*

敷居の低いKindleのはじめ方

公開日: : Kindle

1.はじめに

昨年末から、Kindleを利用しはじめました。電子書籍デビューです。

私は、以下のような経緯をたどりました。

まず最初に、Androidスマートフォンで小説を読むところからはじめました。家にいるときは、iPadでKindleの電子書籍を読みました。数冊小説を読んでみて、Kindleでの読書を気に入ったので、本格的にKindleを利用することに決めました。本格的にKindleを活用するなら、物理的なKindleがある方がよいだろうと思い、Kindle Paperwhiteを買いました。Kindle Paperwhiteを買うと、AndroidやiPadで読んでいたときよりも、さらに快適になりました。そしてさらにKindleにどっぷりつかり、今に至ります。

私の経緯からもわかるように、物理的なKindle(Kindle Fire、Kindle Fire HD、Kindle Paperwhite)を買わなくても、Kindleをはじめることは可能です。Amazon.co.jpのアカウントとスマートフォンまたはタブレットがあれば、無料のKindleアプリをインストールすることによって、すぐにでもKindleをはじめることができます。物理的なKindleを買わなくてもはじめることができますので、Kindleをはじめるハードルは、とても低いです。

以下、Kindleに興味を持ちつつも、まだKindleをはじめていない人に向けて、私の経験を踏まえて、敷居の低いKindleのはじめ方をご説明します。

2.Kindleとは

Kindleとは、Amazonが提供している電子書籍サービスです。AmazonはKindleという物理的な製品を提供すると共に、Kindleという電子書籍サービスを展開しています。この物理的なKindleと電子書籍サービスとしてのKindleを区別することが、敷居の低い導入のためには大切なので、少し整理します。

(1) 電子書籍サービスとしてのKindle

Amazon.co.jpは、2012年から、日本で電子書籍サービスを提供しています。このサービスの名前が、Kindleといいます。

Kindleを利用すれば、Amazon.co.jpのKindleストアから、多数の電子書籍を購入することができます。Kindleストアで購入した電子書籍は、物理的な製品としてのKindleで読むことができるほか、AndroidやiOSのKindleアプリからも読むことができます。

(2) 物理的な製品としてのKindle

Amazon.co.jpは、物理的な製品としてのKindleを発売しています。物理的な製品としてのKindleは、電子書籍サービスとしてのKindleで購入したコンテンツを読むことに特化した(といっても、それしかできないわけではありませんが)製品です。

物理的な製品としてのKindleは、2013年1月現在、以下の3つのラインナップです。

a.Kindle Fire

  • 価格:12,800円
  • ディスプレイ:液晶(LCD)
  • 大きさ:189mm×120mm×11.5mm
  • 重さ:400g

b.Kindle Fire HD

  • 価格:15,800円
  • ディスプレイ:液晶(HD LCD)
  • 大きさ:193mm×137mm×10.3mm
  • 重さ:395g

c.Kindle Paperwhite(Wi-Fi)

  • 価格:7,980円
  • ディスプレイ:E-ink
  • 大きさ:169mm×117mm×9.1mm
  • 重さ:213g

いずれも、Amazon.co.jpの他、多くの家電量販店などで買うことができます。

(3) 電子書籍サービスとしてのKindleと物理的な製品としてのKindleの関係

Kindleをはじめる敷居を低くするために重要なことは、電子書籍サービスとしてのKindleを利用するために、物理的な製品としてのKindleは必要ない、ということです。

Kindleストアで購入した電子書籍を読むために必要な物理的製品は、以下の3つのうちの、少なくともひとつです。

  1. Androidスマートフォンまたはタブレット
  2. iPhoneまたはiPad
  3. 物理的な製品としてのKindle

そして、現時点で、物理的なKindleを持っている人は少数派だと思われますが、前二者(Androidスマートフォンまたはタブレット、iPhoneまたはiPad)を持っている人は、多数派だろうと思います。

つまり、多くの人は、Kindleを利用するためにわざわざ何かを購入しなくても、Kindleをはじめることができる、ということです。

3.敷居の低いKindleのはじめ方

(0) Amazon.co.jpのアカウントを用意する

Kindleは、Amazon.co.jpのアカウントで利用することができます。Amazon.co.jpで本(物理的な本)などを購入するときに使うアカウントで、そのまま、Kindleを利用することができます。

Amazon.co.jpのアカウントを持っていない場合は、作成する必要があります。無料アカウントで十分です。

(1) 手持ちのスマートフォンなどにKindleアプリをインストールする

Kindleをはじめるとしても、最初から物理的な製品としてのKindleを購入する必要はありません。また、そうしない方がよいと思います。物理的な製品としてのKindleは、Kindleサービスとの相性がよかった人が、さらにKindleを活用するために入手する道具、として位置づけておくのがよいと思います。

ですから、Kindleをはじめるときに、最初にするのは、手持ちのスマートフォンなどに、Kindleアプリをインストールすることです。

Kindleアプリは、AndroidにもiOSにも用意されています。もちろん無料です。

Kindleアプリをインストールしたら、Amazon.co.jpのアカウントを入力します。

これでKindleを利用する準備は整いました。

(2) Kindleストアで電子書籍を購入し、読む

Kindleで読む電子書籍を入手するのは、Kindleストアです。自分で自炊するという方法もなくはないですが、敷居が高いので、おすすめしません。

AndroidのKindleアプリからなら、アプリからKindleストアにアクセスし、その場で購入することができます。

すばらしいことに、Kindleストアには、豊富な無料本があります。有料の本を購入することにためらいを感じるのであれば、最初は、無料本をいくつか購入してみることをおすすめします。(『こころ』や『人間失格』なんかは、今読んでもおもしろいです。)

(3) 物理的な製品としてのKindleを購入する

スマートフォンのKindleアプリから何冊かの電子書籍を読めば、自分とKindleとの相性がわかります。この段階で、書籍っていいじゃないか、と感じたら、次に、物理的な製品としてのKindleを購入することをおすすめします。

(この段階で、やっぱり本は紙だよと思ったら、それ以上進む必要はないと思います。)

私は、物理的な製品としてのKindleの中から、Kindle Paperwhiteを洗濯しました。理由は以下の通りです。

a.目にかかる負荷が低い

何よりもまず、目にかかる負荷が低いことが魅力です。

Kindleを使い始めて数週間で、スマートフォンのKindleアプリから小説を10冊ほど読んだのですが、スマートフォンの液晶で電子書籍を読むことは目にかかる負担が大きい、と感じました。文字サイズや背景色などを調整して、できる限り目にかかる負担が少なくなるように工夫しましたが、やはり限界があります。

これに対して、Kindle Paperwhiteのディスプレイは、E-inkです。目にかかる負担は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイと比べて、格段に軽減されます。

b.バッテリー長持ち

Kindle Paperwhiteは、バッテリー長持ちです。通信をオフにしておけば、8週間持つそうです。

これに対して、Kindle Fire・Kindle Fire HDは、連続8.5時間、連続11時間です。

レベルがちがいます。

c.軽くて小さい

Kindle Paperwhiteは、軽くて小さいです。

読書は長時間に及びます。持っているだけで疲れてしまう道具は、好ましくありません。(この点で、iPadによる読書は若干厳しいです。)

また、Kindleでの読書は、いろいろな場所と状況でできることが強みです。この点で、スマートフォンは大変便利なのですが、スマートフォンと匹敵するほどの携帯性を追求するためには、重さだけでなく、小ささも大切です。

Kindle Paperwhiteの大きさなら、コートのポケットにも入りますので、持ち運びがとても楽です。

d.iPadやNexus 7との棲み分け

Kindle Fire/Kindle Fire HDのいいところは、カラー液晶でマルチメディア対応だと言うことだと思います。

しかし、電子書籍を読むこと以外の用途なら、私はすでにiPadを持っていますし、Nexus 7もいいなあと思っています。

Kindle Fire/Kindle Fire HDは、Androidベースだとは言え、Amazon用にカスタマイズされているため、Google Playを使うこともできないため、Kindle以外の用途に使うには、ちょっと使い勝手が悪そうです。

4.おわりに

Kindleをはじめるために必要なコストは、ほとんどありません。

物理的な製品としてのKindleを利用しないなら、お金を払って新たに用意すべきものはありません。無料アプリをインストールするだけです。

アプリの操作も簡単なので、難しい操作を覚える必要もありません。

興味を持ったら、とりあえず一度試してみるとよいのではないかと思います。

スポンサードリンク

関連記事

no image

Kindle Paperwhiteは、買いです。とてもいいところと、ちょっとだけいまいちなところ。

1.もっぱらKindle Paperwhiteによる、私のKindleライフ すっかりKindle

記事を読む

no image

本を、「思考する場所」として捉える

1.「本は読者と作者が一堂に会する場所となる」 (1) 『本は死なない』の予言 『本は死なない

記事を読む

no image

WorkFlowyにKindleのURLを書いて、「読書ノート」を育てる

1.前提知識 (1) WorkFlowyに関する前提知識 a.WorkFlowyは、「読書ノート」と

記事を読む

no image

Kindleが、本棚のスペースというボトルネックを、解消した

1.読書における、本棚というボトルネックについて (1) 本は、買って読むもの、という感覚 小さ

記事を読む

no image

Kindle Paperwhite Wi-Fiを持っていたけれど、Kindle Paperwhite 3Gを買い足した理由

1.Kindleで文字中心の電子書籍を読むなら、Kindle Paperwhiteがいい Kindl

記事を読む

no image

Kindleの「ハイライト」「メモ」「共有」の基本を整理する

1.「ハイライト」「メモ」「共有」は、Kindle読書の基礎ツール 紙の本を読むとき、私は、三色ボー

記事を読む

no image

Kindleが、電車やスタバを、書斎にする

1.はじめに 以前、私は、電子書籍に懐疑的でした。読書は紙じゃなくちゃ、と思っていました。紙の方が

記事を読む

no image

新しいKindle Paperwhiteは、基本性能を重視した堅実なバージョンアップ

1.新しいKindle Paperwhiteが、発表&予約開始 2013/09/04、Ama

記事を読む

no image

Kindleのいいところを活かすために、4つのエリアのKindle本をそろえる

1.Kindleのいいところを活かすために、本のバランスを整える (1) Kindleのいいところ

記事を読む

no image

Kindleのハイライト箇所をテキストでEvernoteに取り込み、読書のアウトプットを促す(kindle.amazon.co.jp)

1.Kindleを気に入っている2つのポイント 私がKindleを気に入っているポイントは、ざっく

記事を読む

スポンサードリンク

スポンサードリンク

no image
お待たせしました! オフライン対応&起動高速化のHandyFlowy Ver.1.5(iOS)

お待たせしました! なんと、ついに、できちゃいました。オフライン対応&

no image
「ハサミスクリプト for MarsEdit irodrawEdition」をキーボードから使うための導入準備(Mac)

諸事情により、Macの環境を再度設定しています。 ブログ関係の最重要は

no image
AI・BI・PI・BC

AI 『〈インターネット〉の次に来るもの 未来を決める12の法則』を読

no image
[『サピエンス全史』を起点に考える]「それは、サピエンス全体に存在する協力を増やすか?」という評価基準

1.「社会派」に対する私の不信感 (1) 「実存派」と「社会派」 哲学

no image
[『サピエンス全史』を起点に考える]サピエンス全体に存在する協力の量と質は、どのように増えていくのか?

『サピエンス全史』は、大勢で柔軟に協力することがサピエンスの強みだと指

→もっと見る

  • irodraw
    彩郎 @irodraw 
    子育てに没頭中のワーキングパパです。1980年代生まれ、愛知県在住。 好きなことは、子育て、読書、ブログ、家事、デジタルツールいじり。
    このブログは、毎日の暮らしに彩りを加えるために、どんな知恵や情報やデジタルツールがどのように役に立つのか、私が、いろいろと試行錯誤した過程と結果を、形にして発信して蓄積する場です。
    連絡先:irodrawあっとまーくtjsg-kokoro.com

    feedlyへの登録はこちら
    follow us in feedly

    RSSはこちら

    Google+ページ

    Facebookページ

PAGE TOP ↑