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WorkFlowyに『「超」整理法』の時間順原則を取り入れるための、「WorkFlowy押下げトピック法」試案

公開日: : WorkFlowy, 知的生産

1.課題:WorkFlowyに『「超」整理法』の考え方を取り入れるために、どんなトピック構造&トピック移動ルールを設定するとよいか?

(1) しっくりくるWorkFlowyに求める機能は「トピックを更新時順に並べて表示」

WorkFlowyは、私にとって、「しっくりくる」ツールです。WorkFlowyの「しっくりくる」感は、圧倒的で、ひょっとすると、これまでに使ったことのある数多くのアプリケーションやクラウドサービスの中で、第1位の「しっくりくる」感かもしれません。

しっくりくるWorkFlowyに対しては、基本的に、ぜんぜん不満を抱いていません。でも、「これができればいいのにな」ということは、いくつかあります。その中でわりと大きいのは、「トピックを更新時順に並べて表示」する機能です。

「トピックを更新時順に並べて表示」機能とは、たとえばこんなトピックがあったとして、

  • トピック1(更新日:2015/02/24)
  • トピック2(更新日:2014/02/25)
  • トピック3(更新日:2014/12/11)
  • トピック4(更新日:2014/11/15)

この機能を実行すると、こんなふうにトピックが並び替わる、という機能です。

  • トピック1(更新日:2015/02/24)
  • トピック3(更新日:2014/12/11)
  • トピック4(更新日:2014/11/15)
  • トピック2(更新日:2014/02/25)

(2) なぜ、「トピックを更新時順に並べて表示」機能を求めるのか?

なぜ、私は、WorkFlowyに、「トピックを更新時順に並べて表示」機能を求めるのでしょうか。それは、WorkFlowyによる「大量の書きかけの文章群全体の管理」に、時間順原則を取り入れるためです。

時間順原則とは、『「超」整理法』の2大基本原則のうちの1つです。『「超」整理法』というと、押出しファイリングが有名ですが、この押出しファイリングという具体的な方法の背後には、次の2つの基本原則が存在しています。

  • ポケット一つ原則
  • 時間順原則

「超」整理法で重要なのは、「ポケット一つ原則」と「時間順原則」という二つの原則だけである。あとは些細なことだ。location 1000『「超」整理法』

この『「超」整理法』の2大基本原則は、とても強力です。最初に読んだ大学生のころ、押出しファイリングを実践してみて、その威力にびっくりしました。今では私は押出しファイリングは使っていませんが、私の情報処理は、根本をたどれば、すべてこの2大基本原則に行き着きます。

原則さえきちんと把握していれば、具体的な方法は、個人個人の事情に合わせて、見いだしてゆくことができる。location 1002『「超」整理法』

さて、この『「超」整理法』の2大基本原則は、「大量の書きかけの文章群全体の管理」のために、大きな力を発揮します。

  • ポケット一つ原則
    • 書きかけのテキストデータが、すべて一つの場所にある。
    • その場所に行きさえすれば、すべての書きかけの文章があるので、「今、あの文章の続きを書きたいのに、書きかけのデータが手元にないから、書けない!」という事態が発生しない。
  • 時間順原則
    • 最近、手を入れた文章が、もっともアクセスしやすい場所に存在している。
    • 今、書きたいと思う文章の多くは、最近、ちょっとでも手を入れた文章。最近手を入れた文章へのアクセスがよければ、書きかけの文章群全体に対する平均アクセスタイムが、かなり減る。

この観点からWorkFlowyを眺めると、次のように、ポケット一つ原則は(テキストデータに関するかぎり)完璧なのですが、時間順原則は課題を残しています。

もしも、WorkFlowyに、「トピックを更新時順に並べて表示」機能があれば、WorkFlowyは、時間順原則でも、完璧になります。

そのため私は、WorkFlowyにに「トピックを更新時順に並べて表示」機能があったらよいのにな、と考えています。

(3) 今の私にできること=トピック構造&トピック移動ルール

WorkFlowyは日々進化するクラウドサービスなので、「トピックを更新時順に並べて表示する」機能は、そのうちやってくるかもしれません。また、今後、WorkFlowyのAPIが公開されれば、いろんな解決策が出てくるかもしれません。

でも、これらは私の影響の輪の外側にある事柄なので、考えていても仕方ありません。とりあえず私は、今の私の影響の輪の内側のことを考えることにします。

そこで、私の課題は「WorkFlowyに時間順原則を取り入れるには、どうしたらよいのか?」です。これなら、「自分のWorkFlowyを育てる」ことの一環として、いろいろ試行錯誤できそうです。

試行錯誤の方向性としては、次のようなものが考えられそうです。

  • 1.WorkFlowy自体の機能を活用する方向
    • 1-1.トピックの立て方や使い方を工夫する
    • 1-2.タグ、URL、検索、スターなどの使い方を工夫する
  • 2.「WorkFlowy専用Firefox」を活用する方向
    • 2-1.ブックマーク機能や履歴機能の使い方を工夫する
    • 2−2.アドオンを使う

このうち、以下では、『「超」整理法』の押出しファイリングの仕組みを参考に、1-1.WorkFlowy自体の機能を活用する方向のうち、トピックの立て方や使い方を工夫する方向を掘り下げてみます。

2.解法:「WorkFlowy押下げトピック法」

今回、試案として考えたのは、こんなトピック構造&トピック移動ルールです。

『「超」整理法』の押出しファイリングに、かなりの影響を受けています。長い間放置されるトピックを押し下げていくので、「WorkFlowy押下げトピック法」と名付けてみました。

(1) 「WorkFlowy押下げトピック法」の基本ルール

a.Home直下に、「有機体から切り取られた暫定的な作品群」と「ずっと完成しないで変化し続ける有機体」の2つのトピックを作る

まず、WorkFlowyのHomeに、次の2つのトピックを、2つ連続で作ります。

  • Home
    • 「有機体から切り取られた暫定的な作品群」
    • 「ずっと完成しないで変化し続ける有機体」

「有機体から切り取られた暫定的な作品群」は、とりあえず書き上げた文章を格納するトピックで、「ずっと完成しないで変化し続ける有機体」は、書きかけの文章を格納するトピックです。

b.書きかけの文章は、ひとつの文章を1トピックの下に入れて、「ずっと完成しないで変化し続ける有機体」トピックの直下に置く

書きかけの文章は、全部「ずっと完成しないで変化し続ける有機体」トピックの直下に置きます。内容によって分類したりせずに、ひとつの文章になりそうなものは、「ずっと完成しないで変化し続ける有機体」トピックの直下に置きます。

  • Home
    • 「有機体から切り取られた暫定的な作品群」
    • 「ずっと完成しないで変化し続ける有機体」
      • Toodledoと子育てに関する書きかけの文章
      • WorkFlowyとセミナーに関する書きかけの文章
      • Evernoteに関する書きかけの文章
      • WorkFlowyを使った教育に関する書きかけの文章

c.新しく文章を書き始めるときは、「ずっと完成しないで変化し続ける有機体」の一番最初にトピックを立てる

新しく文章を書き始めるときは、「ずっと完成しないで変化し続ける有機体」の一番最初に、新しいトピックを立てます。

たとえば、「知的生産とTwitterの関係」についての文章を書き始めたら、その文章のトピックは、こうなります。

  • Home
    • 「有機体から切り取られた暫定的な作品群」
    • 「ずっと完成しないで変化し続ける有機体」
      • 知的生産とTwitterの関係に関する文章
      • Toodledoと子育てに関する書きかけの文章
      • WorkFlowyとセミナーに関する書きかけの文章
      • Evernoteに関する書きかけの文章
      • WorkFlowyを使った教育に関する書きかけの文章

「ずっと完成しないで変化し続ける有機体」の一番最初にトピックを立てるのは、カーソルを「ずっと完成しないで変化し続ける有機体」の後ろに持ってきてReturnキーを押すだけなので、簡単です。

d.書きかけの文章に手を加えたら、その文章のトピックを、「ずっと完成しないで変化し続ける有機体」トピックの最初まで移動する

「ずっと完成しないで変化し続ける有機体」トピックの中にある文章に手を加えたら、そのトピックを、「ずっと完成しないで変化し続ける有機体」トピックの最初に移動します。

たとえば、「Toodledoと子育てに関する書きかけの文章」に手を加えたら、こうなります。

  • Home
    • 「有機体から切り取られた暫定的な作品群」
    • 「ずっと完成しないで変化し続ける有機体」
      • Toodledoと子育てに関する書きかけの文章
      • 知的生産とTwitterの関係に関する文章
      • WorkFlowyとセミナーに関する書きかけの文章
      • Evernoteに関する書きかけの文章
      • WorkFlowyを使った教育に関する書きかけの文章

「ずっと完成しないで変化し続ける有機体」トピックにZoomした状態で、書きかけトピックにカーソルを合わせて、キーボードショートカット「Control+Shift+↑」(Mac)または「Shift+Alt+↑」(Windows)を押し続けるだけなので、簡単です。

e.文章を書き上げて成果物を作ったら、「有機体から切り取られた暫定的な作品群」トピックの直下へ移動する

文章を書き上げて、成果物としてアウトプットできたら、その文章のトピックを、「有機体から切り取られた暫定的な作品群」トピックの直下に移動します。

たとえば、「WorkFlowyとセミナーに関する書きかけの文章」を完成させて、ブログに公開することができたら、暫定的な作品群として切り取ることができたわけなので、「有機体から切り取られた暫定的な作品群」トピックに移動します。

その結果、こうなります。

  • Home
    • 「有機体から切り取られた暫定的な作品群」
      • WorkFlowyとセミナーに関する書きかけの文章
    • 「ずっと完成しないで変化し続ける有機体」
      • Toodledoと子育てに関する書きかけの文章
      • 知的生産とTwitterの関係に関する文章
      • Evernoteに関する書きかけの文章
      • WorkFlowyを使った教育に関する書きかけの文章

WorkFlowyのトピックの移動は、親トピックの壁を突き抜けて進みますので、Home画面で、先ほど書いたキーボードショートカットを使えば、簡単に移動が可能です。

(2) トピックの押下げが機能するメカニズム 

「WorkFlowyトピック押下げ法」を続けていくと、「ずっと完成しないで変化し続ける有機体」と「有機体から切り取られた暫定的な作品群」の中は、こんな状態になります。

  • 「ずっと完成しないで変化し続ける有機体」トピック
    • 上の方に、最近手を加えた書きかけの文章のトピックが並ぶ
    • しばらくのあいだ手を加えられていない文章のトピックは、だんだんと下の方に押下げられていく
  • 「有機体から切り取られた暫定的な作品群」トピック
    • 暫定的な作品群が並ぶ
    • 上が古く、下が新しい

そこで、いちばんアクセスが必要であろうトピックは、「ずっと完成しないで変化し続ける有機体」の上の方(最初の方)に固まってくるはずです。

また、新たな発想を得たいときは、「ずっと完成しないで変化し続ける有機体」を上から下にたどって、適宜、しばらくのあいだ放置していたトピックに手を加えれば、有機体を耕すことができます。

さらに、これまでに切り取った暫定的な作品群を時系列で眺めることによって、これからどんな作品群を切り取っていきたいのかの方向性を見つけることもできるかもしれません。

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