結城浩先生の「よかった探しリース」 by 単純作業に心を込めて
公開日:
:
最終更新日:2014/11/12
単純作業に心を込める
目次
1.よかった探しリース
「よかった探しリース」は、Webページを持っている人が、 クリスマスの期間「手」をつないで大きな大きなリース(花輪)を作ろう、という企画です。 もちろん、Webページの「リンク」を使って手をつなぐのです。
略
さて、各ページには共通のテーマがあります。 それが「よかった探し」です。 今年一年を振り返り、よかったこと、楽しかったこと、嬉しかったこと、感動したこと… 自分の体験をもとに一ページを構成するのです。
(よかった探しリースより)
『数学文章作法』や『数学ガール』の結城浩先生が、「よかった探しリース」というものを呼びかけていました。
「よかった探し」という共通のテーマで、「Webページを持っている人が、クリスマスの期間「手」をつないで大きな大きなリース(花輪)を作ろう」という企画だそうです。
今年一年の自分の体験から、よかったことをふり返るという「よかった探し」は、きっと、この1年間を肯定するための、すごくよい作業です。
ということで、ブログ「単純作業に心を込めて」は、この「よかった探し」に参加します。
2.「よかった探しリース」by 単純作業に心を込めて
(1) 今年も、妻や子どもはじめ大切な人と一緒に過ごした365日を、自分の人生の「大きな引き出し」に「しまう」ことができた
今年一年も、私は、妻や子どもをはじめとするたくさんの大切な人たちと、一緒に時間を過ごすことができました。
そして、大切な人たちと一緒に過ごした時間を、私の人生の「大きな引き出し」に「しまう」ことができました。
また、このことの具体的なあらわれのひとつとして、私のEvernoteの中には、365日分のEvernote子ども成長記録が蓄積されました。
いちばん大切な、子どもの成長記録を、Evernoteにしまい続ける
いろんな体験を自分の人生の「大きな引き出し」に「しまう」ことができたこと、さらに、「大きな引き出し」に「しまう」ことを、Evernoteで具現化できていること。これは、私の人生にとっての、確かな「よかった」です。
(2) この「単純作業に心を込めて」というブログが、ウェブで学び合い考え合う場所に育った
2014年が始まったとき、私は、この「単純作業に心を込めて」というブログを、「なにかおもしろいことができる自分の場所」に育てたい、と考えていました。
なにかおもしろいことができる自分の場所を育てる。『「Chikirinの日記」の育て方』を読んだその後。
そこから約1年間、この方向性で文章を書き続けていたら、「単純作業に心を込めて」は、かなりの程度、私にとっての「なにかおもしろいことができる自分の場所」になりました。これは、私の人生にとって、かなり大きな「よかった」です。
a.ブログで考え合う
最初に実感したのは、500番目の記事を書いたときのこと。このときは、ブログでのやりとりを通じて、「Toodledoの完了タスク情報をIFTTT経由でEvernoteに蓄積する」という方法にたどりついたころでした(【Toodledo×IFTTT×Evernote】電子業務日誌を自動的に作成する)。この体験から、私は、「単純作業に心を込めて」でやりたいのは、ブログで考え合うことなんじゃないかと感じました。
500番目の記事に、「単純作業に心を込めて」でやりたいことを見つける(ブログで考え合う)
b.ウェブで学び合う
次に、ブログを通じていろんな方と知り合い、特に、るうさんとTak.さんとは、実際にお目にかかる機会もいただきました。
さらに、そのときにるうさんから頂いた結城浩先生の『数学文章作法 基礎編』を読んでから、『文章教室』2014期生のクラスメイトができました。
結城浩先生の『数学文章作法 基礎編』を読んでから、『文章教室』2014期生のクラスメイトができるまで(あるいは、『文章教室』2014期生へのお誘い)
加えて、これと近い時期に読んだ『アリスの物語』とその監修PDFによって、私は、ウェブで学び合うという、大きな可能性を知りました。
『文章教室』(結城浩)と『アリスの物語』監修PDF(倉下忠憲・藤井太洋)に、ウェブによる教育の可能性を見る
c.ブログの読み手の存在を腹の底から実感し、ブログがよき聞き手となる
2014年は、ブログを通じて、先のるうさん、Tak.さんはじめ、たくさんの方と知り合うことができました。何かを書けば、誰かに届くんじゃないかなあ、という希望を抱きながら、ブログを書くことができています。
ブログの読み手の存在を腹の底から実感し、その読み手に届けたいと願えることによって、私にとって、この「単純作業に心を込めて」は、よき聞き手へと成長しました。
ブログがよき聞き手になるために大切なことは、読み手の存在を実感し、読み手に伝えたいと願えること
ブログがよき聞き手へと成長したことによって、普通の個人である私は、自分の毎日に、「その時点までの考察をアウトプットして、フィードバックを得る仕組み」を組み込むことができました。
普通の個人が、自分の毎日に、「その時点までの考察をアウトプットして、フィードバックを得る仕組み」を組み込む
これも、この1年間、このブログを「なにかおもしろいことができる自分の場所」へと育てたいと思いながら、文章を書き続けてきたからかもしれません。
「セルフブランディングを実践した先にある世界」と「その時点までの考察をアウトプットして、フィードバックを得る仕組み」
(3) 『数学文章作法 基礎編』、「ハイブリッド・シリーズ」、『本は死なない』、『鹿の王』など、何冊ものすばらしい本に出会えた
この1年間も、Kindle Paperwhiteのおかげで、たくさんの本を読むことができました。Kindle Paperwhiteが、ボトルネックを解消してくれたからだと思います(Kindleを使うと、なぜ、読書量が増えるのか?→Kindleが3つのボトルネックを解消するから。)
また、この1年間は、紙の本を読んだ冊数も増えました。倉下忠憲さんの『ソーシャル時代のハイブリッド読書術』を読んで、紙の本をEvernoteに蓄積する仕組みを作ったからだと思います(紙の本の読書ノートを、Evernoteに蓄積する)。
これによって、2014年も、何冊ものすばらしい本と出会うことができました。いくつかピックアップします。
a.『数学文章作法 基礎編 ちくま学芸文庫』
筆頭は、結城浩先生の『数学文章作法 基礎編』です。
読者のことを考えるって、こういうことだったのか!結城浩著『数学文章作法 基礎編』(ちくま学芸文庫)
『理科系の作文技術』に匹敵する名著でした。
自分の考えを正確にわかりやすく伝える文章を書けるようになるために役立つ本のリスト
b.『ソーシャル時代のハイブリッド読書術』など、「ハイブリッド・シリーズ」
次は、倉下忠憲さんの、「ハイブリッド・シリーズ」です。
『Evernoteとアナログノートによる ハイブリッド発想術 (デジタル仕事術)』(2012年)
このシリーズから受け取った「ハイブリッド・システム」というコンセプトは、今の私の毎日を支える基本的な考え方です。
自分個人のための知的生産システムを改善し続ける。「ハイブリッド」シリーズ(倉下忠憲)から受け取った「ハイブリッド・システム」というコンセプト。
c.『本は死なない Amazonキンドル開発者が語る「読書の未来」』
次は、『本は死なない』です。
この本で示されていた「Reading2.0」というコンセプトに、私はとてもワクワクしました。
d.『鹿の王(上下合本版) 角川書店単行本』
最後は、『鹿の王』です。これだけ小説。
上橋菜穂子さんの最高傑作を、私は『獣の奏者』だと考えていました。でも、この『鹿の王』を読んで、『獣の奏者』並にすごいと感じました。
上橋菜穂子さんの小説は、奥行きがあって、テーマもあって、謎もあって、人物も豊かで、本当に魅力的です。私は村上春樹の書くものが、ごく控えめに表現してすごく好きなのですが、最近、ひょっとしたら、上橋菜穂子さんの書くものが好きな度合いは、村上春樹並みかもしれない、と感じています。
(4) Toodledoを中心とするタスクマネジメントシステムが、もっと強力になった
2014年4つめの「よかった」は、Toodledoを中心とするタスクマネジメントシステムが、もっと強力になったことです。
2014年当初、私は、自分が組み立てているToodledo運用例のことを、自分の毎日を前提とすれば、それなりに完成したものだと考えていました。そのため、2014年2月、私は次の記事をまとめました。
Toodledoで人生が変わったサラリーマンの、Toodledo運用例・全部入り(2014.2段階)
でも、私が組み立てていたToodledoタスクマネジメントシステムには、改善の余地が残されていました。それも、かなりたくさん残されていました。
2014年になってからの成長は、少なくとも次の3つです。
ひとつめは、Toodledoの完了タスク情報をIFTTTによってEvernoteに蓄積する仕組みが整ったことです。これによって、Toodledoの完了タスク情報を活かすことができるようになりました。
【Toodledo×IFTTT×Evernote】Toodledoの完了タスク情報を、Evernoteに蓄積し、タグで管理する
ふたつめは、Toodledoで「Dailyタスクリスト」を始めたことです。これによって、Toodledoを、「タスクの実行を支えるシステム」へと育てることができました。
Toodledoで「Dailyタスクリスト」の3つの特徴を実現するために、Toodledoのどの機能をどう使うとよいか
みっつめは、Toodledoで「瞬時レビュー」を始めたことです。これによって、Toodledoを、タスクを実行にあたっての感情を受け止めるシステムへと育てることができました。
瞬時レビューと実行中メモで、タスク実行中の感情&脱線を処理する。感情と脱線からも価値を汲み取るタスクマネジメントシステム
この1年間で、Toodledoを中心とするタスクマネジメントシステムを育てることができました。おかげさまで、今年1年間も、持続可能な毎日を送ることができました。
(5) Evernoteが育った
2014年「よかった」の最後は、今年1年も、1年分、Evernoteを育てることができた、ということです。
2014年、私は、Evernoteを使うときに、「Evernoteを育てる」という意識を強く持つことを心がけました。
これによって、この1年間で、私のEvernoteは、大きく育ってくれたように思います。
Evernoteの育て方。子どもの成長記録・知的生産・セルフマネジメントのノート具体例とあわせて。
この1年間で、私のEvernoteは、これまで以上に、「大きな引き出し」になってくれました。これからも、自分の毎日をEvernoteに「しまう」ことを続けることで、日々Evernoteが「響く」生活を送っていけたらいいなと思います。
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