるフィルターを通過することで、フローの情報はストックの情報に繋がる、といえそうです。

そこで、「フローとストックの間に存在するのは、どんな言葉か?」という問いに対して、私は、「共有によるフィルター」と答えます。

d.「Reading2.0」と「アウトプットプロセスの共有」

ここまで考えたら、「Feedly&Pocket」と「Kindle」の間のキーワードと、「Twitter」と「WordPress」の間のキーワードを思いつきました。

「Feedly&Pocket」と「Kindle」の間は、「Reading2.0」です。ウェブサービスじゃないですが、まあ、よしとします。「Reading2.0」とウェブサービスは切っても切り離せない関係なので。

「Twitter」と「WordPress」の間は、「アウトプットプロセスの共有」です。これもウェブサービスじゃないですが、まあ、よしとします。具体的には、TwitterやEvernoteやWorkFlowyというウェブサービスなので。

(5) 私のマンダラ「個人のための知的生産システムを構成するウェブサービス」

以上から、私が創ったマンダラ「個人のための知的生産システムを構成するウェブサービス」は、こんな感じです。

マンダラ「個人のための知的生産システムを構成するウェブサービス」

3.続く

さて、こんなわけで、マンダラ「個人のための知的生産システムを構成するウェブサービス」を創ることができました。

マンダラは、創ったら読むものなので、次は、《眺め、眺めて、感じとる》をして、このマンダラを読みたいと思います。

ただ、ずいぶんと長くなってしまいましたので、休憩です。続きはまた今度にします。

[続きを書きました。]→マンダラ「個人のための知的生産システムを構成するウェブサービス」を読む

最後に、マンダラを創ることから発見した意味を、いったん整理しておきます。

  • 「Twitter」は、私の知的生産システムにおいて、フローのアウトプットという役割を果たしている。「Twitter」は、私にとって、知的生産システムを構成する重要なウェブサービスである。
  • 「Feedly&Pocket」というフローのインプットと「Kindle」というストックのインプットの間をつないでいるのは、人との関係である。「Reading2.0」的。
  • 「Twitter」というフローのインプットと「WordPress」というストックのアウトプットの間をつないでいるのも、人との関係である。アウトプットプロセスを共有することは、ストックのアウトプットを促進する。
  • 「フロー」と「ストック」は情報の状態の観点からの2分類だけれど、両者の状態をつなぐもののひとつは、人によるフィルター、共有によるフィルターである。

【関連】

段差ラ部で桝目を学ぶ 〜マンダラートに抱いていたネガティブな先入観がひっくり返った話〜

論理の枠組みで思考を導くマンダラートの創り方と読み方(マトリクスと比較する視点から)

マンダラートの技法「四隅マトリクス法」の具体例と説明

マンダラ「個人のための知的生産システムを構成するウェブサービス」を読む

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