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HandyFlowy&MemoFlowyと、ブログの可能性(ブログを通じて、この世界に、自分が信じる価値を追加するための、ひとつの道筋)

公開日: : ブログ

1.「世界は面白い。」だけで終わらせたくないから、もう一歩踏み込んで、考えてみる。

2015年12月3日、MemoFlowyが公開されました。

2016年2月16日、HandyFlowyが公開されました。

私は、この2つのアプリの制作に関わっています。関わる機会をいただいてます。とても幸せなことに。

HandyFlowy&MemoFlowyの制作は、とてもワクワクして面白く、今の私にとって、大切な活動です。もちろん、仕事や家庭に比べたら小さいのですが、HandyFlowy&MemoFlowyに関する諸々から、言葉ではとても表現できないほどの彩りを、日々、受け取っています。

でも、もし、今から1年前に、誰かから「1年後、あなたは、WorkFlowyアプリ制作に関わってるんだよ。」と言われたとしたら、私は、「はぁ?」としか思わなかったのではないかと思います。

1年前の私にとって、「アプリ制作に関わる」ということは、自分の人生の範囲外に属する事柄でした。目標として掲げたこともなければ、そんな自分をイメージすることすらできませんでした。

なぜ、こんなことが起きたのか、よくわかりません。何がどうなってこんな素敵なところに来ることができたのか、見当もつきません。

世界は面白いです。本当に。

とはいえ、「世界は面白い。」だけで終わらせるのももったいない気がします。ここには、「ブログの可能性」というテーマにもつながる何かがありそうです。「ブログの可能性」は、私にとって大切なテーマなので、「世界は面白い。」だけで終わらせず、もう一歩踏み込んで、考えてみようと思います。

2.いくつかの要素が、どのように結びついて、HandyFlowyとMemoFlowyに結実したか

私が、HandyFlowyとMemoFlowyの開発に関わることができたことには、次のような要素があるのかなと、自分では思っています。(なお、以下の要素はあくまでも、視点を私においた、主観的な整理です。)

(1) ブログ「単純作業に心を込めて」

まず、2012年3月に、ブログ「単純作業に心を込めて」を始めたこと。

ブログがすべての出発点です。

ブログがなければ、私がHandyFlowy・MemoFlowyというアプリ開発に関わることはありませんでした。(もっといえば、私は今でもWorkFlowyというクラウドサービスを使っていなかったかもしれません。)

(2) Twitterにおける「彩郎」という分人

ブログを続けてしばらくたって、ブログの「中の人」のような人格が欲しくなりました。そこで、2013年1月、Twitterに、「彩郎」という人格を生み出しました。

アイコンを作り、「彩郎(いろどろう)」という名前と「irodraw」というIDを与え、Twitterに、自分の分身を生み出したことは、その後、ブログを通じて知り合った方と、いろんな関係を育むために、とても役立ちました。「彩郎」が、「単純作業に心を込めて」を通じて知り合った方との関係を担う「分人」として機能してくれたからです。

Twitterにおける「彩郎」という分人は、HandyFlowy&MemoFlowyにつながった、2つめの要素だと思います。

(もっとも、当初は、「はじめまして。いろどろうです。」なんて自己紹介をする日が来るとは、想像すらしていませんでした。(想像していたら、もう少し違った名前にしていたかもなあ。))

(3) アイデア広場と段差ラ部

「彩郎」という分人は、あるとき、一気に育ちました。このタイミングは、ピンポイントで特定できます。2013年12月28日です。

生まれてから1年弱のこの日、「彩郎」は、このTweetを通じて、るうさん(@ruu_embo)と知り合ったのでした。

るうさんは、その後、「彩郎」といろんな方々を、どんどんつないでくださいました。Tak.さん、倉下忠憲さん、マロ。さん、gofujitaさん、凛さん、などなどなどなど。

こんな関係の中で生まれた場所が、2つあります。

ひとつがアイデア広場で、もうひとつが段差ラ部です。この2つの場所で、私は、Evernoteやアウトライナー、マンダラートなどに対する考察を、ずいぶんと深めることができました。

るうさんと知り合ったことをきっかけに育まれたゆるやかな関係性と、その象徴でもあるアイデア広場・段差ラ部という2つの場所は、結果として、HandyFlowy&MemoFlowyを育んでくれました。

(4) WorkFlowyとの出会い、WorkFlowyへの没頭、「とりあえずWorkFlowy」戦略

HandyFlowy&MemoFlowyは、WorkFlowyのためのアプリです。WorkFlowyを使い始めていなければ、これらのアプリ制作に関わる出発点にすら立つことはありませんでした(ひとつめ)。

また、普通にWorkFlowyを使っているだけであれば、WorkFlowyのアプリを作る、などという発想は生まれなかったでしょうし、また、アプリ制作に関わった後も、有益なアイデアを出せなかった気がします。アプリ制作に関わったことも、アプリ制作の過程でそれなりに重要なアイデアを提供することができたのも、WorkFlowyに没頭していたからこそです(ふたつめ)。

さらに、私がHandyFlowy&MemoFlowyというアプリ制作に関わるようになった最初の一歩は、後述のとおり、山本道成さんから声をかけていただいたことで、これは完全に受け身なのですが、こんな受身の姿勢でアプリ制作に関わるきっかけをいただけたのは、私が、「とりあえずWorkFlowy」戦略でブログをしていたからではないかと想像します(みっつめ)。

さて、この3つそれぞれは、どのようにして生じたのでしょうか。

ひとつめ。私がWorkFlowyを使い始めたのは、Tak.さんの影響です。

ふたつめ。私がWorkFlowyに没頭できたのは、そのTak.さんによる「プロセス型アウトライナー」という概念を知ったことと、マロ。さんが制作したハサミスクリプトの存在が大きいです。

みっつめ。私は、「とりあえずWorkFlowy」戦略を倉下忠憲さんの『TwitterとFacebookで実践するセルフブランディング』と『コンビニ店長のオシゴト』から学びました。また、「とりあえずWorkFlowy」戦略を1年以上続けていられたのは、Tak.さん、倉下さん、マロ。さんといった方々の「自分の仕事」とのつながりを感じることができていたためです。

結局、私とWorkFlowyとな関わり方は、いずれも、「彩郎」を通じて与えられた出会いがなければ、ありえませんでした。

(5) マロ。さんの知的生産の治具工房

マロ。さんとは、段差ラ部やアイデア広場などで、ご一緒させていただいてます。HandyFlowy&MemoFlowyが結実するまでに、マロ。さんが与えた影響は、膨大です。

少し遠いところからいくと、私をWorkFlowyに誘った段差ラ部は、マロ。さんなしには生まれませんでした。

それから、私がWorkFlowyの深い沼に飛び込んだ理由のひとつは、マロ。さんによるハサミスクリプトがとても強力だったからです。

ハサミスクリプトは、私のブログフローにおけるボトルネックを解消することで、私のブログ運営を強く強く後押ししてくれました。ハサミスクリプトがなければ、「とりあえずWorkFlowy」戦略もうまくいかなかったかもしれません。

さらに、HandyFlowyには、いろんなところで、マロ。さんの発想や技術が生きています。

閲覧モード、Export機能、「機能拡張スクリプト」という基本的な部分はマロ。さんが知的生産の治具工房で提供し続けてきたあまたのツールをベースとしています。

また、HandyFlowyは、トピック操作、Zoom、折りたたみ・展開といったWorkFlowyならではの機能をボタンで実行できるのですが、この機能につながる最初の大発見は、マロ。さんが成し遂げた仕事です。

(6) 山本道成さんとの関係

HandyFlowy&MemoFlowyの制作者は、山本道成さんです。山本道成さんの高い技術と柔軟な発想、丁寧な仕事があってこその、HandyFlowyとMemoFlowyです。

さて、私がHandyFlowy&MemoFlowyに関与することは、山本道成さんと知り合わなければ、ありえませんでした。では、私と山本さんとの関係は、どのように生まれたのでしょうか。

時系列は少し遡りますが、山本道成さんとの関係も、ブログから始まり、ブログによって育まれました。

以前、この「MemoFlowyへと合流したふたつの流れについて(MemoFlowy開発チーム誕生の経緯)」で詳しく書いたのですが、ざっくり書くと、

  • 山本さんが制作するAndroid版WriteNoteのことを、ブログで紹介した
  • Toodledo×ifttt×Evernoteで作る電子業務日誌について、山本さんからアドバイスのメールをいただいた
  • iPhone版WriteNoteリリースのお知らせをいただいた
  • WorkFlowy用のアプリの試作品がある、というメールをいただいた

という感じです。

不思議なご縁もあるものだなあと感じます。

(7) 『思考の整理学』のメタ・ノート

HandyFlwoy&MemoFlowy制作の直接のきっかけは、2015年9月21日に山本さんからいただいた1通のメールでした。

メールの内容は、

  • 山本さんもWorkFlowyを使い始めたこと
  • WorkFlowy版のWriteNoteのようなアプリが欲しいと思っているのだが、WorkFlowyへ自動でペーストする方法が見つかっていないこと
  • ブックマークだけの試作品があるのだが、使ってみるか?というお誘い

というもので、ここから、HandyFlowyの制作がスタートしました。

ところで、山本さんがこんなメールを私に送ってくださったことにも、さらにひとつのきっかけがありました。2015年9月17日に私がブログに書いた、「WorkFlowyで「メタ・ノート」」という記事です。

この記事は、『思考の整理学』という本で紹介されていた「メタ・ノート」という手法のためにWorkFlowyを使うにはどうしたらよいか、ということを考えて書いたものです。「メタ・ノート」の出発点は、浮かんだ着想をノートに捕らえることなのですが、このために、iPhoneからWorkFlowyにすばやく記録するにはどうしたらよいか、ということを書いたところ、これに関連して、上のメールを送ってくださったそうです。

WorkFlowyで「メタ・ノート」」というブログ記事自体は、なかなかまとまりきらずに長くなってしまったため、自分としては課題の残るものだと考えています。でも、そんな記事がHandyFlowy&MemoFlowyにつながるきっかけを生んでくれたのですから、わからないものです。

(8) 『クラウド時代の思考ツールWorkFlowy入門』

少し遠い要素ですが、2016年1月29日に発売となった『クラウド時代の思考ツールWorkFlowy入門』も、HandyFlowy&MemoFlowyにつながった大切な要素です。

『クラウド時代の思考ツールWorkFlowy入門』の詳細目次と元記事の紹介

まず、先ほどの「WorkFlowyで「メタ・ノート」」というブログ記事は、この本をまとめるための材料として、書きました。(実際、その後、第2編・第1章としておさまりました。)

次に、私は2015年9月下旬から10月にかけて、HandyFlowy&MemoFlowyのためにたくさんの時間を注ぎこむことができたのですが、この大きな理由は、もともと、2015年9月・10月の2ヶ月間を、本書執筆のために確保していたからです。無論、時間は有限なので、その分、本書に注いだ時間は短くなったのですが、HandyFlowy&MemoFlowyにも時間を注いだことは、結果的には、本書のためにも、よかったと思っています。

このようにHandyFlowy&MemoFlowyにもつながった『クラウド時代の思考ツールWorkFlowy入門』の執筆なのですが、この本を執筆したことも、ブログ・彩郎・アイデア広場&段差ラ部・WorkFlowyなどなどがなければ、ありえません。本の原稿のベースとなったのはブログ記事で、本書の著者は(私の実名ではなくて)「彩郎」で、本書の企画を知ったのは、倉下さんによるTweetで、本書のテーマは、ブログや彩郎を通じて出会ったWorkFlowyです。

3.ブログを通じて、この世界に、自分が信じる価値を追加するための、ひとつの道筋

さて、このように、HandyFlowy&MemoFlowyにつながった要素は、少なくとも、これだけあります。

  • ブログ「単純作業に心を込めて」
  • Twitterに生まれた「彩郎」という分人
  • るうさんとの出会いから広がった関係、アイデア広場・段差ラ部
  • WorkFlowy・「とりあえずWorkFlowy」
  • マロ。さんの知的生産の治具工房
  • 山本道成さん
  • 「メタ・ノート」のブログ記事を書いたこと
  • 『クラウド時代の思考ツールWorkFlowy入門』の執筆

これらすべての出発点は、2012年3月にブログ「単純作業に心を込めて」を始めたことです。ブログを4年弱続けてきたことから与えられたいくつもの要素が結びついて、HandyFlowyとMemoFlowyへと結実しました。

ある意味、HandyFlowyとMemoFlowyは、ブログからの収穫だとも言えます。

ブログを続けてきたことは、これらいろいろな要素を育みました。その多くは狙ったわけではなく、結果として生じたものではあるのですが、ブログを続けてきたことがこれらを耕してくれたこと自体は、まちがいありません。そして、これらの要素を一気に収穫することで、HandyFlowy&MemoFlowyという2つのアプリが生まれました。だから、HandyFlowy&MemoFlowyは、ブログによって育んできたものの、私なりの収穫でもあるのです。

ひょっとすると昨今は少数意見なのかもしれないのですが、私は、ブログをすることに見返りは必要ない、と思っています。ブログ記事を書くことは、将来のための投資ではありません。いつか元を取ってやる、と思ってブログ記事を更新しているわけではなく、ひとつひとつのブログ記事を書くことそれ自体をやりたくて、それ自体が楽しくて、それ自体に価値を感じて、私はひとつひとつのブログ記事をせっせと書いています。

もちろん、実際には、見返りはたくさんあります。知識が増える、情報が集まってくる、能力が鍛えられる、いろんな関係が生まれる、自分に価値を見出していただけるチャンスが広がる。数え上げればきりがなく、現に、私も、ブログからいろんなものを受け取ってきました。でも、私は思うのですが、これらはすべて、結果として与えられたものであって、最初から合理的に狙うものではありません。ブログをすることは、それ自体が目的であって、元を取るとか、ペイするとか、コスパとか、そういう基準とは別の何かで動いている物事なんじゃないかと思います。

他方で、「こんなふうにブログを続けていて、ふと気づけば、自分のブログが何らかのよい条件に恵まれていた」ということは、ありえます。たくさんのPVを稼げるブログになっていた、Feedly購読者が想像を絶する数になっていた、特定のテーマでの確固たるブランドを築けていた、などなど、自分のブログが、結果として、何らかの条件を獲得することは、誰にでも起こることではないにせよ、3年、5年とブログを続けていけば、それほど珍しいことでもありません。

たとえていえば、これは、「ふと気づけば、自分のブログが豊穣な土壌になっていた」という状態です。

そして、2016年の日本社会はテクノロジーによって様々な道筋が用意されている現代社会なので、この状態に到達しさえすれば、ブログから金銭的な対価を得ることだって、それほど難しくはありません。ブログにGoogleAdSenseを貼る、アフィリエイトを導入する、記事を有料にする、サロンを開く、ブログ記事を電子書籍にするなど、ブログという豊穣な土壌から金銭的な収穫を得るための道筋が、たくさん存在しています。そうして、現に多くのブロガーは、少なくない金銭的な対価を、実際にブログから得ています。

そんなことを見聞きすると、ときに、「自分のブログから得られるだけの金銭的な対価を受け取らないのは、もったいないんじゃないか?」といった焦燥感を覚えます。「これまでせっせと種をまいて水をやり、ようやくこれだけ豊かな土壌にしてきたのだから、今こそ収穫の時期なんじゃないか?」「ここで収穫しないと、元を取り損なっちゃうよ。」といった心の声が聞こえる気すらします。

でも、今回、HandyFlowy&MemoFlowyが生まれた経緯をふり返って、ちょっと安心しました。これだって、ある意味、ブログによって育んできたものの、私なりの収穫です。それも、自分が心から信じられる価値の収穫です。

ブログによって育んできたものを収穫する道筋は、金銭的なものに限られません。金銭的な収穫をぎりぎり搾り取ろうとしなくたって、ブログによる豊かな恵みを受け取ることは、可能です。こんな、ある意味すごく当たり前のことを再認識することができて、私はすごくほっとしました。

HandyFlowy&MemoFlowyの開発ストーリーは、ブログの可能性の物語でもあります。この物語は、ブログを通じて、この世界に、自分が信じる価値を追加するための、ひとつの道筋を示しています。もちろん、たくさんの幸運と多くの方の助けがあってこそですけどね。

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