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MemoFlowyが「WorkFlowy版WriteNote」へと育つまでの経緯

公開日: : WorkFlowy

1.はじめに

先日公開となったMemoFlowyのバージョンアップ(iOS版Ver.1.4・Android版Ver.1.1)に対しては、たくさんの皆様から、すてきなコメントを多数いただきました。開発チーム一同、うれしく思っています。ありがとうございます。

MemoFlowyの制作は、「WorkFlowyにさっとテキストメモを送信できるアプリが欲しい」という要望から始まりました。

ぱっとアプリを開き、軽快にテキストメモを作成して、WorkFlowyに送信することだけに特化した、WorkFlowy用のテキスト投稿アプリ。Evernoteにはたくさん存在するこんなアプリがWorkFlowyにもあれば便利なんじゃないか、という素朴な思いつきです。

MemoFlowy制作者の山本道成さんはWriteNoteというEvernote用の投稿アプリを作成しているのですが、MemoFlowyは、当初から、「WorkFlowy版WriteNote」を目指して誕生したアプリだといえます。

でも、WorkFlowyはAPIを公開していません。外部アプリからWorkFlowyへ直接テキストを追加する方法がなかなか見つからなかったため、EvernoteにおけるWriteNote(やPostEver、FastEver)のような機能を実現することがなかなかできず、「WorkFlowyでは、こんなシンプルなアプリを作ることも不可能なのかなあ」と、ほとんど諦めていたほどでした。

ですが今回のバージョンアップで、MemoFlowyは、メモ入力画面からWorkFlowyへの直接追加機能を獲得しました。ぱっとアプリを開き、さっとメモを書いて、ぽんと送信すると、WorkFlowyのトピックにテキストメモを放り込むことができます。不可能とすら思えた壁を打ち破り、ついに、MemoFlowyは、「WorkFlowy版WriteNote」「WorkFlowy版PostEver」「WorkFlowy版FastEver」のような存在になりました。

MemoFlowyは、これからも成長し続けるはずです。でも、今回のバージョンは、MemoFlowyが「WorkFlowy版WriteNote」にまで育ったという意味で、ひとつの区切りです。この段階で、2015年9月から2016年6月までの経緯をふり返ってみます。

2.MemoFlowyが「WorkFlowy版WriteNote」へと育つまでの経緯

(1) 開発スタート〜MemoFlowy公開まで[2015.09〜2015.12]

開発スタートからMemoFlowy公開までの経緯は、以前、次の記事にまとめました。

MemoFlowyへと合流したふたつの流れについて(MemoFlowy開発チーム誕生の経緯)

かいつまんで書くと、

  • ひとつのブログ記事に対する1通のメール[2015.09]
  • 「HandyFlowy」の誕生[2015.09]
    • スマートフォン版WorkFlowy専用クライアントアプリとして、成長を始める
  • 開発チーム結成と「MemoFlowy」の派生[2015.10]
    • 段差ラ部を中心に、開発チーム結成
    • テキストメモ送信に特化したアプリとして、MemoFlowyを独立したアプリに
  • MemoFlowy for iOSの公開[2015.12]

こんな流れです。

(2) MemoFlowy公開と着実な改善[2015.12〜2016.01]

a.MemoFlowy for iOS Ver.1.0の公開

2015年12月3日、MemoFlowy for iOSのVer.1.0が公開されました。

MemoFlowy(iOS版)、本日(2015-12-03)公開です!

当初公開されたMemoFlowy for iOS Ver.1.0は、「メモ入力画面」からテキストメモを書き、「WorkFlowy画面」から手動でペーストするという枠組みを持つ、ある意味、力技のアプリです。「だったらMemoFlowyを使う意味はどこにあるの?」というつっこみも予想されますし、現にそう感じた方も多かったのではないかと思います。

ですが、こんなMemoFlowyの枠組みに、新しい意味を発見してくださる方も現れました。

b.MemoFlowy for iOS Ver.1.1の公開

Ver.1.0公開後、ユーザーの方からいただいた要望などを受けて、MemoFlowyは着実に改善していきました。

2016年1月8日のMemoFlowy for iOS Ver.1.2では、URLスキーム、iCloud同期、見た目のカスタマイズといった機能を備えました。

MemoFlowyバージョンアップのお知らせ(ver.1.1)

c.MemoFlowy for Android公開

2016年1月22日には、MemoFlowy for AndroidのVer.1.0が公開されました。

MemoFlowy ( WorkFlowy専用メモアプリ ) – Google Play の Android アプリ

(3) HandyFlowy開発&公開によるMemoFlowyの進化[2016.01〜2016.03]

a.JavaScriptによるWorkFlowy操作

MemoFlowyが公開され、堅実な進化を遂げる間も、HandyFlowyの開発が粛々と進められていました。

HandyFlowy開発にはいくつかの大きなブレイクスルーがあるのですが、このうちのひとつが、マロ。さんによるこのブックマークレット(JavaScript)の発見です。

WorkFlowyのモバイル環境でトピック移動のアシストボタンをつけるbookmarklet|マロ。|note

ポイントは、トピック移動やZoomといったWorkFlowy自体の操作を、JavaScriptによって実現する道を開いたことにあります。この発見によってHandyFlowyは異次元の進化を遂げたのですが、その後のMemoFlowyも、この恩恵を受けています。

b.HandyFlowy for iOS Ver.1.0

HandyFlowyは、2016年2月16日に、iOS版のVer.1.0が公開されました。

HandyFlowy、本日(2016-02-16)、公開です。どんな役割を果たすアプリなのか、全体像を紹介します。

HandyFlowy公開後、これまたたくさんの方から多くの有益なアドバイスをいただきました。

なかでも、WorkFlowy公式ブログにもたびたび登場するFrank DegenaarさんとRawbytzさんによって提案されたカスタマイズツールバーのアイデアは、HandyFlowyの使い勝手を大幅に上げました。

c.MemoFlowyとHandyFlowyの相乗効果(MemoFlowy for iOS Ver.1.2)

HandyFlowy開発を通じて得た知見によって、MemoFlowyのWorkFlowy画面が大きく進化しました。2016年3月24日に公開となったMemoFlowy for iOS Ver.1.2です。

MemoFlowy ver.1.2のまとめと、HandyFlowyとMemoFlowyの相乗効果

(4) ペースト機能の完成[2016.03〜2016.06]

a.「#ただしペーストは除く」から「#ただしペーストは1行のみ」へ

マロ。さんは、WorkFlowyのトピック操作のためのJavaScriptを発見しました。この発見が、HandyFlowyの豊富な機能の多くを担っています。でも、ペーストだけは別でした。当初はペーストのコードを発見できず、そのため、HandyFlowyのキャッチフレーズが「#ただしペーストは除く」だったほどです。

しかし、2016年3月公開のMemoFlowy for iOS Ver.1.2で、前に進みました。1行のデータ限定ではありましたが、「#ただしペーストは除く」から「#ただしペーストは1行のみ」への、小さいけれど大きな一歩を踏み出したのです。

「#ただしペーストは除く」から「#ただしペーストは1行のみ」へ/MemoFlowy ver.1.2の小さいけれど大きな一歩

b.ペースト機能の完成

マロ。さんと山本道成さんは、その後、着実に、ペースト機能を充実させました。

たくさんの苦労の末、ついに、(行頭スペースを階層構造に反映させることなども含め、)複数行ペーストを実現したのです。

2016年5月2日公開の、MemoFlowy for iOS Ver.1.3のことでした。

(5) そして、「WorkFlowy版WriteNote」へ

複数行ペーストに対応できたことによって、MemoFlowyを「WorkFlowy版WriteNote」へと育てるまであと少しのところまで来ました。残るは、WorkFlowy画面に切り替えることなく、直接メモ入力画面からWorkFlowyにペーストできるようにするだけです。

アウトライン読み込み時間というWorkFlowy特有の問題に対処し、オフライン時や送信失敗時の対策を済ませ、ついに、メモ入力画面からの直接追加機能を備えました。

こうして、MemoFlowyは、「WorkFlowy版WriteNote」へと育ったのです。

3.おわりに

MemoFlowyが「WorkFlowy版WriteNote」へと育つまでの経緯を概観して思うことは、「作品」という形を与えて公開することの大切さです。

最初に公開したMemoFlowy for iOS Ver.1.0は、「WorkFlowy版WriteNoteがほしい」という当初の願望からすれば、全然足りないアプリでした。それでも、私たちは、このアプリに価値を見出す誰かがいるはずだと信じ、ひとつの「作品」という形にまで育て、誰もが使える場所に公開しました。結果、MemoFlowyは多くの方に届き、このことが、その後、MemoFlowyが育つ原動力となりました。

これに対して、もし、「まだペースト機能見つかっていないし、公開するのは時期尚早だ」と考えて、Ver.1.0を公開していなかったら、どうでしょう。ひょっとすると、今でもペースト機能にたどり着いていなかったかもしれません。

完璧かといえばそういうわけでもなかったVer.1.0ですが、それでもその可能性を信じ、「作品」という形を与えて公開したからこそ、MemoFlowyは「WorkFlowy版WriteNote」へと育ちました。ここには、なんだかとてもワクワクするものがあるような気がします。

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