『知的生産の技術』の各章を、WorkFlowyの視点から
『知的生産の技術』とWorkFlowyとの関係を考えるため、インターネットやEvernoteを漁っていたら、次の記事に再開しました。
2014年9月に倉下忠憲さんがシゴタノ!に公開された記事です。
この記事は、「受け取って、未来へ手渡す思考の跳躍【書評 梅棹忠夫「知的生産の技術」】 – mojigurui_」がやっていた『知的生産の技術』の各章と現代社会の関連づけを、倉下忠憲さんなりの視点で行ったもの、だそうです。
『知的生産の技術』と現代社会。面白いテーマなので、さっそくやってみました。
すると、案の定といいますか、今の私なりの視点では、すべての章がWorkFlowyと関連づけられました。そこで、この記事のタイトルは、「『知的生産の技術』の各章を、WorkFlowyの視点から」といいます。
さっそく始めます。
目次
1.発見の手帳
『知的生産の技術』の中で、私がいちばん好きなのは、「発見の手帳」です。
今の私の毎日の中で、「発見の手帳」の役割は、WorkFlowyが果たしています。
WorkFlowyで「発見の手帳」(『知的生産の技術』とWorkFlowy)
2.ノートからカードへ
ノートからカードに移行する意義は、ひとつひとつのメモを操作して活用できるようになることにあります。
私の場合、メモをうまく活用できるようになったのは、WorkFlowyを使うようになってからです。
100円ノートで「発見の手帳」メモをしていたときは、書くだけで満足していて、活用したいとも思いませんでした。Evernoteでメモをしていたときは、メモを蓄積してEvernoteを育てることはとても楽しかったのですが、Evernoteに蓄積されたメモを何かに活用する、ということは、あまりうまくいっていませんでした。
WorkFlowyでメモをするようになってから、はじめて、トピックに格納したメモを並べ、組み立て、活用し、文章を書くことができるようになりました。
私にとって、ノートからカードへは、100円ノートやEvernoteからWorkFlowyへの移行に対応しています。
●
倉下さんは、ノートからカードへの意向を、連結されたデータからデータベースへの移行と捉えています。
ノートからカードへの移行は、連結されたデータからデータベースへの移行と捉えてもよいでしょう。
引用元:『知的生産の技術』の各章を、現代の視点から | シゴタノ!
たしかに、この側面はあります。そして、データベースへの移行と捉えるなら、WorkFlowyよりもむしろEvernoteです。でも、私にとってうまく機能する知的生産システムは、実はデータベースではなく、手でトピックを並び替えるシンプルな階層リストだったようです。
3.カードとそのつかいかた
WorkFlowyには、余計なものがなにもありません。シンプルです。
だから、何にでも使えます。
ベースはシンプルで、後は使用者の用途に合わせた使い方ができる。これが、知的生産の記録媒体に求められるスペックです。
引用元:『知的生産の技術』の各章を、現代の視点から | シゴタノ!
まさにこの条件を満たすWorkFlowyは、知的生産のための道具として、一級品です。
4.きりぬきと規格化
「発見の手帳」も抜き書き読書ノートも一日ごとのInboxもブログ原稿も、すべて「トピック」というただひとつの基本単位に格納するWorkFlowyは、規格化を突き詰めています。
5.整理と事務
プロジェクトの相手ごとに「口座」としてのオープンファイルを作り、そのオープンファイルに、その相手と進めるプロジェクトの記録を集約する、というスタイルが説明されています。
特定のプロジェクトのためにWorkFlowyのトピックを立て、WorkFlowyでプロジェクトを進めることと、共通しています。WorkFlowyトピックを共有してプロジェクトを進めると、議論をしながら成果物ができあがっていきます。
6.読書
WorkFlowyで抜き書き読書ノートをするようになって、私の読書ノートは、まったく不満のないものになりました。
WorkFlowyで作った抜き書き読書ノートは、抜き書き読書ノートであって、抜き書き読書ノートではありません。抜き書き読書ノートの枠を超え、ブログ原稿やセミナー資料を作るための素材として、永久に活躍し続けます。まさに、自家薬籠中。
7.ペンからタイプライターへ
広く読めば、道具によって生み出される文章の表記や文体が変わる、という話です。
完成品としての文章の変化でいえば、WorkFlowyで文章を書くようになって、自分が書く文章の表記や文体が変わったのかは、自分ではよくわかりません。しかし、何かしらの変化はあったのではないかと思います。
8.手紙
現時点ではあまり注目されていないのですが、WorkFlowyは、コミュニケーションツールとして、実はかなり優秀です。2人〜10人程度の少人数のプロジェクトを進める際、円滑なコミュニケーションを支えてくれます。
WorkFlowyによるコミュニケーションの面白いところは、個々のコミュニケーションの集積が、自然と、成果物へと昇華されていくプロセスです。
9.日記と記録
私が日記のために使っている道具は、WorkFlowyです。もうすこし正確にいうと、日記のためにWorkFlowyを使っていたら、いつのまにか、日記ではなく、一日ごとのinboxに化けていた、という感じです。
WorkFlowyに日付トピックを作り、一日ごとのinboxにする
朝、これから始まる一日のイメージをWorkFlowyで書き、そのイメージをちらちら見て、適宜修正したり書き込んだりしながら日中を過ごすと、一日の終わりには、あら不思議、日記になっている。これが、WorkFlowyの日記です。
WorkFlowyで日記を書くようになって、日々の記録を残すことが、ますます楽しくなりました。
10.原稿
原稿と印刷という2段の枠組みに、WorkFlowyのリストとして書く原稿と、ハサミスクリプトを通してHTMLやテキストに変換したあとの完成データ、という2段階との共通点を感じました。
WorkFlowyと自分のブログによる知的生産システムと、ハサミスクリプト「WFtoHTML_irodrawEdition」が果たす役割
11.文章
「こざね法」は、そのまんま、WorkFlowyによって書く方法です。
私にとって、WorkFlowyは、要するに、書くための道具です。もともと私の日常の中にあった「書く」という行為を、可能なかぎり全部WorkFlowyにおきかえた結果、WorkFlowyは私の毎日を大きく変えました。
「WorkFlowyによって、私が新しく始めた行動は、何もない。」でも「WorkFlowyによって、私の生活は変わった。」
WorkFlowyによって文章を書くことは、単に論理的な文章を書くための技術ではありません。このあたりのこと、もう少し詳しくは、『アウトライン・プロセッシング入門』をご覧ください。
いちばんうれしいことは、「自由なアウトライン・プロセッシング」が、たくさんの人に開かれること(『アウトライン・プロセッシング入門』を読んだ感想)
なお、WorkFlowyで文章を書くことについては、こんなことも書いてます。
さいごに
『知的生産の技術』を読みながら、私は何度もWorkFlowyとの共通性を感じました。
自分にとって特別な本である『知的生産の技術』と、自分にとって特別な道具であるWorkFlowy。この両者をうまく融合させることができれば、自分の知的生産システムは、次の段階に進めるんじゃないかという気がしています。
[参考]『知的生産の技術』とWorkFlowyに関連する記事
WorkFlowyで「発見の手帳」(『知的生産の技術』とWorkFlowy)
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