『いつまでもデブと思うなよ』式目標達成術
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仕事の方法論
少し前、「「本好きへの13の質問」に答える」というエントリに、『いつまでもデブと思うなよ』を読んでいろいろと得るものがあった、ということを書きました。
『いつまでもデブと思うなよ』は、とてもよい本です。この本のよいところのひとつは、実用的なダイエットの方法を丁寧に解説すると同時に、ダイエットに限定されない幅広い範囲に活用できる汎用的な方法を説くところです。
今回は、私が『いつまでもデブと思うなよ』を読むことで学んだ、『いつまでもデブと思うなよ』式目標達成術を考察します。
以下、「1.『いつまでもデブと思うなよ』の主観的なまとめ」で『いつまでもデブと思うなよ』の内容を私の主観的な基準でまとめた上で、「2.『いつまでもデブと思うなよ』式目標達成術』で、『いつまでもデブと思うなよ』の考え方を目標達成一般に応用する方法を考えます。
●
なお、『いつまでもデブと思うなよ』は、著者公式ページから、最初の2章を無料で読むことができます。
しかし、これからは違うよ。
レコーディング・ダイエットを紹介してくれるブログやサイトにはできるだけリンクを呼びかけようと思う。
先方だって、自分でダイジェスト書かなくても「本物」があるなら、そっちにリンク貼った方が便利に決まってるしね。location 2411
Kindle版もあります。しかも、安いです。まちがいなく、価格以上の価値があります。
1.『いつまでもデブと思うなよ』の主観的なまとめ
私は、『いつまでもデブと思うなよ』の大切な点は、次の5つだと考えています。
- (1) 「続けること」が課題であることを自覚する
- (2) 「なぜ?」を重視する
- (3) ゆっくりじっくり段階的に進む
- (4) うまくいくことだけを続ける
- (5) 記録し続けることを何よりも重視する
順に説明します。
(1) 「続けること」が課題であることを自覚する
『いつまでもデブと思うなよ』の目標は、ダイエットです。しかし、『いつまでもデブと思うなよ』は、「やせること」を目標とはしません。
なぜなら、一時的に「やせる」だけなら、どんな方法だって、それなりに効果があるからです。ダイエットの難しさは、一時的に「やせる」ことにあるのではなく、ダイエットを続けて、やせたままであり続けることです。
そのため、『いつまでもデブと思うなよ』は、「やせること」ではなく、「続けること」が課題だと断言します。
つまりダイエットの失敗というのは「やせないこと」ではなく、「続けられないこと」なのだ。いかに持続することが難しいかがわかる。
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続けること。これが、ダイエットにとって最大の課題なのだ。
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目標が「やせること」なのか「やせた状態を続けること」なのかによって、取るべき手段は変わります。多くの人にとって、ダイエットするのは、一時的にやせるためではなく、継続的にやせた状態であり続けるためです。
であれば、「やせた状態を続けること」を目標とするダイエット方法を採用するべきです。『いつまでもデブと思うなよ』は、目標を達成するためには、目標達成にとっての本質的な課題が、「続けること」であることを自覚している点で、強力な方法です。
(2) 「なぜ?」を重視する
a.「なぜ?」と「どのように?」
一般に、何かをするときに役に立つ疑問文が、2つあります。「なぜ?」と「どのように?」です。
ダイエットをするときも、「なぜ?」と「どのように?」が役に立ちます。大きな疑問文は、「なぜ、ダイエットをするのか?」と「どのように、ダイエットをするのか?」です。
『いつまでもデブと思うなよ』の特徴は、「なぜ?」と「どのように?」のうち、「なぜ?」をかなり重視するところです。
たとえば、著者公式ページで無料公開されている1章と2章は、ほぼ全部が、「なぜ、ダイエットをするのか? なぜ、やせるのか?」と、「なぜ、レコーディング・ダイエットによってダイエットをするのか?」です。2章全部読んでも、「どのようにダイエットするのか?」についての記述はあんまり出てきません。
さらに、「どのように?」の説明の場面でも、最初に「なぜ?」を検討して、その答えである原因を潰す方法を考える、というアプローチをとっています。たとえば、第1段階の「助走」では、「食べたものを記録する」という「どのように?」を提示するのですが、ここに至るまでに、「なぜ、自分は太っているのか?」という「なぜ?」を丁寧に検討しています。
b.なぜ、「なぜ?」を重視するのか?
なぜ、『いつまでもデブと思うなよ』は、「なぜ?」を重視するのでしょうか。
おそらくこれは、単に「やせること」ではなく、「やせた状態を続けること」を目標とするからです。
明日からすぐにやせることは簡単だ。問題は「やせ続けること」「リバウンドしないこと」なのだ。
まず「なんでダイエットなんかして、やせなくちゃいけないのか?」という問題を解明しよう。その後、「なんでいま、自分はやせていないんだろうか?」という原因を発見しよう。このプロセスを踏んだ方が、ダイエットのスタートがうんと楽になるだろう。
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「続けること」を達成するためには、瞬間的ながんばりや熱中ではどうにもならず、継続的な取り組みが必要になります。継続的な取り組みのためには、正確な知識とモチベーションがどうしても必要です。そして、正確な知識とモチベーションを得るためのもっとも王道の手段が、「なぜ?」をきちんと考えることです。
そういう人には「とりあえず図書館で借りるでもなんでもいいから、まず本を読んで正確な知識とモチベーションを身につけて」って言いたくなる。
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(3) ゆっくりじっくり段階的に進む
a.段階的に進む
『いつまでもデブと思うなよ』のダイエットは、段階的に進行します。
レコーディング・ダイエットは、以下の段階で進行する。
一.助走
二.離陸
三.上昇
四.巡航location 736
この後に、再加速と軌道到達が続き、ダイエット完成です。
なぜ、『いつまでもデブと思うなよ』は、段階的に進行するのでしょうか。
それは、進行するに従って、目標に向かって進んでいる自分自身が、大きく変わるからです。自分が変わるので、それに従って、目標に向かうその進行方法を段階的に切り替えるほうが効果的だからです。
ダイエットという目標に向かって進むのは、自分自身です。この自分自身は、ダイエットを進めるに従って、太っている状態から、やせている状態へと、徐々に変化していきます。
たとえば体重100kgからスタートしたとして、体重80kgまでダイエットが進めば、そのときの自分は、ダイエットを始めた当時の自分とは、いろんな点で変わっています。胃袋のサイズも変わっているかもしれませんし、食べ物の好みも変化しているはずです。食べるという行為に対する見方が根本的に変わっているかもしれません。
この変化に応じて、ダイエットの進行を切り替えると、効果が大きくなります。
これが、段階的進行の意義です。
b.『いつまでもデブと思うなよ』の段階的進行
『いつまでもデブと思うなよ』の段階的進行をざっくり解説します。
(a) 助走
最初は、助走です。『いつまでもデブと思うなよ』においては、助走は最初の段階であると同時に、もっとも重要な段階です。
助走はもっとも重要かつ全体の核になる段階である。
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助走段階でやることは、「口に入れたものを全て、毎日メモを取る」「毎日、同じ時刻に体重を計りメモを取る」という2つの記録、それだけです。
やることは「口に入れたものを全て、毎日メモを取る」「毎日、同じ時間に体重を計りメモを取る」の二つ。この記録をとるだけでいい。
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食事制限もしなければ、カロリー計算もしません。食べたいものを食べたいだけ食べながら、メモだけを続けます。
しかし、この段階ではダイエットはしない。ひたすら、記録取りに徹する。
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ガマンしないのが、助走段階の重要なポイントです。
・レコーディングダイエット第一段階「助走」のポイント
(1) 体重を毎日計る
(2) 口に入れたものすべてをメモする
(3) ガマンしない
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(b) 離陸
第二段階は、離陸です。
とりあえず、充分に食べて、太りたいだけ太るような食事や習慣を続けて、そしてなにより大事なことは、それらをちゃんとレコーディング=記録する。
すると不思議、ある日急に「あ、もういいや」と思える日が来る。
この日が「離陸」の日。
レコーディング・ダイエット、第二段階のスタートである。
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記録を取りつづけるという助走によって、「これはやせられる」と実感して、いよいよダイエットを始める段階。これが、離陸です。
あ、これはやせられる。やせるってこんなに簡単なんだ。 この計算、心の準備が「離陸」なのである。
これが理解できた瞬間、私はダイエットという大空に「離陸」していた。
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具体的には、「食べたもののカロリー計算」をします。しかし、まだ「カロリー制限」はしません。
離陸段階では、いよいよ「食べたもののカロリー計算」をはじめる。
まだカロリー制限はしなくていい。今まで食べたものや、今日食べたものがどれぐらいのカロリーなのかを知るのが目的だ。
また離陸段階では、体脂肪のレコードもはじめる。
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離陸段階でも、まだ、ガマンしません。
・レコーディングダイエット第二段階「離陸」のポイント
(1) 体重・体脂肪率を毎日計る
(2) 口に入れたものすべてをメモし、カロリーを計算する
(3) どうやれば総カロリー数を減らせるか想像してみる。でもガマンはしない
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(c) 上昇
第三段階が、上昇です。
上昇段階では、いよいよカロリー制限を開始します。
上昇段階では、「一日あたりのカロリー摂取量を一定範囲内に抑える」ことを目指す。摂取カロリーは「自分の基礎代謝量ギリギリ」あたりが、最も効率よくやせられる。
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上昇段階では、食事とはある種のパズルゲームなのだ。ルールは単純、「毎日一五〇〇kcal以内に収める」「できるだけ好きなものを食べる」、この二つだけだ。
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栄養バランスを考えたり、運動をしたり、といったことはしません。カロリーというひとつの基準に絞って、カロリー制限をしつつ、できるだけ好きなものを食べる。
これが、上昇段階のポイントです。
・レコーディングダイエット第三段階「上昇」のポイント
(1) 体重・体脂肪率を毎日計り、口に入れたものすべてをメモし、カロリーを計算する
(2) 一日の摂取カロリーを年齢・性別にあわせて決め、それを守る
(3) 食べ過ぎても後悔や反省はせず、翌日からのフォローで切り抜ける
(3) 毎日、水を二リットル飲む
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(d) 巡航
第四段階は、巡航です。
巡航段階は、ダイエットが停滞しやすい時期なので、それに対するケアが中心です。
ひとつは、心理的な不安に対するメンタルケアです。
「巡航」段階では、以上のような「停滞期かも? という不安」や「七五日目変化の前兆」に対するメンタルなケアが必要になってくる。
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もうひとつは、いたずらに不安にならないように、きちんと客観的データを見る、ということです。
週一回、平均値を求めてから体脂肪重量を計算すれば、充分だ。
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すると、意外な事実がわかってくる。
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最近の数日間の体重変化だけを見て、あわてたり落胆したりする前に、きちんとデータを集め、レコーディングすることが重要なのだ。
体重や体脂肪重量の変化は、一日単位ではなく週単位で評価しよう。
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さらに、同じダイエット法を続けると効果があがりにくくなることから、巡航段階では、世の中にあまた存在するいろんなダイエット法を試します。
ならば話は簡単。数週間ごとに新しいダイエット法を切り替えればいい。レコーディング・ダイエットを併用している限り、カロリー制限はされているわけだから、他のダイエット法をいくら切り替えても平気。
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・レコーディング・ダイエット第四段階「巡航」のポイント
(1) 七五日目あたりに体調の変化がある
(2) 体重や体脂肪は、脈動的に変化する
(3) 停滞期はいろんなダイエット法を併用して乗り切ろう
(4) 豆乳野菜ジュースはオススメ
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(e) 再加速
第五段階は、再加速です。
この段階では、食べ物の好みが変化して、がまんしなくても、太りにくいものを食べたくなってきます。
一番わかりやすい転機は、自分の好物に明らかな変化が見られたときだ。
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この変化、実は単なる味の好みの変化ではなく、もっと大きな変化の前兆である。 この「再加速」段階で、レコーディング・ダイエットはいよいよ最終段階に近づく。
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また、体が発する満腹サインにも気づくことができるようになります。
体が発する満腹のサインに気づくようになると、空腹というサインもわかるようになる。禁断症状のような激しい飢餓感ではなく、微妙な空腹感のことだ。
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体がどんな栄養を求めているか、もわかるようになります。
空腹・満腹という「胃袋からのサイン」がわかるようになると、もう一つのもっとか細いサインが聞こえるようになる。 それは、身体自身が発する「○○が食べたい」「○○が必要だ」というサインだ。
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単に「やせること」を超えた「やせた状態を続けること」のために、再加速段階は、大切な段階です。
・レコーディングダイエット第五段階「再加速」のポイント
(1) 食べ物の好みの変化に気をつけよう
(2) 「満腹」や「ちょうどいい」の直前、「まだちょっと足りない」で食事をやめよう
(3) 「○○が食べたい!」という欲望ではなく、「○○を欲しがっているな」という体の欲求を自覚しよう
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(f) 軌道到達
最後の第六段階が、軌道到達です。軌道到達は、ダイエットという意図的な努力をしなくても、痩せている状態を続けられる状態です。
それと同じく、ダイエットするなどという努力なしでも、やせていられる状態。それがレコーディング・ダイエットの最終段階「軌道到達」だ。
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記録もやめて、カロリー制限もしなくても、やせた状態を続けることができる。これが、軌道到達です。
「軌道到達」段階では、いよいよ計器飛行をやめて有視界飛行にうつる。すなわち「レコーディングをやめて、カロリー制限もしないで食事する」という段階だ。
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軌道到達段階に達したかどうかのメルクマールは、「あ、もういいや」と思って食べるのをやめられるか否か、です。
ひとくち食べるたびに味わい、「自分はあとひとくち、本当に食べたいだろうか?」と感じながら食べてみよう。今回の食事は実験だ。あんまり楽しめないかもしれないけど、とりあえずひとくちごとに悩んで食べてみよう。
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そして、もしあなたが簡単に「途中で『あ、もういいや』と思って食べるのをやめられた」人だったら……おめでとう! あなたはいま「軌道到達」段階に達した。
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軌道到達段階に至れば、「食べると太っちゃうからガマンして食べるのをやめる」ではなく、「欲しくないから、食べるのをやめる」になります。
しかしレコーディング・ダイエットの「軌道到達」段階では、「欲しくないから」食べるのをやめるのだ。 つまり「軌道到達」段階に達するということは、「必要な分だけ食べたら、努力なしに食べるのをやめられる」という状態になっているわけだ。 この段階でついに、ダイエット生活は卒業だ。
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ここまでくれば、単に「やせること」ではなく、「やせた状態を続けること」という目標を達成することができます。
(4) うまくいくことだけを続ける
『いつまでもデブと思うなよ』の4つ目の特徴は、むずかしいことにチャレンジしない、うまくいくことだけを続ける、という戦略です。『いつまでもデブと思うなよ』は、うまくいくことだけを続けるという戦略を、成功するコツだと断言します。
ダイエットに限らず、成功するコツって「できることしか決心しない」ことだと思う。「自分に約束したことがちゃんとできた」というのは、どんな小さな事でも実績として評価してあげる。徐々に実績が積み上がったら、それが「自信」へと育つんだ。
location 3189
なぜ、『いつまでもデブと思うなよ』は、うまくいくことだけを続ける、という戦略を強調するのでしょうか。それは、モチベーション維持のためです。
●なぜ僕がレコーディングダイエットで「助走」を繰り返し強調するのか、もこのモチベーション維持に関係してる
location 3096
『いつまでもデブと思うなよ』は、ダイエットの成功を目指すなら、「成功することしかトライしちゃダメ」と言います。なぜなら、モチベーションは、勝っている限り、絶対にあふれてくるからです。
●結論から言うね。ダイエットの成功を目指すなら、「成功することしかトライしちゃダメ」なんだよR
location 3104
やる気とかモチベーションというのは「勝ってる限り」絶対にあふれてくるんだ。
location 3106
ここでいう「勝つ」とは何でしょうか。なんでもいいそうです。うまくいっていれば、「勝つ」であって、モチベーションがあふれてきます。であれば、うまくいくことだけを続けていれば、モチベーションはなくなりません。
●「勝つ」とは誰にか? 別に誰でもない。自分に、でもない。ダイエットというゲームに勝つだけなんだけどね(笑) 怪しげな精神論や自己啓発を語るつもりはないから安心してね。あくまで技術論です
location 3107
『いつまでもデブと思うなよ』は、食べたものと体重をメモするだけ、という助走段階を強調します。これは、食べたものと体重をメモするだけなら、ちょっとがんばればうまくいくからです。助走段階であれば、ずっと勝ち続けて、ずっとモチベーションが出てきます。
●「助走」とか「体重計ってメモするだけ」というのは、自分しか見ないメモ帳に書いてる限り「成功」と捉えやすい。つまり「続いてるだけで上出来」と考えやすい。
「体重が減る」という成果を望むのではなく、まず「メモをつける」だけを目標にすべき
負けようがないルールを作って試合に臨めばいいのか。
●そう!
location 3109
うまくいくことだけを続ける。この戦略こそ、『いつまでもデブと思うなよ』式ダイエットの、大きな強みです。
(5) 記録し続けることを何よりも重視する
最後に、『いつまでもデブと思うなよ』は、記録し続けることを何よりも重視します。
まず、第一段階の助走が要求するのは、記録だけですが、この第一段階は、最も重要で全体の核となる段階だとされます。
助走はもっとも重要かつ全体の核になる段階である。
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第二段階以降の中心も、記録です。カロリー制限を始める「上昇」段階では、カロリーオーバーをしてもいいから、記録を続けるように強調されます。
レコーディング・ダイエットの本質は「記録すること」であって、「カロリーを抑える」のは二の次だ。だから無理やりに制限値を守るよりも、まず「カロリーを目標内に抑えながら、記録を続ける」と考えよう。
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「食べすぎ」よりも、「記録していない」方がずっと失敗なのだ。
location 1339
停滞期の巡行段階では、メンタルケアのために記録を見返すことが提案されます。
落ち込んだとき、くじけそうになったときこそ、自分の記録を見直すのだ。 「もうダメだ」「もう限界だ」と落ち込んでいる時は、人間かならず「一人で思い込み」の中に落ちている。そういうときには、自分の今までの記録を見る。
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『いつまでもデブと思うなよ』式ダイエットは、「レコーディング・ダイエット」という名前です。その名の通り、「レコーディング・ダイエット」の本質は、「レコーディング」つまり記録です。
記録し続けることを何よりも重視すること。これが、『いつまでもデブと思うなよ』のもっとも基本的で大切なポイントです。
いよいよ、この章から「レコーディング・ダイエット」の内容を説明しよう。 レコーディング・ダイエットとは「記録することによるダイエット」であり、記録するという行為の積み重ねによって自分の行動管理を目的とする。
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2.『いつまでもデブと思うなよ』式目標達成術
さて、以上の説明からも明らかですが、『いつまでもデブと思うなよ』の考え方・取り組み方は、ダイエットにかぎらず、ダイエット以外の目標達成に応用することができます。
本書で説明しているダイエット法は、単純だけど奥が深い。実はダイエットだけでなく、生き方や人生に対する姿勢そのものも劇的に変えうる効果がある。
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『いつまでもデブと思うなよ』自身、このように述べています。
問題を明確にするために、自分にとってうれしくない結果も正確に記録し、認識すること。
問題が起こってからあたふたするのではなく、あらかじめ問題を想定して、答えを用意しておくこと。
自分にできること・できないこと、得意なこと・不得意なことの境目をはっきりさせ、できること・得意なことだけに全力をかたむけること。
そして何よりも、続けられるように創意工夫すること。
これが本書で説明するダイエット法の本質である。それはダイエットだけでなく、仕事や人生の様々な局面で活躍する問題への取り組み方としても充分に有効だ。
ダイエットが成功した暁には、人生への取り組み方も進化しているだろう。
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そこで、『いつまでもデブと思うなよ』のダイエット法を、ダイエット以外の目標達成一般に応用する、『いつまでもデブと思うなよ』式目標達成術を、5つのポイントに沿って、考察します。
- (1) 「続けること」が課題であることを自覚する
- (2) 「なぜ?」を重視する
- (3) ゆっくりじっくり段階的に進む
- (4) うまくいくことだけを続ける
- (5) 記録し続けることを何よりも重視する
(1) 「続けること」が課題であることを自覚する
「続けること」こそが大切なのは、ダイエットにかぎらず、多くの目標にあてはまることです。瞬間的にある状態に到達しても、その後、特別な努力をしなくてもその状態を維持できるのでない限り、あんまり意味がありません。
たとえば、卑近な例ですが、今の年収が500万円の人が「年収2000万円が目標だ!」と掲げたとして、いろいろがんばった結果、翌年に年収2000万円を達成したとします。でも、そのさらに翌年に年収200万円に下がってしまったら、おそらく本末転倒です。「年収2000万円」という目標は、翌年1年だけ単年で達成すればよい目標ではなく、その後、ある程度長期間継続して年収2000万円を達成し続けることを意味しているはずです。
であれば、最初から、ある程度継続して年収2000万円を達成し続ける方法を考えて、実行する必要があります。
つまり、こういうことです。
「○○を達成する」と「○○を達成し続ける」は、別の目標である。「○○を達成する」という目標に到達するためにやるべきことと、「○○を達成し続ける」という目標に到達するためにやるべきことは、多くの場合、まったく別のことである。
かなり多くの場合、人が、「○○を達成する」という目標を掲げたとき、そのほんとうの意味は、「○○を達成し続ける」という目標である。であれば、その目標に到達するための手段も、「○○を達成する」ための手段ではなく、「○○を達成し続ける」ための手段を選ぶべきである。
したがって、最初の段階で、「○○を達成する」という目標をきちんと考えて、「○○を達成する」でよいのか、それとも「○○を達成し続ける」までが必要なのかを、きちんと見極めることが大切である
(2) 「なぜ?」を重視する
『いつまでもデブと思うなよ』は、「なぜ?」をとことん重視します。ダイエットだけでなく、目標一般に、「なぜ?」は力を発揮します。
いくつかあると思うのですが、ここでは、3つのことを指摘します。
ひとつめは、目標に向かって進む過程で、「なぜ?」と「どのように?」という2つの疑問文を活用することです。定期的に、この2つの疑問文を自分に問いかけます。
ふたつめは、とりわけ「なぜ?」を重視することです。「なぜ、その目標を達成したいのか?」という根本的な「なぜ?」だけでなく、「この目標を達成するために、なぜ、この戦略を採用するのか?」「この目標との関係で、なぜ、この作業が必要なのか?」といった、いろんなレベルで、「なぜ?」という疑問文を活用できます。
みっつめは、「なぜ?」という疑問文の役割は、正確な知識とモチベーションのためだということです。
目標に向かって進む途中で疲れてくると、「なぜ?」という疑問文を自分に投げかけることで、サボる自分を正当化してしまうことがあります。「なぜ、この目標を達成したいのか?」→「目標達成は、それほど大切じゃない。」→「であれば、多少サボっても問題ない。」というような感じです。
「なぜ?」を、サボる自分を正当化するために使っても、あんまりいいことはありません。「なぜ?」は、あくまでも、正確な知識とモチベーションを得るために使います。
(3) ゆっくりじっくり段階的に進む
『いつまでもデブと思うなよ』の特徴である段階的進行は、ダイエットだけでなく、広く目標一般に活用できます。
a.目標に向かって進む過程で自分が変化することを自覚する
まず大切なのは、なぜ段階的進行が大切なのか、です。
ダイエットで段階的進行が大切なのは、目標に近づくにつれて、つまり、体重が減るにつれて、自分自身が変化するからです。自分自身が変化するので、変化した自分自身に応じて、目標へのアプローチを変えていく方が効果的です。
これと同じように、多くの目標では、目標に近づくにつれて、自分自身が変化します。そのため、自分自身の変化を踏まえて、目標へのアプローチを変えていく方が効果的です。
たとえば、資格の取得を目指して、試験勉強をするとします。最初は、対象の試験のことをなんにも知らず、試験が要求する思考スキルはゼロですが、目標に向けて勉強を進めれば、知識も増えますし、思考スキルも上がります。そのため、勉強が進めば、最初の頃にやっても無駄なことが、役に立つようになります。
目標に向かって進むと、自分自身がどのように変化するのか。これを考慮に入れて、目標に到達するまでの道のりを、段階的に設計することは、ダイエットにかぎらず、目標一般に通用する考え方です。
b.段階を設計するときの基本的な考え方=初期段階では、簡単だけど全体への波及効果が大きいことにじっくり時間をかける
『いつまでもデブと思うなよ』は、段階的進行を設計するときの、基本的な考え方を示します。それは、初期段階では、簡単なことにじっくり時間をかける、というものです。
どんな目標を目指すにせよ、その目標との関係で、簡単だけれど全体への波及効果が大きい行為、というものが存在します。たとえば、大学受験や資格試験の勉強なら、試験問題の出題傾向を把握することは、簡単だけれど波及効果が大きい行為の一例です。
段階的進行の初期段階で、簡単だけど全体への波及効果が大きいことにじっくりと存分に時間をかけることは、うまく機能する段階的進行を設計するための基本です。
(4) うまくいくことだけを続ける
『いつまでもデブと思うなよ』は、「続けること」を大切にします。「続けること」を実現するために、モチベーションの維持を大切にします。そして、モチベーションを維持するために、「うまくいくことだけを続ける」という戦略を採用します。
この「うまくいくことだけを続ける」という戦略は、ダイエット以外の目標にも使える戦略です。
ポイントは、「うまくいく」か否かの基準を、自分で決めていい、ということです。勝利条件を設定するのは、自分です。自分が確実に勝てるルールを自分で設定することで、確実に勝ち続けることが、この戦略のポイントです。
(5) 記録し続けることを何よりも重視する
4つめの特徴である「うまくいくことだけを続ける」という戦略は、強力な戦略なのですが、ひとつ大きな課題があります。それは、「簡単にできて、確実にうまくいく」かつ「目標達成に役立つ」行為を見つけることです。
というのも、目標を達成するために何の役にも立たないことをいくらうまくやり続けても、目標には、ちっとも近づきません。これでは、たとえ勝ち続けていても、そのうちモチベーションはなくなるでしょう。
しかし、「簡単にできて、確実にうまくいく」という条件と、「目標達成に役立つ」という条件を兼ね備えた行為は、存在するのでしょうか。そんな虫のいい話はあるのでしょうか。
『いつまでもデブと思うなよ』は、ひとつの具体的な答えを示しています。それが、「記録し続けること」です。
「記録し続けること」は、簡単にできて、確実にうまくいくことです。記録することは、なんにも難しくありません。アナログなら紙とペン、デジタルならスマートフォンと何らかのメモアプリさえあれば、できます。記録さえすれば勝利ですので、確実にうまくいきます。
それでありながら、「記録し続けること」は、どんな目標との関係でも、目標達成に役立ちます。記録し続ければ、その記録からいろんなことが見えてきますし、また、記録することによって自分の行動をコントロールすることもできるからです。
どんな目標を達成しようとする場合でも、その目標との関係で自分の行動をこまめに記録し続けること。これが、『いつまでもデブと思うなよ』式目標達成術の核心です。
3.おわりに
ながながと書きましたが、本そのものを読むのがいちばんです。『いつまでもデブと思うなよ』は、ダイエットの必要性をぜんぜん感じていない人にもおすすめです。
↑このリンクから、1章と2章をまるごと読めます。
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