*

ブックマークレット「KindleHighlight」で、「kindle.amazon.co.jp」から、Kindle本のハイライト箇所を、シンプルなデータで、クリップボードに取り込む

公開日: : 最終更新日:2015/04/07 Kindle,

その後の展開です。(2015-04-07追記)

1.解消したい課題

(1) 前提:「読書ノート」の素材として、Kindle本のハイライト箇所を、「kindle.amazon.co.jp」から取り込む

Kindle本でハイライトした箇所は、「kindle.amazon.co.jp」というページの「Your Highlights」にアクセスすれば、ブラウザから一覧で表示できる。

ハイライト一覧ページ

この機能は、Kindle本の「読書ノート」を作るための素材として、おおいに役立つ。

(2) いくつかの問題

しかし、「kindle.amazon.co.jp」の「Your Highlights」で表示できるハイライト一覧には、「読書ノート」の素材として、いくつかの弱点もある。

a.単純なコピー&ペーストだと、引用部分が抜け落ちてしまう

「kindle.amazon.co.jp」の「Your Highlights」に表示されたハイライト一覧を単純にコピー&ペーストするだけだと、引用部分をコピー&ペーストすることができない。

【具体例】

たとえば、こんな感じで、『7つの習慣』のハイライト箇所を表示させたとき、

Kindleの個人ページのハイライト一覧

これをブラウザからコピーしても、

ハイライト一覧をそのままコピーすると、

他のツール(たとえばWorkFlowy)に貼り付けると、こんなふうになってしまう。

そのままコピーすると、ハイライトのテキストがペーストできない

肝心のハイライト箇所の引用が抜け落ち、locationやメニューの文字列だけになる。

一番肝心なところが抜け落ちてしまうので、単純なコピー&ペーストでは、「読書ノート」の素材を取得することはできない。

b.Evernoteにウェブクリップすると、あんまりいい感じじゃない

「kindle.amazon.co.jp」の「Your Highlights」をEvernoteのウェブクリッパーでウェブクリップして、Evernoteのノートにすれば、引用部分をコピー&ペーストすることができる。

【具体的な手順】

いったんEvernoteにウェブクリップし、

いったん、Evernoteへウェブクリップする

Evernoteのノートにしてしまえば、

Evernoteのノート。これなら、普通にコピー&ペーストできる。

普通に他のツール(たとえばWorkFlowy)にペースト可能。

EvernoteからWorkFlowyにペーストすると。

しかし、「kindle.amazon.co.jp」の「Your Highlights」をEvernoteのウェブクリッパーでウェブクリップしてできるEvernoteのノートは、あんまりいい感じじゃない。

【具体的には】

Evernoteのノートは、こんな感じ。

Evernoteのノート。これなら、普通にコピー&ペーストできる。

このノートには、以下の問題がある。

  • 「Add a note」などの余計な文字列が入っている
  • 次の本を読み込むためのアイコンが入る
  • いろんな書式が設定されていて、データ容量も大きめだし、他のツールにコピー&ペーストしようとすると、多少扱いづらい

(3) 課題

この問題は、次のことが実現できれば、解決できる。

  • 「kindle.amazon.co.jp」の「Your Highlights」で表示されるハイライト箇所を、シンプルなデータで、クリップボードに取り込む
  • 取り込みたい要素は、次の2つ
    • 「本からの引用部分」
    • 「Location」の番号(Kindleへのハイパーリンク情報を取り込めれば、なおよし)

どうすれば、これを実現できるか?

2.課題の解決=ブックマークレット「KindleHighlight」

(1) ポイント

@hilotterさま作のブックマークレット「KindleHighlight」を使えばよい。

[kindle]読書メモ(Highlight)をEvernoteにいい感じに保存できるブックマークレットをつくった | hello-world.jp.net

KIndleHighlight

「kindle.amazon.co.jp」の「Your Highlights」で取り込みたいKindle本のハイライト一覧を表示させて、ブックマークレット「KindleHighlight」を使えば、クリップボードにコピーできるかたちの、シンプルなデータ形式で、ハイライト一覧が、ブラウザに表示される。

こんな感じ。

ブックマークレット実行後

このページは、通常のコピー&ペーストが可能なので、EvernoteやWorkFlowyなど、任意のツールにペーストして取り込めばよい。

(2) ブックマークレット「KindleHighlight」の使い方

a.ブラウザへ登録する方法

ブックマークレットを登録したいブラウザから、以下のページにアクセスする。

KIndleHighlight

次のようなページになるので、

ブックマーク登録画面。ドラッグドロップ

リンクの文字列を、ブラウザのブックマークにドラッグ&ドロップする。

2つのブックマークレットの使い分けは、以下のとおり。

  • KindleHighlight
    • Location番号なしの、シンプルなもの
  • KindleHighlight(With Location)
    • Location番号とKindleのURLへのハイパーリンク付き

b.ブックマークレットの使い方

「kindle.amazon.co.jp」の「Your Highlights」にアクセスして、ハイライト箇所を取り込みたいKindle本を表示させる。

(「kindle.amazon.co.jp」の「Your Highlights」に対象のKindle本が見つからない場合は、画像をハイライトしていないかを確認すると、解決するかもしれません。→【参考】Kindleのハイライト箇所が「kindle.amazon.co.jp」に表示されないときの対策手順

もともとのハイライト一覧画面。

ブックマークレットを実行する。

こんなふうに変換される。

ブックマークレット実行後

ひとつの引用箇所をピックアップすると、こんな感じ。

一つの引用箇所をピックアップすると

あとは、これをコピーして、任意のツールにペーストすればよい。

(3) ブックマークレット「KindleHighlight」を使うことで実現できること

a.抽象的に言うと

以下の条件を満たしたデータ形式で、ハイライト箇所のデータを、クリップボードに取り込むことができる。

  • 引用部分のテキストデータを含んでいる
  • 余計な書式情報や文字列が取り除かれている
  • Locationの番号と、Locationに対するハイパーリンクは残っている

b.Evernoteに取り込むと

このデータをEvernoteに取り込む(ペーストする)と、こんなシンプルなノートができる。

Evernoteへペーストすると、kindleへのリンクも生きている

特筆すべきは、Location番号の文字列。番号でLocationを示すだけでなく、この文字列自体がハイパーリンクになっている。

evernoteに取り込んだノートは、Locationがリンクになっている。

ハイパーリンクは、

「kindle://book?action=open&asin=B00M84FOES&location=88」

という「kindle://book」から始まるURLで、これはKindleアプリに対応したURLスキームである。

そのため、このハイパーリンクをクリックすると、Kindleアプリが立ち上がり、

kindleアプリの起動画面

Kindle本の該当箇所が表示される。

これがWindows版で、

kindleアプリが起動した

これがMac版。

リンクをクリックすると、Kindleアプリが起動する

c.WorkFlowyに取り込むと

このブックマークで取得したページをWorkFlowyに取り込む(ペーストする)と、こんなシンプルなトピックができる。

WorkFlowyにペーストするだけで、データ取り込みが可能に。

WorkFlowyは、リンク情報を保持しないので、Locaiton番号の文字列のハイパーリンクは消えてしまう。

しかし、いちいち「Add a note」を置換したり、いったんEvernoteに取り込んだり、といった手間はなくなる。

(この点を解消するため、kindleのURLをWorkFlowy内に書く、という方法を考えている。
WorkFlowyにKindleのURLを書いて、「読書ノート」を育てる

3.経緯と関連情報と個人的な野望

(1) 経緯

先日、「WorkFlowyで、Kindle本の「読書ノート」を作る」というエントリを公開したところ、あきさんから、こんなアドバイスをいただきました。

さっそく、この「KindleHighlight」というブックマークレットを試してみたところ、Evernoteを経由しないコピー&ペーストが可能である点はとてもすばらしかったのですが、その時点では、Location番号を取得することができませんでしたので、常用まではできないかなあ、と感じていました。

ところが、その後、「KindleHighlight」の作者さまである@hilotterさまが、Locationも取り込めるブックマークレットを追加してくださいました!

おまけに、私が期待していたのは、Location番号の文字列を取得するところまでだったのですが、新しい「KindleHighlight」は、私の要望を大きく超えて、Location番号のKindleのURLまで取得することが可能なブックマークレットになっていました。

そこで、私は、自分のKindle本の「読書ノート」の仕組みの中に、この「KindleHighlight」を取り入れることにしました。

(2) Kindle本の「読書ノート」に関連する情報

a.kindle.amazon.co.jpに関連する情報

Kindleの個人ページ(kindle.amazon.co.jp)はおもしろい

Kindleの「ハイライト」「メモ」「共有」の基本を整理する

Kindleのハイライト箇所が「kindle.amazon.co.jp」に表示されないときの対策手順

b.EvernoteでKindle本の読書ノート

Evernote×読書「Evernoteにクラウド読書ノートを作る」(『ソーシャル時代のハイブリッド読書術』Chapter-4のご紹介)

Kindleのハイライト箇所をテキストでEvernoteに取り込み、読書のアウトプットを促す(kindle.amazon.co.jp)

Kindleの個人ページをウェブクリップして、Evernoteに読書メモを残す

c.WorkFlowyでKindle本の読書ノート

WorkFlowyで、Kindle本の「読書ノート」を作る

WorkFlowyで作るKindle本の「読書ノート」の実例:『三色ボールペンで読む日本語』

(3) おまけ:個人的な野望

個人的には、「ブックマークレットを使えば、こんなことまでできるんだ!」と、大きな衝撃を受けています。

現状の「KindleHighlight」のままでも、大変強力なのはまちがいありません。ですが、自分の使い方を具体的に想定すると、もっともっと便利なブックマークレットを作ることもできそうです。

「KindleHighlight」は、@hilotterさまが作ってくださった基本ツールなので、今後、自分でブックマークレット(JavaScript)を勉強して、彩郎仕様のブックマークレットを作りたいなあという野望を抱いています。

このときに実現したいのは、次の3点です。

  • 表示する情報は、次の3つ
    • 引用部分
    • location番号
    • KindleのURLの文字列
  • ひとつの引用と次の引用との区切りに、「bq」という文字列を入れる
  • 引用部分、location番号、KindleのURLの文字列の行頭に、それぞれ、全角スペースを1つ入れる

この3つを実現すると、WorkFlowyへのコピー&ペーストだけで、こんなトピックが出来上がるはずです。

彩郎版ブックマークレットの完成イメージ

このトピックには、次の2つの強みがあります。

  • ひとつの引用に関して、必要な情報のすべてが、「bq」という親トピックの子トピックとしてまとまっている。
  • KindleのURLをクリックすることで、WorkFlowyからKindleアプリにジャンプできる。

これが実現できれば、私のWorkFlowy読書ノートが進化することはまちがいありません。

WorkFlowyにKindleのURLを書いて、「読書ノート」を育てる

もっとも、私は、JavaとJavaScriptの違いもわかっていない素人なので、先は長そうですが、まあ、ぼちぼちやっていきます。

彩郎版のKindleハイライト取得ブックマークレットを構想する

スポンサードリンク

関連記事

no image

Kindleのいいところを活かすために、4つのエリアのKindle本をそろえる

1.Kindleのいいところを活かすために、本のバランスを整える (1) Kindleのいいところ

記事を読む

no image

Amazonアソシエイトで、自分の土台を構成する本のリストを設置する

1.Amazonアソシエイトのお気に入りウィジェット Amazonアソシエイトプログラムにも登録し

記事を読む

no image

「自分のブログに自分の言葉で文章を書く」という読書後の行動

1.収穫を得ることを目的とする読書でいちばん大切なのは、読書後の行動 読書する目的のひとつは、その

記事を読む

no image

書評エントリの分類

1.書評エントリの分類を考える (1) じぶん史上最強の読書術は、書評エントリを書くこと 私がこ

記事を読む

no image

情報の構造を活かし、Amazonから目次をWorkFlowy&MemoFlowyに取り込む「入口」拡張ツール

1.はじめに 昨日、マロ。さんによって、「kindle highlight to WorkFlowy

記事を読む

no image

伊坂幸太郎『終末のフール』の中の、私が好きな言葉たち【一部ネタバレあり】

1.『終末のフール』の紹介 (1)『終末のフール』が、私の、伊坂幸太郎ベスト1です。 『終末のフ

記事を読む

no image

8年後に世界が滅びることを知ってからの5年間を、どう生きるか(『終末のフール』感想文)

1.8年後に世界が滅びることがわかってから5年後の世界 (1) 『終末のフール』のこと 『終末のフー

記事を読む

no image

【2015年の読書】WorkFlowyとKindleによる読書システムの進化とその影響

2015年12月になりました。2015年最後の1ヶ月です。 2015年も、いろいろなことがあった一年

記事を読む

no image

なにかおもしろいことができる自分の場所を育てる。『「Chikirinの日記」の育て方』を読んだその後。

1.『「Chikirinの日記」の育て方』から得た「なにかおもしろいことができる自分の場所を育てる」

記事を読む

no image

WorkFlowyで作る紙の本の読書ノートの実例:『[超メモ学入門]マンダラートの技法』

1.はじめに 読書からの収穫を増やすために、当たりだと感じた本と出会えたときには、「読書ノート」を作

記事を読む

スポンサードリンク

スポンサードリンク

no image
お待たせしました! オフライン対応&起動高速化のHandyFlowy Ver.1.5(iOS)

お待たせしました! なんと、ついに、できちゃいました。オフライン対応&

no image
「ハサミスクリプト for MarsEdit irodrawEdition」をキーボードから使うための導入準備(Mac)

諸事情により、Macの環境を再度設定しています。 ブログ関係の最重要は

no image
AI・BI・PI・BC

AI 『〈インターネット〉の次に来るもの 未来を決める12の法則』を読

no image
[『サピエンス全史』を起点に考える]「それは、サピエンス全体に存在する協力を増やすか?」という評価基準

1.「社会派」に対する私の不信感 (1) 「実存派」と「社会派」 哲学

no image
[『サピエンス全史』を起点に考える]サピエンス全体に存在する協力の量と質は、どのように増えていくのか?

『サピエンス全史』は、大勢で柔軟に協力することがサピエンスの強みだと指

→もっと見る

  • irodraw
    彩郎 @irodraw 
    子育てに没頭中のワーキングパパです。1980年代生まれ、愛知県在住。 好きなことは、子育て、読書、ブログ、家事、デジタルツールいじり。
    このブログは、毎日の暮らしに彩りを加えるために、どんな知恵や情報やデジタルツールがどのように役に立つのか、私が、いろいろと試行錯誤した過程と結果を、形にして発信して蓄積する場です。
    連絡先:irodrawあっとまーくtjsg-kokoro.com

    feedlyへの登録はこちら
    follow us in feedly

    RSSはこちら

    Google+ページ

    Facebookページ

PAGE TOP ↑