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WorkFlowyを使っていく上で大切なこと (WRM:20151221 から着想を得て)

公開日: : WorkFlowy

1.はじめに 〜倉下忠憲さんによる問い「Evernoteを使っていく上で、大切なことは何でしょうか。」〜

少し前になりますが、倉下忠憲さんのメールマガジン「Weekly R-style Magazine」の2015年12月21日号(WRM:20151221)に、「Evernoteの使い方」の話が載っていました。その中で、倉下さんは、「Evernoteを使っていく上で、大切なことは何でしょうか。」という問いを提起した上で、この問いを展開し、次のように考察を進めています。

大きく三つ考えられます。一つは、「そもそもEvernoteとは何か」を知ること。もう一つは、「Evernoteの操作方法」を知ること。最後の一つは「Evernoteの使い方」を知ること。この三つです。

それぞれみていきましょう。

一つ目の「そもそもEvernoteとは何か」は、基本的なスタートラインになります。これはEvernoteだけに限りません。他のツールを使う上でも、「そもそもこれは何か」という概念は、重要な土台となります。

(中略)

二つ目の「Evernoteの操作方法」は、特に説明は必要ないでしょう。各種ボタンの動作や、内蔵されている機能についての説明です。

(中略)

最後の「Evernoteの使い方」が、一番実用性が高く、一番扱いが難しいものでしょう。

(中略)

つまり、機能をベースにして、それをどのような用途に役立てるのかというのが「Evernoteの使い方」です。当然、その用途については「Evernoteとは何か?」という理解が関わってきます。

「Evernoteはこういう目的のために使えます」+「Evernoteにはこんな機能があります」=「Evernoteをこう使います」

こんな構図があるわけです。

この考察で、私が面白く感じた点が、2つあります。

ひとつは、ひとつの問いから展開した3つの問いです。「Evernoteを使っていく上で、大切なことは何か?」というひとつの問いが、「Evernoteとは、そもそも何か?」「Evernoteは、どのように操作するのか?」「Evernoteを、どのように使うのか?」という3つの問いに展開されています。

もうひとつは、「Evernoteはこういう目的のために使えます」+「Evernoteにはこんな機能があります」=「Evernoteをこう使います」という構図です。「Evernoteを使う目的」と「Evernoteが備える機能」を足し合わせたところに、「Evernoteの使い方」が生まれるという構図に、深く納得しました(とともに、この構図を踏まえているために、倉下忠憲さんによるEvernote本は古くならないんだろうな、と納得しました)。

この2つは、Evernoteだけに限らず、およそあらゆるツールを使っていく上で、広く応用可能な思考です。

  • 3つの問い
    • このツールとは、そもそも何なのか?
    • このツールは、どのように操作するのか?
    • このツールを、どのように使うのか?
  • 構図
    • 「ツールを使う目的」+「ツールが備える機能」=「ツールの使い方」

そこで、私は、この考え方を使って、WorkFlowyを使っていく上で大切なことを考えてみます。

2.WorkFlowyを使っていく上で大切な3つの問い

WorkFlowyを使っていく上で、大切なことは何でしょうか。3つあります。

  • 「WorkFlowyとは、そもそも何か?」
  • 「WorkFlowyは、どのように操作するのか?」
  • 「WorkFlowyを、どのように使うのか?」

この3つです。

順に考えてみましょう。

(1) WorkFlowyとは、そもそも何か?

「WorkFlowyとは、そもそも何か?」という問いは、WorkFlowyが持っている個別の機能を問うものではなく、WorkFlowyの位置づけや思想を問うものです。

当初、私は、WorkFlowyを、クラウドアウトライナーだと捉えていました。

しかし、現時点で、私は、WorkFlowyのことを、クラウドアウトライナーよりももう少し広げて、クラウドのテキスト管理システムだと捉えています。

WorkFlowyを「テキスト管理システム」と捉えて、WorkFlowyから大きな価値を引き出す

「トピック」という入れ物と、階層構造を活用して、テキストを動的に管理するシステムが、WorkFlowyです。

WorkFlowyを、アウトライナーではなく、テキスト管理システムだと捉えることによって、WorkFlowyを活用するいろんな方向性が見えてきます。

WorkFlowyは、思想を持ったツールです。WorkFlowyの思想には、ひとつの共通するキーワードで表現できます。「ただひとつ」です。

  • WorkFlowyは、アウトラインはただひとつで十分だし、ただひとつの方がずっと望ましい、という思想を持っています。
  • WorkFlowyは、テキスト情報を区切る単位は「トピック」ただひとつだけの方がよく、「ファイル」や「ノートブック」など、それ以外の単位を持ち込まないほうがずっとよい、という思想を持っています。
  • WorkFlowyは、アウトラインが持つ秩序はただひとつで十分であって、ただひとつの秩序はユーザーによって手作業で組み立てられるべきだ、という思想を持っています。

それぞれ、以下の記事で考察しました。

「ただひとつ」というWorkFlowyの思想に沿った使い方をすると、WorkFlowyはうまく力を発揮してくれるような気がします。この観点から考えたWorkFlowy活用原則が、WorkFlowy基本5原則です。

「WorkFlowyとは、そもそも何か?」という問いは、抽象的なので、この問いだけを独立で考えることができません。この問いを効果的に考えるには、次の2つの方向性が有効ではないかと思います。

(2) WorkFlowyは、どのように操作するのか?

「WorkFlowyは、どのように操作するのか?」は、WorkFlowyが備える具体的な機能をについて、問うものです。WorkFlowyが備えるそれぞれの機能がどのような仕様になっていて、ユーザーがどこをどのように操作すればどのような反応が返ってくるのかを、具体的に問います。

WorkFlowyはシンプルなツールです。でも、数え上げていけば、たくさんの機能を持っています。また、どんなシンプルな機能であっても、操作と反応の対応関係を細かく説明すれば、それなりの分量が必要です。ですから、WorkFlowyが備える全機能について、すべての仕様をもれなく書き出すのは、ほとんど不可能です。

これを前提として、さて、どんな方針で検討するとよいでしょうか。

ひとつめは、「普通に使うなら、これだけ知っておけば、8割方は問題ない」という線引きです。

この8割ラインを超えるために抑える必要があるのは、全機能のうち、せいぜい2割です。そして、この2割は、多くの方に共通します。

そこで、WorkFlowyが備える機能のうち、「この2割を抑えれば、WorkFlowyが持つ力の8割を発揮できる」というような2割の機能をピックアップすれば、多くの人がWorkFlowyを使い始めるハードルを下げるはずです。

このような機能としては、トピックを立てる、トピックを移動する、トピックにZoomする、トピックを折りたたむ、などがあります。

ふたつめに、かといって、最初の2割を超える機能についても、無視してよいわけではありません。

まず、ユーザーが望む使い方によっては、最初の2割の先にある細かい機能が決定的に重要な意味を持つことがあります。

たとえば、WorkFlowyをプロジェクト管理のために使うなら、検索機能の細かい仕様を理解し、使いこなすことが望まれます。「#2016-01-」という検索条件で検索したときに、「#2016-01-15」がヒットするか否かを知らなければ、適切なトピックだけを抽出して展開することができず、WorkFlowyによるプロジェクト管理に支障が出ます。

そこで、2:8原則のラインを超える機能については、ひとりひとりのユーザーが、具体的なニーズに引っ張られる形で、ひとつひとつ学ぶことになります。このためには、WorkFlowyが備える機能の大部分を網羅する情報源が望まれます。マニュアルや辞書のような存在です。2016年1月現在、WorkFlowyの日本語情報はまだ不足しており、とりわけ、網羅的な情報源が存在しないことが大きな問題です。

次に、日常的に使う上では必要ない細かい機能を確認することが、道具としての気持ちよさを大きく上げることがあります。

たとえば、Enterキーの挙動やカーソル移動の細かな仕様を理解すると、予想外の反応が返ってきて驚くことが大きく減るため、WorkFlowyを使う際の小さなストレスがなくなります。

ここにも2:8原則が通用しているため、細かい機能を理解し身につけるには、大きなコストが必要です。でも、重要な2割だけに留めず、その先のいけるところまで行ってみることによって開ける快適さがあるような気がしています。

(3) WorkFlowyを、どのように使うのか?

「WorkFlowyを、どのように使うのか?」という問いは、「WorkFlowyは、どのように操作するのか?」という問いとは、別の問いです。表現は似ていますが、意味はちがいます。

では、どんなちがいがあるのでしょうか。

ここで、倉下さんによるEvernoteについての考察の、2つ目の構図が出てきます。

WorkFlowyに置き換えて書くと、

「WorkFlowyを使う目的」+「WorkFlowyが備える機能」=「WorkFlowyの使い方」

です。

「WorkFlowyは、どのように操作するのか?」という機能をベースにして、それをどのような目的のために役立てるのかを問うのが、「WorkFlowyを、どのように使うのか?」です。そして、この目的には、「WorkFlowyとは、そもそも何なのか?」という問いが関わってきます。

そこで、項を改めて、この「WorkFlowyを使う目的」+「WorkFlowyが備える機能」=「WorkFlowyの使い方」という構図を考えてみます。

3.「WorkFlowyを使う目的」+「WorkFlowyが備える機能」=「WorkFlowyの使い方」

(1) 左辺を構成する2つの要素

「WorkFlowyを使う目的」+「WorkFlowyが備える機能」=「WorkFlowyの使い方」という構図は、3つの要素から構成されています。右辺の「WorkFlowyの使い方」は、「WorkFlowyを、どのように使うのか?」という問いそのものなので、左辺の「WorkFlowyを使う目的」と「WorkFlowyが備える機能」の2つを考えてみます。

a.「WorkFlowyを使う目的」

「WorkFlowyを使う目的」は、WorkFlowyを使う私たちの問題です。ユーザーの意図や要望、実現したい価値など、ユーザー側の主観的なものを問題としています。

「WorkFlowyを、どのように使うか?」という問いは、ユーザー側の主観的なものがあるからこそ、意味を持ちます。実現したい状態がないもない中でWorkFlowyの使い方を考えても、全然意味がありません。

「WorkFlowyを使う目的」は、「WorkFlowyを、どのように使うか?」という問いを、検討するに値する問いにしている源泉といえます。

b.「WorkFlowyが備える機能」

「WorkFlowyが備える機能」は、WorkFlowy側の問題です。ユーザーがどのように使うかはともかくとして、WorkFlowyがどんな機能を備えているか、という客観的な問題です。

いくらユーザーが「WorkFlowyをこんなふうに使いたい」と考えても、WorkFlowyがそのための機能を備えていなければ、その使い方はできません。

たとえば、私は、WorkFlowyに書き込んだ文字列のうち、下線、斜体、太字で装飾した部分だけを検索できたら三色ボールペンWorkFlowyがもっと進化するのにな、と思っているのですが、現時点ではWorkFlowyはこれらの装飾部位を検索する機能を持っていません。そのため、この方向で三色ボールペンWorkFlowyを進化させることはできません。

つまり、「WorkFlowyが備える機能」は、ユーザーにとって、所与の条件、既定の条件です。「WorkFlowyが備える機能」という既定条件の中でどうやるかが問われているのが、「WorkFlowyを、どのように使うのか?」という問いです。

(2) いくつかの具体例

さて、以上を踏まえて、具体例をいくつか考えてみましょう。

a.読書ノート

(a) WorkFlowyを使う目的

大学生の頃から、読書ノートを作りたいと、ずっと思っていました。

読書ノートを作る目的は、こんな感じです。

  • 読んだ内容を身につけたい
  • 本をもっと深く味わいたい
  • 読んだ内容を自家薬籠中のものにしたい
  • 自分にとって大切な本たちを集めておきたい
  • 読んだことをアウトプットしたい

「自分のブログに自分の言葉で文章を書く」という読書後の行動

(b) WorkFlowyが備える機能

WorkFlowyは、これらの目的を果たす読書ノートを実現してくれます。

WorkFlowyは、こんな機能を備えているからです。

(c) WorkFlowyの使い方

こんな目的と機能を足し合わせたところに生まれたWorkFlowyの使い方が、「WorkFlowy抜き書き読書ノート」です。

b.ブログ原稿執筆

(a) WorkFlowyを使う目的

ブログ原稿を書くための道具に私が求めるのは、次のようなことです。

  • 大量の原稿を同時並行で書く(大量の書きかけの文章群全体を管理する)
  • iPhoneからも、デスクのパソコンからも、スタバのノートパソコンからも、書ける
  • ひとつの記事として書き始めた文章を、複数の文章に分割する
  • 複数の記事として書き始めた文章を、ひとつの文章に統合する
  • ひとつの原稿を書いているときに浮かんできたアイデアを、シームレスにキャッチする
  • 書いたブログ原稿を、他のアウトプットのための素材として活用できる
  • HTML化は面倒なので、できれば省略したい(画像タグやリストタグは面倒すぎて、いちいち書いていられない)
(b) WorkFlowyが備える機能

WorkFlowyは、私がブログ原稿に求めることを満たす機能を備えています。

(c) WorkFlowyの使い方

こんな目的と機能を足し合わせたところに生まれたWorkFlowyの使い方が、WorkFlowyだけでブログ原稿を書き上げる、という使い方です。

ここ1年くらい、私は、ほとんどWorkFlowyだけで、100を超えるブログ原稿を書いてきました。

c.タスク管理

タスク管理についても考えてみましょう。ただ、WorkFlowyによるタスク管理について、私は現在模索中で、明快な解を持っていません。

(a) WorkFlowyを使う目的

私がタスク管理をする目的は、こんなところです。

(b) WorkFlowyが備える機能

プロジェクト管理のために使えそうなWorkFlowyの機能は、こんなところです。

(c) WorkFlowyの使い方

とりあえず、こんなことを考えています。

WorkFlowyでプロジェクトを進める

今後は、こんな感じで検討していけたらいいなあ。

4.おわりに〜WorkFlowy3部作の目指すところ〜

さて、倉下忠憲さんによる「Evernoteを使っていく上で、大切なことは何でしょうか。」という問いに着想を得て、「WorkFlowyを使っていく上で、大切なこと」を考えてみました。

再び、WRM:20151221からの引用します。先ほどの引用箇所に続けて、倉下さんは、次のように考察を進めます。

最終的にたどり着きたいのは、「私はEvernoteをこう使います」という発見です。これまで紹介した三つの要素は、その発見を支えるために存在しています。

その意味で三つ目にあげた「Evernoteの使い方」は、一見答えのように思えますが、それは、ごく汎用的な使い方か、あるいはそれぞれの人が自分の環境に合わせて最適化させた個別の解でしかありません。それをそのまま「自分の使い方」に直接用いるのは難しいでしょう。

Evernoteは多機能なツールでありますし、また自分の環境に合わせて整理方法を独自構築できるツールでもあります。使う人それぞれに違った形のEvernoteがあります。

もしEvernoteを使う上での知識を提供するとすれば、そうした「自分のEvernote」を構築する手助けとなるような知識であるべきでしょう。本書では、それをいくつかの角度から検討していきます。

「自分のEvernote」を構築する手助けとなるような知識。いいですねえ。

WorkFlowyに言い換えるなら、「自分のWorkFlowy」を構築する手助けとなるような知識、となります。

私がこのブログで提供したい価値は、まさにこれです。

以前、私は、WorkFlowy三部作について構想しました。

  • 『WorkFlowyの理論書』
  • 『WorkFlowyの説明書』
  • 『WorkFlowyの教科書』

の3冊です。

WorkFlowy→ハサミスクリプト→でんでんコンバーターで『WorkFlowyの説明書』『WorkFlowyの教科書』『WorkFlowyの理論書』を作る計画を構想する

この三部作は、考えてみれば、ここで検討した3つの問いと重なります。

  • 「WorkFlowyとは、そもそも何か?」=『WorkFlowyの理論書』
  • 「WorkFlowyは、どのように操作するのか?」=『WorkFlowyの説明書』
  • 「WorkFlowyを、どのように使うのか?」=『WorkFlowyの教科書』

です。

いつかこの三部作を完成させ、「自分のWorkFlowy」を構築する手助けとなるような知識を提供できることを目差して、これからも、淡々と書いていこうと思います。

[宣伝]

「WorkFlowyを、どのように使うのか?」に対応する『WorkFlowyの教科書』に相当する部分は、多分近いうちに、お届けできると思います。

【ご報告とお礼】WorkFlowyで、WorkFlowyの本(の原稿)を書きました。

正式なことが決まりましたら、改めて報告(宣伝)させてください。

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