「WorkFlowy」と「自分のブログ」と「ハサミスクリプト」(物事を考え続けるための、奇跡のような組み合わせについて)
1.物事を考え続けるための、奇跡のような組み合わせ
私は、今、「WorkFlowy」が大好きです。かれこれ1年以上の間、WorkFlowyに没頭し続けています。これほどまでに、シンプルでありながら自分のニーズへ柔軟に調整できるツールを、私は知りません。WorkFlowyは、私にとって、とてもしっくり来るツールです。私は、WorkFlowyを愛用しています。
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しかし、私がWorkFlowyにしっくりくるものを感じ、WorkFlowyを愛用できている要因は、必ずしも、性格や思考パターンなど、私自身の内面的な要素だけではありません。これらのほかに、WorkFlowyを使い始めた最初の段階から、あるひとつの使い道、それも、WorkFlowyと相性のよい使い道を持っていたことが、かなり大きな要素ではないかと思っています。
このWorkFlowyと相性のよい使い道とは、「自分のブログ」です。
自分のブログは、自分の好きなテーマの文章を、自分の好きな分量と好きなペースで、自分の好きなように書き続けていくことのできる場所です。自分のブログを持てば、自分の好きなテーマをめぐる一連の文章を公開し続けることを通じて、好きなことを好きなように考えていくことができます。私は、自分のブログのこんなところが大好きで、物事を考え続けていくために自分のブログを続けることを、自分なりにとても大切にしてきました。
WorkFlowyを使い始めたとき、私は、WorkFlowyを自分のブログの原稿を書くための環境として使い始めました。すると、これが実にうまく機能しました。WorkFlowyは、自分のブログの原稿を書くための、とても優れた環境だったのです。それまで私はEvernoteをブログ原稿を書くための環境として使っていて、ブログ原稿を書くための環境としてのEvernoteを高く評価していたのですが、WorkFlowyは、Evernoteを超えました。
と同時に、自分のブログという使い道は、WorkFlowyを使うことを助けてくれました。自分のブログという使い道があったからこそ、私は、スムーズにWorkFlowyを使い始めることができ、その後も、WorkFlowyに没頭し続けることができています。
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このように、「WorkFlowy」と「自分のブログ」の組み合わせから、私は大きな相乗効果を受け取っています。しかし、WorkFlowyは、本来、ブログ原稿を書くためのツールではありません。それにもかかわらず、「WorkFlowy」と「自分のブログ」が現に相乗効果を発揮していることには、ひとつの具体的なツールの存在が欠かせません。それが、「ハサミスクリプト」です。
「ハサミスクリプト」とは、WorkFlowyのアウトラインから、WorkFlowyのアウトライン構造を一定のルールで変換し、HTMLやマークダウン形式のテキストデータをExportするプログラムです。WorkFlowyの「ただひとつのアウトライン」という全体から、一定のまとまりを持つ一部分をブログ原稿として切り出す役割を果たすスクリプトなので、私はハサミスクリプトと呼んでいます。
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「WorkFlowy」と「ブログ」と「ハサミスクリプト」。
この3つの組み合わせは、物事を考え続けていくことを、助けてくれます。自分にとっての大切なテーマについて、ある程度長い時間をかけて、いろんな観点や切り口から、継続的に物事を考え続けていくことができます。
自分自身の経験をふり返ると、この3つの組み合わせが発揮する力は奇跡といっても過言ではないんじゃないか、とすら思えてきます。この記事では、この奇跡のような組み合わせが、どのように物事を考え続けることを助けてくれるのか、お話します。
2.「WorkFlowy」「自分のブログ」「ハサミスクリプト」という組み合わせの奇跡
(1) 「自分のブログ」
「自分のブログ」から考えてみます。
「自分のブログ」は、いくつかの条件を満たせば、知的生産を強力に支えてくれます。「自分のブログ」は、優れた知的生産ツールになりうる存在です。
では、「自分のブログ」を優れた知的生産ツールとするには、どのような条件を整える必要があるでしょうか。自分自身の経験から大切だと感じているポイントが、3つあります。
a.ひとつのテーマについての、ひとつのまとまりを持つ文章を、ひとつの記事にする
ひとつめの条件は、「ひとつのテーマについての、ひとつのまとまりを持つ文章を、ひとつの記事にする」ということです。
「自分のブログ」は、「自分の」ブログなので、公開する記事に縛りはありません。でも、「自分のブログ」を知的生産ツールとして使いたいのであれば、「自分のブログ」に公開する記事は、「ひとつのテーマについての、ひとつのまとまりを持つ文章」にすることが望ましいです。
ここで大切なことが、2つあります。
ひとつは、ひとつの記事がひとつのテーマを扱うこと。ひとつの記事が扱うテーマの個数は、ひとつです。ひとつのテーマも扱わない記事は書きませんし、また、ふたつ以上のテーマを扱う記事も書きません。
もうひとつは、ひとつのまとまりを持つ文章として最後まで書き上げること、最後まで書き上げた文章だけをブログに公開することです。もちろん、人間は不完全な存在なので、非の打ち所のない完璧な文章を書き上げることはできません。しかし、不完全であれなんであれ、「この文章を書き上げた」との判断を自分自身で下したときにだけ、ブログ記事として公開します。
b.ひとつひとつの記事によってではなく、一連の記事群を含むブログ全体によって、新しい情報を生み出す
ふたつめの条件は、「ひとつひとつの記事によってではなく、一連の記事群を含むブログ全体によって、新しい情報を生み出す」ということです。
ひとつめの条件は、ひとつの記事を、ひとつのテーマを扱うひとつのまとまりを持つ文章とすることでした。しかし、ひとつのテーマしか盛り込めないとなると、自分が生み出したい情報のすべてをそのひとつの記事の中に盛り込むことができません。では、どうしたらよいでしょうか。
答えは、ひとつひとつの記事によってではなく、一連の記事群によって、新しい情報を生み出すことです。もっといえば、一連の記事群を含む「自分のブログ」全体によって、新しい情報を生み出すことです。
どんな記事であれ、ひとつの記事だけで、自分が書きたいことのすべてを扱うことは、最初から諦めます。「自分のブログ」であれば、記事の個数も、記事を投稿する間隔も自由なのですから、ひとつひとつの記事に盛り込むテーマはひとつに絞って、一連の記事群を含む「自分のブログ」全体によって、自分が本当に表現したいことを、少しずつ表現していくことが大切です。
c.ひとつの文章を書き上げようとする過程で生み出される思考の全体を、そのひとつの文章ではない場所で、受け止める
みっつめの条件は、「ひとつの文章を書き上げようとする過程で生み出される思考の全体を、そのひとつの文章ではない場所で、受け止める」ということです。
「自分のブログ」を知的生産ツールとして活用するには、「文章を書き上げる」ということがとても大切です。「文章を書き上げる」ことに向かって、文章の構成を考えたり、読み直したり、書き直したりする過程で、ごく自然と、たくさんの思考が生まれるためです。
文章を書き上げようとする過程ではたくさんの思考が生み出されるのですが、こうして生み出されるたくさんの思考すべてを、書き上げようとしているその文章の中に盛り込むことは不可能です。ひとつの記事は、ひとつだけのテーマを扱うひとまとまりの文章であることが望ましいところ、ひとつの文章を書き上げようとする過程で自然と生み出される思考は、実に多彩で、とりとめがありません。
そこで、ひとつの文章を書き上げようとする過程で生み出される思考については、そのひとつの文章の中で無理やり受け止めようとするのはやめて、その文章ではない別の場所で受け止めるほうが賢明です。具体的なコツとしては、ひとつの文章を書いているときに生まれた思考を収穫するための仕組みを用意した上で、ブログのための文章を書きます。
(2) 「WorkFlowy」
a.「自分のブログ」を知的生産ツールにするための条件についての難しさ
先ほども書いたとおり、私は、「自分のブログ」を知的生産ツールとして活用するには、次の3つが大切だと思っています。
- ひとつのテーマについての、ひとつのまとまりを持つ文章を、ひとつの記事にする
- ひとつひとつの記事によってではなく、一連の記事群を含むブログ全体によって、新しい情報を生み出す
- ひとつの文章を書き上げようとする過程で生み出される思考の全体を、そのひとつの文章ではない場所で、受け止める
しかし、この3つの条件を整えることは、それほど簡単ではありません。
まず、ひとつめの難しさ。
ひとつのテーマについてのひとつのまとまりを持つ文章を書き上げることは、大変です。時間もかかりますし、エネルギーの持続が求められます。
何かをひらめいた瞬間は、「すてきなことをひらめいた!」という興奮で、文章を書き上げるのはとても簡単に思えるのですが、いざ書き始めてみると、ひとつのまとまりを持つ文章へと書き上げるまでは、大きな産みの苦しみに襲われます。結局、書きかけの状態のままで放置され、いつしかたくさんの書きかけの文章群の中に埋もれてしまう、という状況になりがちです。
次に、ふたつめの難しさ。
一連の記事群を含むブログ全体によって新しい情報を生み出すためには、複数の記事からなる全体構造のようなものが必要です。しかし、複数の記事に全体構造をあたえることは、それほど簡単ではありません。
全体構造を与えるためのひとつめのアプローチは、トップダウンです。最初に全体構造を描き、その後、全体構造における一部分を担う個々の記事をひとつひとつ書いていく、という順番になります。しかし、このアプローチでは、個々の記事を書く途中でだんだん気持ちが冷めてきて、「書きたい」という気持ちがなくなることがあります。そうなると、個々の記事を書くのがつまらなくなって、そのうち息切れしてしまうことが多いように思います。
もうひとつのアプローチは、ボトムアップです。その都度、「書きたい」と思う記事を書いていき、その集積から全体構造を浮かび上がらせるイメージです。しかし、このアプローチでは、ともすれば、その都度場当たり的な記事が生まれるだけで、いつまでたっても全体構造が浮かび上がらない、ということにもなりかねません。
最後に、みっつめの難しさ。
文章を書き上げようとする過程で、何らかの思考を生み出すのは、本当に簡単です。何かをひらめいて、そのひらめきをひとつのまとまった文章へと書き上げようとすれば、その過程で、自然と、たくさんの思考が生まれます。最初のひらめきは凡庸でもかまいませんし、文章を書き上げるための特殊な方法も必要ありません。ただ単に、ひらめいたことをひとつにまとまった文章へと書き上げようとするだけで、ごく自然と、あふれるほどの思考が生まれます。
しかし問題は、こうして生まれた思考をどう扱うかです。書き上げようとしているまさにその文章に盛り込むことはできません。かといって、その文章と別の場所にメモしようとすると、メモするための道具を立ち上げたりするうちに思考が逃げてしまうことがあります。また、どこかにメモしても、メモしたことが散逸してしまえば、結局、どこにも結実しません。
ひとつの文章を書き上げようとする過程で自然と生まれた思考を、その文章とは別の場所で受け止める、という仕組みは、いうは易く、実際に作るのは難しい、という類の仕組みなのです。
b.「WorkFlowy」による解消
さて、ここで、2つめの存在である「WorkFlowy」です。「WorkFlowy」は、「自分のブログ」を優れた知的生産ツールにするための3つの条件を、きれいに整えてくれます。
ひとつひとつ見ていきましょう。
- ひとつのテーマについての、ひとつのまとまりを持つ文章を、ひとつの記事にする
- ひとつひとつの記事によってではなく、一連の記事群を含むブログ全体によって、新しい情報を生み出す
- ひとつの文章を書き上げようとする過程で生み出される思考の全体を、そのひとつの文章ではない場所で、受け止める
(a) ひとつのテーマについての、ひとつのまとまりを持つ文章を、ひとつの記事にする
WorkFlowyで文章を書くと、無理なく文章を書き進めていくことができます。
文章を書くために必要ないくつかの作業行程を、別々に進めることができるからではないかと思います。
- 文章によって表現したい内容を一言で表現する
- 文章によって表現したい内容の意味構造をアウトラインで組み立てる
- 表現するために使えそうなフレーズをメモする
- とりあえず書いてみた文章を読み返す
- 節や文や語句の並び順を入れ替える
- てにをはを整える
WorkFlowyはクラウドサービスなので、いつでも、どこからでも、これらの作業を少しずつ進めていくことができます。作業した結果は、すべてWorkFlowyの中に蓄積され、少しずつ少しずつ積み上がっていきます。
この作業プロセスは、(感傷的な表現ですが、)「文章を育てる」という言葉がぴったりです。
もちろん、WorkFlowyを使っても、ひとつのまとまりを持つ文章を書き上げるには、産みの苦しみが伴います。でも、WorkFlowyで文章を書けば、書けば書いただけ少しは進みます。いつかそのうち時を超えて結実することもありうる、という希望を抱けるのです。
(b) ひとつひとつの記事によってではなく、一連の記事群を含むブログ全体によって、新しい情報を生み出す
WorkFlowyは、プロセス型アウトライナーのひとつなので、トップダウンとボトムアップを往復することが得意です。
WorkFlowyで一連のブログ記事群を書き続けていくと、ブログ記事の中でも、自然と、トップダウンとボトムアップが生まれ、複数のブログ記事にまたがる全体構造を作るのが簡単になります。
トップダウンで複数のブログ記事に全体構造を与えるとは、たとえば、こういうことです。
- WorkFlowy基本5原則の全体構造を描く
- WorkFlowy基本5原則のそれぞれを書く
ボトムアップで複数のブログ記事に全体構造を与えるとは、たとえば、こういうことです。
- 個人の継続的な知的生産について、いくつかのことを書く
- ウェブ時代のセルフブランディングについて、いくつかのことを書く
- ウェブ時代のセルフブランディングと個人の継続的な知的生産を含む全体構造の存在に気づき、全体構造を与える
以前、私は、「単純作業に心を込めて」を『千夜一夜物語』のようなブログにしたい、と書きました。このために、「シャーラザッドがシャーリヤル王に連夜物語を語り聞かせるような、そんな懐の深くて力強いテーマと出会いたい」と書きました。
「単純作業に心を込めて」を、『千夜一夜物語』みたいなブログにしたい。
WorkFlowyですべてのブログ記事を書くようになって1年と少しが経ち、シャーラザッドがシャーリヤル王に連夜物語を語り聞かせるような、そんな懐の深くて力強いテーマが、少しずつ見えてきた気がしています。
(c) ひとつの文章を書き上げようとする過程で生み出される思考の全体を、そのひとつの文章ではない場所で、受け止める
WorkFlowyなら、文章を書き上げようとする過程で自然と生み出された思考を、その文章の中ではない場所で受け止めることが、簡単です。
WorkFlowyで文章を書くなら、そのひとつの文章とは、WorkFlowyの「ただひとつのアウトライン」の中に存在するひとつのトピック(とその子孫トピック)に過ぎません。そのため、Zoom outなどによって別のトピックにZoomするだけで、WorkFlowyの中にいながら、その文章ではない別の場所に、思いついた思考をメモすることができます。
さらにいえば、とりあえずその文章の中にメモをして、後でその文章の外にメモを移動する、という使い方もできます。(参考:「未使用」見出しはどこにいくつ作ってもいい:Word Piece >>by Tak.:So-netブログ)
WorkFlowyのアウトラインはただひとつであり、WorkFlowyはどこからでも共通するひとつのデータを利用できるクラウドサービスなので、WorkFlowyにメモしていれば、自然と、ポケット一つ原則を実現できます。テキストデータに関する理想的なポケット一つ原則を実現する環境が、WorkFlowyです。
(3) 「ハサミスクリプト」
「自分のブログ」は、3つの条件を備えさえすれば、優れた知的生産ツールになります。「WorkFlowy」は、「自分のブログ」が3つの条件を備えることを、強力に支援します。そのため、「WorkFlowy」と「自分のブログ」が組み合わさると、それだけで、理想的な知的生産ツールになります。
しかし、この組み合わせをさらに強化する道具があります。それが、「ハサミスクリプト」です。
では、「ハサミスクリプト」はどのような役割を果たすのでしょうか。順をおって段階的に見ていきます。
a.公開することの意義
「自分のブログ」が優れた知的生産ツールになり得る決定的な要因は、「公開」です。書き上げた文章をウェブに「公開」できるからこそ、「自分のブログ」は、優れた知的生産ツールになります。
「公開」の意義は、3つあります。
まず、知的生産は新しい情報の生産です。新しい情報を社会に追加しなければ、知的生産とは言えません。新しい情報を社会に追加するためには、自分のアナログノートや非公開のEvernoteに情報を作るだけでは足りません。「公開」が必要です。
次に、自分の思考を「公開」すれば、その情報を起点として、何らかのやり取りが始まる可能性があります。公開したブログ記事に対するコメントから意見交換が始まり、新しい物の見方が生まれたり、あるいは新しいアプリの制作に結びつくことだってなくはありません。
最後に、「公開」は、「文章を書き上げる理由」になります。「文章を書き上げること」は、たくさんの時間とエネルギーと力を要求しますから、誰にも読まれない文章を書き上げることはなかなか困難です。でも、書いた文章を「公開」できるのであれば、「誰かに届くかもしれない」という希望が、「文章を書き上げる理由」を与えてくれます。
b.ハサミスクリプトの役割
しかし、「公開」のためには、いくつかのハードルがあります。心理的なハードルもさることながら、私にとって大きく立ちはだかっていたのは、「HTMLタグでブログ記事を構造化することが面倒」というハードルでした。
私の書くブログ記事の多くは、たくさんの見出しを持っています。それも、単に見出しの数が多いだけでなく、大見出しから小見出しまで、たくさんのレベルの見出しを持っています。
たとえば、この記事も、大見出しの「1.物事を考え続けるための、奇跡のような組み合わせ」など、中見出しの「(1) 「自分のブログ」」など、小見出しの「b.ハサミスクリプトの役割」など、もっと小さな見出しの「(b) ひとつひとつの記事によってではなく、一連の記事群を含むブログ全体によって、新しい情報を生み出す」など、少なくとも4段階のレベルの見出しを持っています。
ところで、ブログ記事は、HTMLというマークアップ言語で書かれています。HTMLは、テキストを意味に従ってマークアップすることを基本思想としていて、見出しは見出しとして、h1〜h6というタグでマークアップする必要があります。
そのため、私は、ブログ記事を「公開」するまでに、見出しをhタグでマークアップする、という作業をしなければいけませんでした。苦労してやっとこさ文章を完成させた後、見出しのひとつひとつをちまちまとマークアップする作業はとても疲れてしまい、しばしば不毛さを感じていたものです。
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この問題をきれいさっぱり解消してくれたのが、「ハサミスクリプト」です。「ハサミスクリプト」を使えば、見出しを見出しとして適切に構造化されたHTMLデータを、WorkFlowyから一発で取得できます。見出しを見出しとして手作業でマークアップする作業は、全然必要ありません。
「ハサミスクリプト」は、「公開」のためのHTML化という、私の前に立ちはだかっていた大きなボトルネックを、見事に解消してくれました。
c.ハサミスクリプトによる理念の具体化
少々理念的な話なのですが、「自分のブログ」と「WorkFlowy」には、次のような関係があります。
- 「WorkFlowy」
- (1) 自分の全体を蓄積する「ただひとつのアウトライン」
- 自分の生活の全体・自分が考えることの全体
- 何らかの目的に奉仕するものではない
- 他者に公開するものではない
- (2) ずっと完成しないで変化し続ける
- WorkFlowyの「ただひとつのアウトライン」は、完成することがない
- 流動的に変化し続けるプロセスで、価値を生み出し続ける
- (1) 自分の全体を蓄積する「ただひとつのアウトライン」
- 「自分のブログ」
- (1) 自分の全体(自分の生活全体や自分の思考全体)から、特定のテーマに沿って切り取った一部分を公開する場所
- (2) 投稿されたひとつひとつの記事は、固定される
「WorkFlowy」は、全体を担うツールであり、ずっと完成しないで変化し続けます。
「自分のブログ」は、全体の中で生まれた特定の目的や観点に対応する一部分を継続的に公開するための場所であり、ひとつひとつの記事は暫定的にですが完成していて、変化することなく固定しています。
こんな、「全体」−「一部分」、「変化」−「固定」という対象的な関係が「WorkFlowy」と「自分のブログ」の組み合わせに、存在しています。
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「ハサミスクリプト」は、この両者をつなぎます。
- 「ハサミスクリプト」は、WorkFlowyという全体から、ブログ記事という一部分を切り取る
- 「ハサミスクリプト」は、WorkFlowyからブログ記事を切り出すことで、WorkFlowyの変化からブログ記事を切り離して固定する
それも、HTMLデータを書き出すという具体的な機能によって、具体的につなぎます。
「WorkFlowy」と「自分のブログ」の関係は、いくぶん理念的で机上の空論のきらいもありました。しかし、「ハサミスクリプト」が具体的な機能を果たすことによって、「WorkFlowy」と「自分のブログ」の対象的な関係は、現にうまく機能する仕組みとして、具体化されます。
「ハサミスクリプト」があるからこそ、「自分のブログ」と「WorkFlowy」は、存分にその力を発揮するのです。だから私は、「自分のブログ」「WorkFlowy」「ハサミスクリプト」という3つの組み合わせに、奇跡のようなものを感じています。
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