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Kindleのいいところを活かすために、4つのエリアのKindle本をそろえる

公開日: : Kindle

1.Kindleのいいところを活かすために、本のバランスを整える

(1) Kindleのいいところは、同時にたくさんの本を持ち歩くことができること

Kindleのいいところは、同時にたくさんの本を持ち歩くことができることです。

紙の本は、重さと体積を持っていますので、同時に持ち歩くことができる本の数は限られます。

これに対して、Kindle本であれば、重さも体積も持たないので、持ち歩くことができる冊数には、ほとんど限度がありません。

(2) そのときの気分にうまく合う本を読むことができる

同時にたくさんの本を持ち歩くことができるメリットは、そのときの気分にうまく合う本を読むことができるところにあります。

読書という行為から得られるものは、そのときの気分にうまく合う本を読むかどうかで、大きく変わります。そのときの気分にうまく合う本を読めば、本に集中しやすく、たくさんのおもしろさを感じたり、たくさんの発想を得たりできます。しかし、そのときの気分に合わない本を読んでも、なかなか集中できないため、おもしろさも今ひとつで、得るものも少ない、ということになりがちです。

しかし、1冊しか本の手持ちがなければ、選択肢は、その本を読むか、読まないか、だけです。その1冊の本が、そのときの気分にうまく合う本であれば幸運ですが、そうではないこともあります。

これに対して、同時にたくさんの本を持ち歩けば、そのときの気分にうまく合う1冊と出会える可能性が、飛躍的に高まります。

(3) 本のバランスを整える

とはいえ、Kindleで持ち歩く本を似たようなもので固めると、Kindleの中にたくさんの本はあれど、どの本も今の自分の気分とうまく合わない、ということになってしまいます。ですから、Kindleの中に入れる本を選ぶときには、本のバランスを整える、という意識が大切ではないかと思います。

どんな気分になっても、そのときの気分とうまく合う本がKindleの中にある、という状態を作ることが大切です。

2.ふたつの軸から構成される4つのエリア

(1) ふたつの軸

バランスを整えるためには、なんらかの基準で本を分類して、その分類に従って、まんべんなく本をそろえるのがよいと思います。

ここでの分類の目的は、どんな気分になっても、そのときの気分とうまく合う本をバランスよくそろえる、ということです。ですから、どんな本を読みたい気分になるか、ということを反映する分類にする必要があります。

気分のための分類なので、人によって違うと思いますが、私の場合は、以下の2つの軸で、4つのエリアに分類するとよいのではないかと考えています。

a.小説か否か

1つめの軸は、小説か否かという軸です。

小説を読みたいときと、小説ではない何かを読みたいときとは、気分が異なります。小説を読みたいときに小説ではない何かを読む気にはならないですし、逆もまた然りです。

b.我慢強さを要求するか否か

2つめの軸は、我慢強さを要求するか否か、という軸です。

本の中には、読み進めるために我慢強さを要求するものがあります。少なくとも、私にとっては、そうです。

読書は趣味なのだから、我慢しなければ読めないような本を読む必要はない、というのも、一理あります。しかし、我慢強く読み続けた先に待っているよろこびというものが、存在するような気がします。我慢強く読み続けることによって、少しずつその本の魅力が分かってくる、ということは、たくさん存在するはずです。

私の場合、我慢強く読み進めたい、という気分のときが、確かに存在します。ですから、我慢強さを要求するか、という軸が有用です。

(2) 4つのエリアそれぞれ

以上の2つの軸で、4つのエリアを区切ることができます。本をこれら4つのエリアにマッピングして、4つのエリアの本をまんべんなくそろえておくと、どんな気分にも対応できるKindleができあがるのではないかと思います。

a.我慢強さを要求する小説

我慢強さを要求する小説として私がイメージするのは、文学作品です。ドストエフスキーやバルザック、夏目漱石や太宰治といった、古典小説。あるいは、カズオイシグロとか村上春樹のように、じっくり味わって読みたい小説です。

村上春樹や夏目漱石は、読みやすいので、我慢強くなくてもすいすい読めますが、自分を落ち着かせて、じっくり味わいながら読みたい小説が、このエリアにマッピングされます。

b.我慢強さを要求しない小説

我慢強さを要求しない小説として私がイメージするのは、直木賞系の小説です。伊坂幸太郎や宮部みゆきな。

ストーリーに引っ張られてどんどん先に進んでいきたくなる小説です。

c.我慢強さを要求する非小説

我慢強さを要求する非小説は、専門書や、心理学や哲学の解説本などです。

岩波文庫に収録されている古典なども、我慢強さを要求する非小説にマッピングしてよいと思います。

d.我慢強さを要求しない非小説

エッセイや実用書などは、我慢強くなくても読めるものが多いので、我慢強さを要求しない非小説にマッピングします。

3.Kindleストアは、一応、4つのエリアを網羅している

4つのエリアを意識してKindleストアを眺めてみると、Kindleストアの品揃えには、おおむね、以下のような傾向があるように思います。

(1) 青空文庫によって、昔ながらの、我慢強さを要求する系は、強い

いわゆる古典作品の多くは、我慢強さを要求するエリアにマッピングされます。そして、古典作品の多く、特に日本の古典作品の多くは、青空文庫に収録されています。

Kindleストアには、青空文庫収録作品が無料で並んでいますので、昔からある、我慢強さを要求する系は、強いです。

(2) 最近の、我慢強さを要求しない系も、けっこう豊富

Kindleストアの販売ランキングを見ると、エンターテイメント小説と実用書が豊富です。特に、最近出版された本の多くが、Kindle本になっています。

Kindleストアは、最近出版された、我慢強さを要求しない系の本も、強いです。

(3) 何でもあるわけではないけれど、4つのエリアはカバーしている

2013年1月現在、Kindleストアの品揃えは、完全無欠ではありません。カズオイシグロはあるけれど村上春樹はないです。伊坂幸太郎の『チルドレン』はあっても、『終末のフール』はありません。

しかし、Kindleストアの品揃えは、4つのエリア全部をカバーしています。どのエリアにも、たくさんの本があります。

どんな気分になってもその気分に合う本がある、という状態を実現するためなら、Kindleストアの品揃えは、十分合格ラインだと思います。

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