文章の個数(WorkFlowyで文章を書くこと)
1.文章の個数は仮のもの
WorkFlowyで文章を書くようになって実感したことは、「文章の個数は仮のもの」ということです。
たとえば、次のリストは、これまでにこのブログに書いた文章です。
- WorkFlowy検索の基本と応用
- WorkFlowyの検索機能は、ちょっと特別なトピック折りたたみ機能である。
- データベースとリスト(ひとつの秩序でいろんな役割を果たすための、WorkFlowyの発想)
- WorkFlowyには、トピックを特定の条件で並び替える機能が用意されていない
- WorkFlowyのトピック移動機能とは何で、どのような役割を果たすのか?
- WorkFlowyのトピックは、一定のルールによる制約はあるけれど、手動で自由に移動して、組み立てることができる
エントリの数は、3つです。「文章の個数は何個か?」と問えば、答えは3つです。
でも、この3つの文章は、3つすべてが、「WorkFlowyが持っている秩序は、順番と深さからなる二次元ただひとつである」ということとつながっています。
つまり、
- WorkFlowyのトピック群は、順番と深さからなる二次元の構造をしている。この二次元は、自分でトピックを移動しない限り、変わらない。WorkFlowyは、特定のトピックだけを抽出して別途表示する機能や、トピックを自動で並び替える機能を持っていないためである。
- WorkFlowyは、検索機能を持っている。しかし、WorkFlowyの検索機能は、もともとのリストの一部を折りたたんだり展開したりする機能であって、特定のトピックだけを抽出して表示する機能ではない(WorkFlowy検索の基本と応用)。
- また、WorkFlowyは、トピックを特定の基準(更新日時や50音順など)によって並び替える機能を持っていない。WorkFlowyのトピックを並べるには、トピック移動機能を使って、手動でトピックを動かす必要がある(データベースとリスト(ひとつの秩序でいろんな役割を果たすための、WorkFlowyの発想)、WorkFlowyのトピック移動機能とは何で、どのような役割を果たすのか?)。
- このように、WorkFlowyが持っている秩序は、順番と深さからなる二次元ただひとつである。このただひとつの秩序をどのように組み立てるかが、WorkFlowyをどう使うかと、密接につながっている(WorkFlowyに存在する秩序は、順番と深さからなる二次元の階層構造ただひとつ(「ただひとつ」というWorkFlowyの思想その3))。
のような感じです。
WorkFlowyに存在する秩序は、順番と深さからなる二次元の階層構造ただひとつ(「ただひとつ」というWorkFlowyの思想その3)
こう考えると、これら4つのエントリは、全部でひとつの文章である、とも言えます。
このように、文章の材料が同じでも、どのような観点からどのように組み立てるかによって、文章の個数は変わります。これが、「文章の個数は仮のもの」ということです。
2.WorkFlowyで文章を書くことと「文章の個数は仮のもの」
先日、「文章を書くツール」の変遷を整理しました。
「文章を書くツール」は次の5つで、
- B6ノート
- テキストエディタ
- 紙copi
- Evernote
- WorkFlowy
これら5つのツールの間にある変遷は、次の4つでした。
- デジタルからアナログへ(B6ノート→テキストエディタ)
- 「ひとつの文章を書くためのツール」から「大量の文章群全体を管理するためのツール」へ(テキストエディタ→紙copi)
- ローカルからクラウドへ(紙copi→Evernote)
- 「ひとつの文章をひとつのノートに書く」から「ひとつの文章を複数のトピックから組み立てる」へ(Evernote→WorkFlowy)
「文章の個数は仮のもの」との関係では、次の2つが大切です。
- 「ひとつの文章を書くためのツール」から「大量の文章群全体を管理するためのツール」へ(テキストエディタ→紙copi)
- 「ひとつの文章をひとつのノートに書く」から「ひとつの文章を複数のトピックから組み立てる」へ(Evernote→WorkFlowy)
「大量の書きかけの文章群全体を管理する」ことも、「ひとつの文章を複数のトピックから組み立てる」ことも、知的作業としては、かなり高度な部類に属するように思います。少なくとも、これをアナログツールやテキストエディタで実践しようとすれば、多くの工夫が要求されます。
でも、WorkFlowyを「文章を書くツール」として使えば、ただ普通にWorkFlowyで文章を書いているだけで、「大量の書きかけの文章群全体を管理する」ことと「ひとつの文章を複数のトピックから組み立てる」ことを実現できます。意識してそうしようと思わなくても、自然とそうなります。
そして、「大量の書きかけの文章群全体を管理する」ことと「ひとつの文章を複数のトピックから組み立てる」ことを続けていると、「文章の個数は仮のもの」ということが、いくつもの具体例によって実感をもって理解できます。
これが、「文章を書くツール」としてのWorkFlowyの持つ、ひとつの強みです。
お知らせ
このエントリは、その後、加筆修正などを経て、書籍『クラウド時代の思考ツールWorkFlowy入門』の一部分となりました。
書籍『クラウド時代の思考ツールWorkFlowy入門』の詳細目次と元エントリは、次のとおりです。
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