*

ブログに文章を書くのは大好きだけれど、プロブロガーには、なりたくない。

公開日: : ブログ

1.私が考えたい対象は、「会社員ブロガー」ではなくて「プロブロガー」

(1) 会社員ブロガーを巡る記事群

ばんかさん(@bamka_t)の「あなたのスイッチを押すブログ」を読んで、会社員ブロガーを巡る一連の記事がやりとりされていることを知りました。

素晴らしき会社員ブロガー!私がサラリーマンを辞めない理由 | あなたのスイッチを押すブログ

「あなたのスイッチを押すブログ」さんの記事がいつもどおりのわかりやすくおもしろい記事だった上に、引用されていた「男子ハック」さんと「gori.me」さんの記事も、熱くてワクワクする感じの記事だったので、ほかにもないのかな、と思い、Googleで「会社員ブロガー」を検索してみました。

すると、出るわ出るわ、大変な盛り上がりをみせています。世の中には、こんなにたくさんの、すごい会社員ブロガーがいるんですねえ。

私も、サラリーマンをやりながら、仕事とは全然関係のないブログを2年くらい続けている、会社員ブロガーのはしくれです。なので、私も例の記事に釣られて、会社員ブロガーのすばらしさを文章にしてみようかなあ、とも思いました。

(2) むしろプロブロガーを考えたい

でも、会社員ブロガーのすばらしさは、すでに、ばんかさんたちに言い尽くされています。そこに付け加える別視点が私にあるのかといえば、今のところは思いつきません。そこで、これはやめました。

他方で、プロブロガーのことは、もう少し考えてみたいなと感じています。「仮にプロブロガーになれるとして、それを望むのか?」ということです。

私はブログに文章を書くのが大好きです。でも、本業の仕事があるので、ブログに割ける時間は限られています。時間というボトルネックと格闘しながら、私は、日々、ブログに文章を書いています。

これに対して、ブログを自分の仕事にすれば、今と比較すれば格段にたくさんの時間をブログに費やすことができます。プロブロガーになることができれば、好きなだけブログを書くことによって生計を立てることができるかもしれません。

であれば、私は、仮に自分がプロブロガーになれるとして、それを望むのでしょうか。

この問いを考えてみました。答えは明らかでした。なりたくありません。仮にプロブロガーになれるとしても、私は、それを望みません。

私は、ブログに文章を書くのは大好きだけれど、プロブロガーには、なりたくありません。

(3) いくつかの前提

a.プロブロガーの、一応の定義

以下、この文章は、なぜ私がプロブロガーになりたくないのかをテーマにします。そこで、「プロブロガー」を定義しておきます。この定義は、これが正しいと主張するものではなくて、あくまでもこの文章が「プロブロガー」という言葉をどういう意味で使うのかを定義するものです。

この文章では、「プロブロガー」を、次の2つの条件を満たした者という意味で使います。

第1に、ブログからの収入だけで生活を営むことができる、ということです。ブログ以外の収入、印税とかイベント収入を使わないと生活を営めないなら、ここでいうプロブロガーではありません。

第2に、ブログからの収入がなくなると、別の生計の手段を求める必要が生じる、ということです。ブログからの収入が途絶えても、ブログ以外の収入で生活を営めるなら、ここでいうプロブロガーではありません。

b.収入は、基本的には、検討対象外

収入は、一応、検討の対象外とします。収入面の有利不利で会社員とプロブロガーとを比較すると、私が考えたいこととは、ちょっと離れてしまう気がするためです。

そこで、収入の点では、会社員もプロブロガーも同じようなもんだ、という前提にしておきます。

c.実現可能性も、検討対象外

さらに、実現可能性も、検討しません。

自分がプロブロガーになろうと決意したとして、実際にプロブロガーになれる可能性は、控えめに言ってもわずかだと思います。

でも、実現可能性は検討しません。

なりたいと望めばなれる、という前提で、検討します。

2.プロブロガーには、なりたくない

私は、ブログに文章を書くのは大好きですが、プロブロガーになりたくありません。この理由は、次の5つです。

  1. プロブロガーになると、ブログが義務になってしまうかもしれない
  2. プロブロガーになると、文章を書く以外のこともがんばらなくちゃいけない
  3. プロブロガーになると、書きたいことではなく、書くと稼げることを書くようになってしまうかもしれない
  4. プロブロガーになると、オフの時間がなくなってしまうかもしれない
  5. プロブロガーになると、家族にブログを内緒にしておけない

(1) プロブロガーになると、ブログが義務になってしまうかもしれない

プロブロガーにとって、ブログは生活を営むための仕事です。ブログからの収入がないと、生活は回りません。

ブログからの収入がないと生活が回らないので、ブログからの収入が途切れないようにしなければいけません。

私がこの状況に置かれると、私にとって、ブログをすること(ブログに文章を書くことや、WordPressのテーマを調整することなど、全部ひっくるめて)は、やらなくてはいけないからしていること、つまり義務になってしまうかもしれません。

義務としてブログをすることを考えてみると、あんまりワクワクしません。

(2) プロブロガーになると、文章を書く以外のこともがんばらなくちゃいけない

プロブロガーにとって、ブログからの収入は生活を営むための手段です。いくらでもよいのではなく、毎日の生活を支えられるだけの収益を継続的に上げる必要があります。

ブログの収入は、ある程度、PVによって決まります。そして、PVは、ブログに書いた文章の内容もさることながら、SEOとかソーシャルネットワークとかによっても影響を受けます。また、同じPVでも、広告の配置やアフィリエイトの有無によって、収益は大きく異なります。

となると、ブログからの収入のためには、ブログに文章を書くことだけに集中するのではなくて、PVを増やすための策や広告の調整など、文章を書くこと以外のことも、いろいろとがんばらなくてはいけません。

でも、私は、WordPressのテーマをいじったり、プラグインを入れ替えたり、アドセンスの場所を調整したりといったことが、そこまで好きではありません。嫌いではないし、一通りやってみたつもりなのですが、自分が一番やりたいのは文章を書くことだと気づいてからは、ブログに注ぐ力の大部分は、文章を書くことに注ぐことにしました。

でも、プロブロガーになると、文章を書くこと以外もがんばらなくちゃいけません。これには、あんまり心が躍りません。

(3) プロブロガーになると、書きたいことではなく、書くと稼げることを書くようになってしまうかもしれない

次に、これは私の問題なのですが、ブログから生活を維持できるだけの収益を上げなければいけない状況になると、私は、書きたいことではなく、書くと稼げることを書くようになってしまうかもしれません。

今のこのブログをふり返ると、自分が書きたくて書いた文章と、PVをたくさん稼いでくれている文章とは、見事なまでに一致しません。自分がプロブロガーになったとしたら、書きたい文章よりも、PVをたくさん稼いでくれる文章を優先しちゃうのではないかと、自分で自分のことを心配になります。

(4) プロブロガーになると、オフの時間がなくなってしまうかもしれない

それから、プロブロガーとして生きると、オフの時間がなくなるのではないか、というのも大きな懸念です。

私にとって、オフの時間は、とても大切です。サラリーマンである今は、職場を出たら、基本、オフです。切替えがはっきりしています。

でも、プロブロガーは、オンとオフの境界が曖昧な気がします。

その上、ブログなら、自分の生活の全部をネタにすることができてしまいます。ですから、常にブログのことばかり、という状況になってしまうのではないかと心配します。

(5) プロブロガーになると、家族にブログを内緒にしておけない

最後に、つまらない話かもしれないのですが、私にとってかなり重要な理由は、プロブロガーになったら、家族にブログを内緒にしておけない、ということです。

今、私は、このブログをしていることを、家族に内緒にしてます。恥ずかしいからというのが一番の理由で、そんな暇あったらもっと家事をしろといわれるのをおそれて、というのが次の理由です。まあ、我が家でのEvernote活用などをどんどん書いていますので、ばれる可能性は高いと思うし、既にばれているかもしれないし、ばれたらばれたで仕方ないと思ってはいるのですが、しかし、自分からカミングアウトするつもりは、当面はありません。

でも、プロブロガーになるのであれば、さすがに家族にはきちんと説明せねばなりません。内緒にしておくことは不可能です。

このことも、私がプロブロガーになることを求めない理由です。

3.ブログを続けるために、会社員ブロガーであり続ける

ブログに文章を書くのが大好きな私が、プロブロガーになれるとしてもなりたくない理由は、こんなところです。

これら5つの理由は、いずれも、「かもしれない」レベルの懸念です。でも、これらの「かもしれない」は、「ブログに文章を書くのが好きでなくなるかもしれない」という大きな懸念につながります。

私は、ブログに文章を書くのが大好きなので、これからも当面はブログを続けていたいなあと思っています。でも、これらの「かもしれない」のいくつかが現実化してしまうと、たぶん私は、ブログに文章を書くのが好きでなくなってしまいます。そうなってしまえば、遅かれ早かれ、私はブログから離れることになるでしょう。

私がプロブロガーになりたくないのは、ブログを続けていたいからです。私にとっては、ブログを続けていくためには、会社員ブロガーであり続けることが大切です。

そんなわけで、私は、プロブロガーは目指さないで、ぼちぼちと会社員ブロガーを続けています。

まあ、実際のところは、プロブロガーになりたいと思っても、なれないでしょうけどね。

スポンサードリンク

関連記事

no image

ブログに対するトップダウン的アプローチとボトムアップ的アプローチ

1.はじめに 物事に対するのアプローチを、トップダウン的アプローチとボトムアップ的アプローチに分け

記事を読む

no image

ブログの成長のモノサシは、何だろうか。

1.ブログを育てるには、モノサシがあるとよい 私がブログをする目的のひとつは、ブログ「単純作業に心を

記事を読む

no image

自分の好きなことへの没頭を、「作品」として公開すること

ここしばらく、ブログを続けることの意味について、考えています。普通の勤め人である私が、ブログを続ける

記事を読む

no image

『「Chikirinの日記」の育て方』を読んで、「単純作業に心を込めて」というブログをどんな場所に育てたいのか、考え始めた。

1.本の概要 「Chikirinの日記」の育て方 『「Chikirinの日記」の育て方』は、ブログ

記事を読む

no image

ブログというゲームのルールを設定したい

1.「ブログ」というゲーム (1) 切り抜きジャック @tamkaiさんの持論に、腹の底から納得し

記事を読む

no image

iPS細胞・パソコン・自分のブログ。精度の高い試行錯誤を積極的に繰り返すための仕組み。

1.クローズアップ現代を見て、iPS細胞って本当にすごいんだ、と実感した話 先日放送されたクローズ

記事を読む

no image

ブログのGoogle+ページを作り、ブログ投稿をGoogle+に流し、ブログにGoogle+バッジを設置する

1.Google+ページを作って、やったこと 先日、「単純作業に心を込めて」のGoogle+ページ

記事を読む

no image

ひとつの文章によってではなく、一連の文章群によって、何かを伝える

1.自分のブログに書く文章に、整った論理構造を与えやすいのは、表現する対象をシンプルに絞り込むことが

記事を読む

no image

現役効果を発揮させるための手段としてのブログ

1.ブログを持つ効用 by WRM 第214号 倉下忠憲さんのメールマガジン「Weekly R-s

記事を読む

no image

ロールズの「無知のヴェール」と、「自分の一番好きなブログを自分で作る」

1.ジョン・ロールズの「無知のヴェール」 以前、別の記事に(フィクションとして)書いたことがあるの

記事を読む

スポンサードリンク

スポンサードリンク

no image
お待たせしました! オフライン対応&起動高速化のHandyFlowy Ver.1.5(iOS)

お待たせしました! なんと、ついに、できちゃいました。オフライン対応&

no image
「ハサミスクリプト for MarsEdit irodrawEdition」をキーボードから使うための導入準備(Mac)

諸事情により、Macの環境を再度設定しています。 ブログ関係の最重要は

no image
AI・BI・PI・BC

AI 『〈インターネット〉の次に来るもの 未来を決める12の法則』を読

no image
[『サピエンス全史』を起点に考える]「それは、サピエンス全体に存在する協力を増やすか?」という評価基準

1.「社会派」に対する私の不信感 (1) 「実存派」と「社会派」 哲学

no image
[『サピエンス全史』を起点に考える]サピエンス全体に存在する協力の量と質は、どのように増えていくのか?

『サピエンス全史』は、大勢で柔軟に協力することがサピエンスの強みだと指

→もっと見る

  • irodraw
    彩郎 @irodraw 
    子育てに没頭中のワーキングパパです。1980年代生まれ、愛知県在住。 好きなことは、子育て、読書、ブログ、家事、デジタルツールいじり。
    このブログは、毎日の暮らしに彩りを加えるために、どんな知恵や情報やデジタルツールがどのように役に立つのか、私が、いろいろと試行錯誤した過程と結果を、形にして発信して蓄積する場です。
    連絡先:irodrawあっとまーくtjsg-kokoro.com

    feedlyへの登録はこちら
    follow us in feedly

    RSSはこちら

    Google+ページ

    Facebookページ

PAGE TOP ↑