*

仕事にメールを活用するための、メールの設定・作り方・基本方針

公開日: : 仕事の方法論

1.はじめに

私は、仕事でメールを使うのが好きです。すきま時間に仕事を進めることができること、記録に残ること、後から検索して様々な情報を取り出すことができること、などがその理由です。

そのため、私は、これまで、積極的にメールを仕事に活用しようとしてきました。

仕事でメールを使うには、いくつかのことに気をつける必要があると思います。以下、現時点で私が気をつけていることを、メモします。

2.仕事でメールを使うための設定

仕事でメールを使うためには、それなりの設定をしておく必要があります。その中でも、最重要のふたつの設定は、

  1. 差出人に氏名を設定する
  2. 必要な情報を入れた署名を設定する

です。

(1) 差出人に氏名を設定する

まず、差出人の名前に、自分の氏名を設定します。メールに差出人の名前を設定しておけば、メールが受信者の手元に届いたときに、自分のアドレスだけでなく、自分が設定した差出人の名前が、相手に表示されます。

a.設定方法(Gmail)

Gmailであれば、「設定」→「アカウントとインポート」の「名前」欄の「情報を編集」をクリックすれば、名前を入力するウィンドウが開きます。

b.氏名を設定する

仕事でメールを使うなら、差出人の名前に、自分の氏名を記載することが望ましいです。差出人の名前を設定せずに空白になっていたり、ファーストネームやニックネームを登録するのは、好ましくありません。

氏名をローマ字標記にするか漢字標記にするかは、一概にどちらがいいとは言えません。メールをやりとりする相手がほぼ100%国内なら、漢字でもよいのではないかと思います。

また、氏名以外に会社名や役職を付記するかも、ケースバイケースです。個人的には、組織名などを付記すると長くなるので、氏名だけでいいのではないかと思っています。

(2) 必要な情報を入れた署名を設定する

署名とは、メール本文の最後に自動的に挿入される文字列です。自分に関する必要な情報を入れた署名を設定しておけば、自分が送信したすべてのメールが、いわば自分の名刺のような機能を果たします。

署名には、自分に関する必要な情報をもれなく盛り込む必要があります。自分が送ったメールを受信した相手が、自分と連絡をとりたいと思ったときに、助けとなる情報を入れておく必要があります。

メールの署名なので、メールアドレスを記載するのはもちろんですが、それ以上に大切なのが、電話番号や住所などの、非デジタルの情報です。また、氏名の漢字やフリガナも、意外に重要です。

仕事のウェブサイトを持っているならそのURL、仕事にFacebookやTwitterなどを使っているならそのアカウントを書くのもよいです。

3.メールの書き方

(1) ひとつのメールには、ひとつのトピック

仕事にメールを使うときのメールの書き方でいちばん大切なのは、ひとつのメールに記載するトピックをひとつに絞ることです。

ひとつのメールに記載するトピックをひとつに絞ることのメリットは、ふたつあります。

ひとつは、過去のメールを発見しやすくなることです。

メールのよいところは、やりとりがデータとして残ることです。データとして蓄積されるので、過去のメールを確認することで、そこから有益な情報を引っ張り出すことができます。この長所を活かすには、必要なメールを見つけやすい条件を整えておくことが効果的です。ひとつのメールに記載するトピックをひとつに絞れば、必要なメールを見つけることが容易になります。

ふたつめは、必要な情報が紛れない、ということです。

仕事にメールを使っている人が共通して持っている悩みは、届くメールが多すぎて、大切な情報を見逃してしまう、ということです。ひとつのメールに複数のトピックを盛り込むと、情報が紛れるおそれが高まります。ひとつのメールに記載するトピックをひとつに絞ることで、受信者がその情報を見逃すおそれを下げることができます。

ひとつのメールには、ひとつのトピック。これは、仕事でメールを使うときの大原則です。

(2) 件名を付ける

a.件名を付ける

仕事で使うなら、メールには、件名を付ける必要があります。

件名を付けないままにメールを送るのは、論外です。

b.内容を表現する件名を付ける

件名は、メールの内容を表現するものである必要があります。

もっとも望ましいのは、件名を見るだけで、どんなテーマについてどのような結論を述べる内容のメールなのかがわかる件名です。それが難しいとしても、どんなテーマについてのメールなのかがわかる件名である必要があります。

たとえば、「第3回Googleカレンダー研究会日程決定:2013/05/16」という件名は、第3回のGoogleカレンダー研究会の日程が2013/05/16に決まったということを件名だけで伝えることができるので、優れています。

ただし、若干長いので、「第3回Googleカレンダー研究会日程」等の件名でもよいと思います。

これに対して、「日程の連絡」などは、何の日程が記載されているのかわからない点で不十分です。さらに、「ご連絡」などは、何の連絡かわからないため、避けるべきです。

c.返信時の件名の付け方

メールの返信をするときも、件名の付け方に注意をするべきです。

通常、「●●」という件名がついたメールに返信をすると、返信メールの件名は、自動的に、「Re:●●」という形になります。

返信メールの内容が、本当に返信なら、この形式でよいと思います。まさしく返信であるにもかかわらず、件名を付記すると、スレッド形式で管理するメールソフトで、返信元メールと返信メールとが別スレッドになってしまうため、不都合です。

これに対して、一連のやりとりの中で、話題が大きく変わるときは、返信メールだとしても、新たに件名を付ける方が望ましいです。

(3) メール本文を書くときに意識すること

メール本文を書くときに意識しているのは、以下の点です。

a.宛先と差出人を明記する

まず、メール本文に、宛先と差出人を明記する方がよいと思います。

メールは、from欄とto欄に、差出人と宛先が記載されています。そのため、重ねて本文で差出人と宛先を書く必要はない、という考え方もあり得るとは思います。

しかし、私は、メール本文に、宛先と差出人を記載する方がよいと思います。from欄とto欄は、注意してみないとよくわからないこともあるため、誰が誰に対して送ったメールなのかを、メール本文だけを見ればわかるようにしておく方が、受信者にとって親切だと考えるからです。

b.型を持つ

メール本文は、一種のビジネス文書なので、型を持つとよいと思います。

私は、おおむね、以下のような型で書いています。

田中様(宛先)

鈴木(場合によっては、所属組織や肩書きを記載)です。(差出人)

いつもお世話になっております。(あいさつ。相手との関係性によって、適宜修正。)

第3回Googleカレンダー研究会の日程等は、以下の通りとなりました。(テーマを明示。)

  • 日時:2012年5月16日 午後6時~
  • 場所:●●(住所:▲▲)
  • テーマ:複数カレンダーの使い分け

鈴木まで、出欠連絡をお願いいたします(suzuki@xxx.xxxx.xx)。

ご不明な点がありましたら、ご連絡ください。(最後の一言)

署名

c.箇条書きを使う

メールの長さは、あまり長くしない方がよいです。多くの人は、そんなにじっくりメールを読みません。また、長いメールは、スクロールをする必要があります。

短い文字数でたくさんの情報を伝えるためには、箇条書きが有効です。

通常の連絡文書以上に、メールでは、箇条書きが有効ではないかと思います。

4.メール処理の方針

仕事でメールを活用するためには、メール処理の方針を決める必要があります。私が大切だと思うのは、次の3点です。

(1) すぐに処理する

いちばん大切なのは、すぐに処理することです。今では、スマートフォンによって、外出先からでもメールを送受信することができます。外出先の空き時間にメールを確認して、片っ端から確認したメールを処理することが大切です。

返信できるものはその場で返信してしまう、返信する必要のないメールはその場で処理済みにしてしまう、など、すぐにその場で処理することが大切です。

(2) 処理が終わったメールをどうするかを決めておく

メールをその場ですぐに処理するためには、処理が終わったメールをどうするかを決めておく必要があります。

アーカイブする、削除する、フォルダに分類して整理する、ラベルを付ける、など、いろいろな可能性があります。

何でもよいと思いますが、あらかじめ、自分なりに、処理が終わったときに何をするかを明確に決めておくと、メールの処理がはかどります。

(3) 自分と相手の次の行動とその期限を明確にする

メールは、手軽に相手との連絡を取ることができます。反面、メールでのやりとりは、どこか軽くなってしまう傾向があるように思います。

これに対する対処法としては、メールのやりとりをするときには、自分と相手両方の、次の行動とその期限を明確にする、という方針が有効です。次に私がするべき行動は●●で、あなたがとるべき行動は▲▲、私の●●の期限は○日後で、あなたの▲▲の期限は△日後である、ということを、メールにはっきりと記載します。そうすれば、メールのやりとりはずっと残りますので、メールをやりとりする間に、少しずつ物事が前に進みます。

スポンサードリンク

関連記事

no image

ハイブリッド手帳システムを作る【タスク編】ToodledoとEvernoteで作るタスクマネジメントシステム

1.ハイブリッド手帳システムのタスクマネジメントシステム (1) タスクマネジメントに関するいくつ

記事を読む

no image

タスク管理システムは、(1)タスクを、(2)管理する、(3)システム、です。

1.タスク管理システムって、何だ? (1) スケジュール管理システムは、一般的 手帳やカレンダーなど

記事を読む

no image

Toodledoで「Dailyタスクリスト」の3つの特徴を実現するために、Toodledoのどの機能をどう使うとよいか

1.はじめに 〜Toodledoで「Dailyタスクリスト」〜 (1) Toodledoで「Dai

記事を読む

no image

タスク管理で大切な3つのことは、すぐやることと、すぐやれる単位に切り分けることと、すぐやらないタスクを管理すること

0.はじめに タスク管理というと、やることリストを作ったり、リマインダーの仕組みを整えたり、フォル

記事を読む

no image

普通の個人が、自分の毎日に、「その時点までの考察をアウトプットして、フィードバックを得る仕組み」を組み込む

1.普通の個人が、自分の毎日に、「考察を深める仕組み」を組み込むには? (1) 毎日に組み込まれた

記事を読む

no image

PDCAサイクルでいちばん大切なのは、どの部分か?

1.PDCAサイクルでいちばん大切なのは、どの部分か? (1) PDCAサイクルとは 世の中には

記事を読む

no image

「タスクの実行」を助けてくれるタスクリストの条件は?

1.はじめに・「タスクの実行」を助けてくれるタスクリストの条件とは? (1) 「タスク管理」と「タ

記事を読む

no image

「抽象と具体の間を往復する」という学びの基本技

1.抽象と具体を往復すると、どんな対象からも、何かしら学べる (1) どんな対象からも、何かしらを学

記事を読む

no image

「瞬時レビュー」で、Toodledoは、力を発揮する。(Toodledoで「瞬時レビュー」する方法とそのメリット)

1.Toodledoの力を引き出す「瞬時レビュー」 Toodledoで「瞬時レビュー」をすることを

記事を読む

no image

「やれば残る」から、やる気になる。(ToodledoとEvernoteによる「タスクの実行」のやる気を出すシステム)

1.Toodledoの完了タスク情報をEvernoteに蓄積する目的と、副次的効果 (1) Too

記事を読む

スポンサードリンク

スポンサードリンク

no image
お待たせしました! オフライン対応&起動高速化のHandyFlowy Ver.1.5(iOS)

お待たせしました! なんと、ついに、できちゃいました。オフライン対応&

no image
「ハサミスクリプト for MarsEdit irodrawEdition」をキーボードから使うための導入準備(Mac)

諸事情により、Macの環境を再度設定しています。 ブログ関係の最重要は

no image
AI・BI・PI・BC

AI 『〈インターネット〉の次に来るもの 未来を決める12の法則』を読

no image
[『サピエンス全史』を起点に考える]「それは、サピエンス全体に存在する協力を増やすか?」という評価基準

1.「社会派」に対する私の不信感 (1) 「実存派」と「社会派」 哲学

no image
[『サピエンス全史』を起点に考える]サピエンス全体に存在する協力の量と質は、どのように増えていくのか?

『サピエンス全史』は、大勢で柔軟に協力することがサピエンスの強みだと指

→もっと見る

  • irodraw
    彩郎 @irodraw 
    子育てに没頭中のワーキングパパです。1980年代生まれ、愛知県在住。 好きなことは、子育て、読書、ブログ、家事、デジタルツールいじり。
    このブログは、毎日の暮らしに彩りを加えるために、どんな知恵や情報やデジタルツールがどのように役に立つのか、私が、いろいろと試行錯誤した過程と結果を、形にして発信して蓄積する場です。
    連絡先:irodrawあっとまーくtjsg-kokoro.com

    feedlyへの登録はこちら
    follow us in feedly

    RSSはこちら

    Google+ページ

    Facebookページ

PAGE TOP ↑