現にうまく機能している5つの仕事術
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仕事の方法論
目次
1.「もしも5個しか」&「5つの仕事術」
次の記事を読みました。
目の前に神様が現れて、「事務手続きのミスで、今からおぬしの記憶を消さなければならない。ただそのまま消しちゃうのも悪いので、5つだけ好きな”仕事術”の記憶は残しといてやろう」と言われたとしたら、__仕事術以外にしてくださいよと要望するのは横に置いといて__一体何を残すだろうか、という話です。
R-styleのこの記事は、ブログ「23-seconds blog」の次の記事に触発されたものだそうです。
さて、別の話で、その昔「もしもiPhoneアプリを10個しかダウンロードできないとしたら」との話がはやったことがありました。本ブログでも、それに追従したエントリを書いたことがあります。ここでiPhoneアプリというものを考えてみると、細かくて、似た機能を持つものの中から、自分に合ったものを探求する対象であると言えそうです。
そこで本エントリでは、「もしも仕事術を5個しか使えないとしたら」との設問を掲げて、それを考えてみたいと思います。
おもしろそうです。
この問いを掲げて、自分なりに5つの仕事術を選べば、その5つは、今の自分にとって、現にうまく機能している仕事術のはずです。そして、現にうまく機能している5つの仕事術がわかれば、その5つをより大切にすることで、全体の生産性を上げることもできるかもしれません。
倉下さんも、こんなことをおっしゃっています。
たった5つしか選べないとするならば、自分にとって本当に必要なものがセレクトされるでしょう。こういう発想はいろいろな場面で役に立ちます。
そんなわけで、私も5つ選んでみました。今の私にとって、現にうまく機能している仕事術は、次の5つです。
2.現にうまく機能している5つの仕事術
(1) 瞬時レビュー
a.「瞬時レビュー」とは
1つめは、「瞬時レビュー」です。
「瞬時レビュー」で、Toodledoは、力を発揮する。(Toodledoで「瞬時レビュー」する方法とそのメリット)
「瞬時レビュー」とは、タスクのレビューの一種です。
1ヶ月単位が「月次レビュー」、1週間単位が「週次レビュー」、1日単位が「日次レビュー」です。これと同じように、ひとつのタスクを実行するごとに瞬時に行うレビューが、「瞬時レビュー」です。
「瞬時レビュー」の特徴は、次のように整理できます。
- 「瞬時レビュー」を実行するタイミング
- タスクを実行した直後。タスク実行後、瞬時。
- ひとつのタスクを実行してから、次のタスクにとりかかるまでの間に行う。
- 「瞬時レビュー」で、具体的に、何をするか
- そのタスクを実行したときの感情や思考をメモする
- その感情と思考を踏まえて、自分のタスクを整理する(タスク実行のサイクルを回す)
- そのタスクの、次の繰り返し時のために、改善する
- そのタスクと関連する別のタスクについて、追加したり削除したり修正したりする
b.「瞬時レビュー」のメリット
「瞬時レビュー」には、次の4つのメリットがあります。
- タスク実行のやる気が湧いてくる(「やれば残る」から、やる気になる。(ToodledoとEvernoteによる「タスクの実行」のやる気を出すシステム))
- タスク実行時の感情とうまくつきあえる(「瞬時レビュー」をすると、タスク実行時の感情と、うまくつきあえる)
- タスク実行のサイクルが回る(タスク管理ツールで「瞬時レビュー」をすることで、タスク実行のサイクルを回す)
- タスク実行によって残る行動記録の量と質が高まる(タスク管理ツールで「瞬時レビュー」をすると、タスク管理ツールが残す行動記録の量と質が、劇的に高まる)
「瞬時レビュー」という仕事術を取り入れたことで、タスク実行のストレスが減り、タスク実行のやる気が高まりました。また、ひとつひとつのタスクに集中できるようになったためか、実行されたタスクの質が高まったように感じます。私にとって、「瞬時レビュー」は、うまく機能しています。
「瞬時レビュー」で、Toodledoは、力を発揮する。(Toodledoで「瞬時レビュー」する方法とそのメリット)
(2) Dailyタスクリスト
a.「Dailyタスクリスト」とは
2つめは、「Dailyタスクリスト」です。
「Dailyタスクリスト」とは、その日実行するタスクの全部を並べたリストです。
「Dailyタスクリスト」は、次の3つの特徴を持っています。
- 【特徴1】タスク実行前(朝一番):その日実行するタスクのリスト
- 【特徴2】タスク実行中(日中):タスク実行にあたって常に参照され、感情と思考を受け止めて、脱線と割り込みに対応するリスト
- 【特徴3】タスク実行後(その日の終わり):その日1日に実行されたタスクを並べた行動記録リスト
「Dailyタスクリスト」の3つの特徴(タスクの実行前・実行中・実行後)
b.Toodledoで「Dailyタスクリスト」
私は、Toodledoで「Dailyタスクリスト」を作っています。
Toodledoで「Dailyタスクリスト」の3つの特徴を実現するために、Toodledoのどの機能をどう使うとよいか
朝一番にToodledoで「Dailyタスクリスト」を作り、日中、Toodledoによる「Dailyタスクリスト」を参照しながらタスクを実行し、1日の終わりにToodledoの「Dailyタスクリスト」がIFTTT経由でEvernoteに作成した電子業務日誌を材料に、その日をふり返り、翌日を準備する。これが、Toodledoの「Dailyタスクリスト」を軸にした、私の毎日のタスク実行のサイクルです。
- 朝一番:Toodledoで「Dailyタスクリスト」を作って、朝一番のひとり作戦会議をする(Toodledoで「Dailyタスクリスト」(1)朝編)
- 日中:Toodledoの「Dailyタスクリスト」は、タスク実行の伴走者(Toodledoで「Dailyタスクリスト」(2)日中編)
- 1日の終わり:Toodledoの「Dailyタスクリスト」を材料に、1日をふり返り、翌日を準備する(Toodledoで「Dailyタスクリスト」(3)1日の終わり編)
c.「Dailyタスクリスト」という仕事術で、持続可能な毎日を送り続ける
「Dailyタスクリスト」を使うと、1日1日のタスクの実行が捗ります。さらに、1日単位を超えたタスク実行のサイクルがうまく回ります。持続可能な毎日を送り続けることの助けになっているように感じます。私にとって、「Dailyタスクリスト」という仕事術は、うまく機能しています。
(3) クラウド×ポケット一つ原則(分類しないで一個所に集めて、時間軸で検索)
a.ポケット一つ原則は、仕事術
3つめは、『「超」整理法』の基本原則である「ポケット一つ原則」です。
「ポケット一つ原則」は原則であって仕事術ではないような気もします。でも、「ポケット一つ原則」は、「分類しないで一個所に集めて、時間軸で検索」という方法論を教えてくれます。この方法論は、ある意味、広い範囲に通用する仕事術です。
b.仕事術としての「ポケット一つ原則」のポイント
仕事術としての「ポケット一つ原則」のポイントは、「分類しないで一個所に集める」と「時間軸で検索する」の2つです。
(a) 「分類しないで一個所に集める」
『「超」整理法』よりも前、整理といえば、分類でした。これに対して、『「超」整理法』は、「分類しないで一箇所に集める」という方法を提示しました。『「超」整理法』が「超」である所以です。
『「超」整理法』が「分類しないで一箇所に集める」という方法を採用するのは、分類しなくても不都合が生じないためです。
『「超」整理法』は、まず目的をはっきりさせ、目的にとって有益な方法を採用し、目的にとって無益な方法をやめる、という戦略をとっています。情報を整理するのは、あとから必要な情報を発見するためです。分類しないと、あとから必要な情報を見つけることがむずかしいなら、分類する意味があります。でも、分類しなくても、あとから必要な情報を簡単に見つけることができるなら、分類する意味は、ほとんどありません。
『「超」整理法』は、ある方法を採用すれば、分類しないで一個所に集めても、あとから必要とする情報を見つけるのは簡単だということを示しました。
(b) 「時間軸で検索する」
分類しないで一箇所に集め、その中から必要な情報を見つけるには、すぐれた方法があります。検索です。
対象がデジタルデータなら、検索は、たいへん強力です。分類しないで一個所に集めるとき、あらかじめ何の秩序も作らなくても、コンピュータに検索させれば、必要な情報を探し出してくれます。
これに対して、対象がアナログの場合、コンピュータに検索させるわけにはいきません。でも、「分類しないで一箇所に集め、そこを検索する」という方法論自体は、アナログでも有効です。アナログで検索するために力を発揮するのは、「時間軸」という検索キーです。
『「超」整理法』は、すべての情報を時間軸に沿って時系列で並べて、「時間軸」という検索キーで、情報を検索する方法です。「時間軸」という検索キーは、人間の記憶や認知の仕組みと相性がよいらしく、「時間軸」という検索キーで情報を検索すると、かなりの精度と速度で、情報を検索できます。
検索を活用することと、アナログで検索する場合は「時間軸」という検索キーが強力であること。これが、「ポケット一つ原則」のもうひとつのポイントです。
c.「ポケット一つ原則」とクラウド
「ポケット一つ原則」の「分類しないで一個所に集めて、時間軸で検索」という仕事術は、クラウドとの相性が、抜群によいです。
(a) 入口が無限にある、ひとつのポケット
クラウドは、データの保存場所がひとつです。GmailのメールデータはGoogleのサーバーに保存され、EvernoteのノートデータはEvernoteのサーバーに保存され、ToodledoのタスクはToodledoのサーバーに保存されています。
でも、データにアクセスする入口はたくさんあります。iPhoneからも、職場のWindowsデスクトップパソコンからも、自宅のMacノートパソコンからも、GmailにもEvernoteにもToodledoにもアクセスできます。
つまり、クラウドは、どこにでも入口があるひとつのポケットです。
「ポケット一つ原則」の弱点は、ポケットが一つに限定されているので、入口が限られる、ということです。でも、クラウドのポケット一つ原則なら、ポケットを一つに限定しながら、入口を限定する必要がありません。クラウドは、「ポケット一つ原則」の力を拡大します。
クラウドと「ポケット一つ原則」は、相性抜群。文章とメールとタスク、3つの「ポケット一つ原則」
(b) 分類と「ポケット一つ原則」を両取りできる
また、クラウドなら、分類とポケット一つ原則を両取りできます。
分類できそうな情報を目にしたとき、私たちは、ついつい、分類したくなります。でも、アナログ情報を分類すると、検索対処場所が複数に増えてしまうので、「ポケット一つ原則」の力は半減します。そのため、アナログ情報で「ポケット一つ原則」を実現するには、「分類したい」という欲求を抑えなければいけません。
これに対して、クラウドなら、自然の欲求にしたがって情報を分類しても、「ポケット一つ原則」を実現できます。「すべての○○」という機能が用意されているからです。
たとえば、Gmailでは、ラベル機能を使って、メールを細かく分類できます。しかし、「すべてのメール」をクリックすれば、Gmailに保存されているすべてのメールを確認することができます。どれだけ分類しても、Gmailという一つのポケットは維持されます。
たとえば、Evernoteは、ノートブック機能を使って、ノートを細かく分類できます。しかし、「ノート」をクリックすれば、Evernoteに保存されているすべてのノートを確認することができます。どれだけ分類しても、Evernoteという一つのポケットは維持されます。
すべてのメール・すべてのノート・すべてのタスクの凄み(Gmail・Evernote・Toodledoから得る価値を大きくする)
(c) 「ポケット一つ原則」が機能している
私は、すべてのメールを、Gmailで送受信しています。Gmailという一つのポケットに、メールを集めています。メールの「ポケット一つ原則」です。
Gmailを、クラウド上のメールシステムとして使う(2014年6月段階)
私は、すべての文章を、Evernoteで書いています。Evernoteという一つのポケットに、文章を集めています。テキストデータの「ポケット一つ原則」です。
文章を書くツールとしてEvernoteを使うことのメリット テキストデータのポケットひとつ原則
私は、すべてのタスクを、Toodledoに預けています。Toodledoという一つのポケットに、タスクを集めています。タスクの「ポケット一つ原則」です。
Toodledoで人生が変わったサラリーマンの、Toodledo運用例・全部入り(2014.2段階)
仕事術としての「ポケット一つ原則」は、主にクラウドとの相乗効果によって、私の毎日のほぼ全ての範囲で、強力に機能しています。
(4) 『ねじまき鳥クロニクル』→『国境の南、太陽の西』文章作成術
a.文章術という仕事術
4つめは、文章術です。私は、文章を書くことの仕事に占める割合がわりと高い仕事をしています。なので、私にとって、文章術は、重要な仕事術です。
文章を書くために役立つ知識や技術は、たくさんあります。たとえば、次の記事は、文章を書くために役に立つ本を、私なりにリストアップしたものです。
自分の考えを正確にわかりやすく伝える文章を書けるようになるために役立つ本のリスト
このリストの中でも、『数学文章作法 基礎編』には、文章を書くための基本的な知識と技術がつまっています。文章を書くための知識と技術を学びたいなら、一読をおすすめします。
読者のことを考えるって、こういうことだったのか!結城浩著『数学文章作法 基礎編』(ちくま学芸文庫)
このように、文章を書くために役立つ知識と技術は、確かに存在します。でも、それが仕事術や文章術なのかといえば、少し違和感があります。私のイメージでは、仕事術や文章術というのは、個々の知識や技術ではなく、もう少し広がりを持った方法論です。
b.『ねじまき鳥クロニクル』→『国境の南、太陽の西』文章作成術
ひるがえって考えてみると、私が文章を書く目的は、最終成果物である文章を完成させることだけではありません。文章を完成させようとすると、その過程で、思考が進みます。この思考を進めることこそ、私が文章を書くことの、かなり大きな目的です。
ですから、私にとっての文章術とは、その方法で文章を書くことで、思考を前に進めることができる方法です。
この意味での文章術を考えると、現にうまく機能しているひとつの文章術が浮上します。それが、「『ねじまき鳥クロニクル』→『国境の南、太陽の西』文章作成術」です。
この名前の由来は、もちろん、村上春樹の『ねじまき鳥クロニクル』と『国境の南、太陽の西』です。『国境の南、太陽の西』はもともと『ねじまき鳥クロニクル』の一部分だった、という両者の関係を一般化した文章術が、この「『ねじまき鳥クロニクル』→『国境の南、太陽の西』文章作成術」です。
大きく分けて3ステップです。
- ステップ1:壮大なテーマを掲げて、書けるところまで書く
- ステップ2:壮大なテーマで収拾がつかなくなったら、そこから収まりがつかない一部分(『国境の南、太陽の西』部分)を切り取る。そして、『国境の南、太陽の西』部分を、育てる
- ステップ3:『国境の南、太陽の西』部分を捨てることでちょっと身軽になった壮大な方(『ねじまき鳥クロニクル』部分)を、育てる
さらに、ステップ3まで行っても、まだ『ねじまき鳥クロニクル』部分の収拾がつかなければ、再度、ステップ2に戻ります。
最初に壮大なテーマを掲げ、壮大なテーマの文章を完成させようとする過程で、いくつもの派生的な文章を生み出すこと、また、それによって思考を前に進めることが、「『ねじまき鳥クロニクル』→『国境の南、太陽の西』文章作成術」の肝です。
c.「『ねじまき鳥クロニクル』→『国境の南、太陽の西』文章作成術」×Evernote
この「『ねじまき鳥クロニクル』→『国境の南、太陽の西』文章作成術」と、Evernoteというツールとは、すこぶる相性がよいです。Evernoteなら、一部分を捨てても、その一部分が死なないからです。
思考の一部を捨てても死なない(なぜ、私は、思考するツールとして、Evernoteを使うのか)
「『ねじまき鳥クロニクル』→『国境の南、太陽の西』文章作成術」を実践するツールとして使用すると、Evernoteは大きな力を発揮します。「『ねじまき鳥クロニクル』→『国境の南、太陽の西』文章作成術」とEvernoteによって、私は、日々、たくさんの文章を書くことができています。この文章術は、私にとって、うまく機能しています。
(5) 「しまう」と「響く」という仕事観(Evernoteを「大きな引き出し」として使う)
a.「大きな引き出し」に「しまう」と「響く」
最後の5つめは、「しまう」と「響く」という2つの言葉です。
「しまう」と「響く」は、恩田陸さんの『光の帝国』という短編集に収められている「大きな引き出し」という物語に出てくる言葉です。
「大きな引き出し」の主人公である春田家の皆さんは、驚異的な記憶力を持っており、古典の全部を丸暗記することだってお茶の子さいさいです。この、対象となるテキストなりなんなりを丸ごと暗記するのが、「しまう」です。
この物語の中では、しまわれたテキストなりなんなりは、「響き」ます。物語の中では、あたかも自分がその場にいるかのように映像や音声を体験することとして描かれていました。「響く」は、「しまわれた」物語たちが、それ自体として、生き生きと動き出す、というような感じです。
b.「しまう」と「響く」は、仕事の役に立つ
この「しまう」と「響く」は、フィクションの中に出てくる概念に過ぎません。でも、私にとって、この「しまう」と「響く」は、仕事に役立つ概念です。
たとえば、「しまう」と「響く」は、勉強に役立ちます。この概念を持って勉強すると、何かを暗記することの価値を感じるようになって、やる気が出てきます。
仕事において、何かをインプットしなければいけない場面はたくさんあります。このときに、「しまう」と「響く」というイメージを活用すると、インプット作業に対するやる気を呼び起こすことができます。
c.「しまう」と「響く」という仕事観
さらに、「しまう」と「響く」は、ひとつの仕事観にもなります。
仕事観とは、「仕事とはなんぞや?」とか「仕事の役割や目的は何か?」といった問いに対する答えです。「しまう」と「響く」という仕事観は、「仕事を通していろんなことを体験して、その体験の全部を自分の中にしまうことが、仕事の大きな役割であり、目的なんだ。」と答えます。
この文章で検討しているのは、仕事術であって、仕事観ではありません。でも、仕事観は、仕事術の一部にもなります。というのは、仕事術の目的は仕事をうまく実行することや楽しく実行することだと思うのですが、どんな仕事観を持つかは、仕事をうまく実行できるかや、仕事を楽しく実行できるかに、大きな影響を与えるからです。そのため、仕事をうまく進めるための仕事観を持つこと、仕事を楽しく進めるための仕事観を持つことは、けっこう波及効果の高い仕事術です。
仕事術としての仕事観として考えたとき、私は、この「しまう」と「響く」という仕事観は、かなり有効な仕事術だと実感しています。この理由は、結局のところ、「やる気になる」ということに集約されます。
「やれば残る」から、やる気になる。(ToodledoとEvernoteによる「タスクの実行」のやる気を出すシステム)
d.Evernoteで、「しまう」と「響く」という仕事観を実践する
では、「しまう」と「響く」という仕事観を実践するためには、具体的に、どうしたらよいのでしょうか。
私は、仕事の結果を(差し障りがない程度にできる限り)Evernoteに蓄積する、という方法をとっています。Evernoteに実行したタスクの記録や成果物を集約することによって、Evernoteを「大きな引き出し」として使っています。
【Toodledo×IFTTT×Evernote】電子業務日誌を自動的に作成する
Evernoteは、「大きな引き出し」です。Evernoteにいろんなものを「しまう」と、それは、いつか「響き」ます。
Evernoteを「大きな引き出し」として使うことによって、「しまう」と「響く」という仕事観は、私の毎日において、うまく機能しています。
3.まとめと次の課題「仕事術の数え方」
以上、今の私にとって、現にうまく機能している仕事術を、5個、ピックアップしました。
まとめると、
- 瞬時レビュー(参考:「瞬時レビュー」で、Toodledoは、力を発揮する。(Toodledoで「瞬時レビュー」する方法とそのメリット))
- Dailyタスクリスト(参考:「Dailyタスクリスト」というシステム)
- クラウド×ポケット一つ原則(参考:クラウドと「ポケット一つ原則」は、相性抜群。文章とメールとタスク、3つの「ポケット一つ原則」)
- 『ねじまき鳥クロニクル』→『国境の南、太陽の西』文章作成術(参考:『ねじまき鳥クロニクル』→『国境の南、太陽の西』文章作成術)
- 「しまう」と「響く」という仕事観(Evernoteを「大きな引き出し」として使う)(参考:Evernoteは「大きな引き出し」。「しまう」と「響く」)
の5つです。
この5つを選んだことに納得はしています。ただ、この5つを選び出す過程で、仕事術を数えるのは難しい、と痛感しました。
たとえば、私は、「瞬時レビュー」と「Dailyタスクリスト」を、どちらもToodledo上で行っています。私にとって、「瞬時レビュー」と「Dailyタスクリスト」は、(別々の役割を持つ作業ではありますが、)深く絡み合っています。二つをまとめて「Toodledoによるタスクの実行を支援するタスクマネジメントシステム」とするのもありかもしれません。
あるいは、「しまう」と「響く」は、仕事観です。これを仕事術の範疇に含めるのは、神様が敷いたジャンル分けの壁を乗り越えてしまう行為なのかなあ、という迷いもありました。
23-seconds blogに、次のような記載があります。
しかし、仕事術の場合は
どこまでが仕事術か
「仕事術1つ」とは何のことか
といったことをまずは考えないと、「仕事術の数」なるものを数えることができません。
私が感じたのは、まさにこれです。
「仕事術の数え方」。難しいけれど、面白い課題です。次はこれを考えようかなと思います。これを考えることで、倉下さんが問題提起されていた「仕事術の体系」にもつながるんじゃないか、という気もしますので。
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